「バケモノの子」の試写会に連れて行って貰いました。なんと完成披露試写会で、驚きでした。
ストーリーは、
この世には人間の世界とは別に“バケモノの世界“がある。人間界“渋谷“とバケモノ界“渋天街“が繋がっていて、少年とバケモノはひとりぼっちで生きていた。ある日、少年はバケモノの世界に迷い込む。そこでバケモノ・熊徹の弟子になり、九太という名前を授けられる。
というお話です。
人間の子供・蓮は、両親が離婚し、ある理由で、一人になってしまう。親戚が引き取るやらなんやらというゴタゴタの話を聞かされ、イヤになって、家を飛び出し、渋谷の街を彷徨っていた。渋谷の人混みの中、人間では無いような生き物が歩いているのに気が付き、急いで追って行くと、そこには、渋谷とは全く違う世界が広がっていた。驚いた蓮は、逃げようとするのですが、バケモノの”熊徹”に捕まり、「オレの弟子になれ。」と言われ、そこに世話になることになる。
蓮は、自分の名前を熊徹に明かさず、熊徹は、蓮に”九太”という名前を付ける。バケモノ界での名前は、九太となり、熊徹の元、九太は育って行く。熊徹は、とても強い技術を持っていながらも、それを教える技術を持っておらず、弟子に教えるという事が出来ない。そこで、九太は、熊徹がやる事を、そのまま”猿まね”をして、戦いの技を身につけて行く。
青年になり、技術も身に付け、熊徹の下で、鍛錬を続けていた九太。ある日、熊徹とジャレていた時、フイに裏へ迷い込み、渋谷の街に飛びだしてしまう。渋谷と渋天街が繋がっている場所を見つけた九太は、その日から、時々、人間界へ抜け出しては、それまでしてこなかった勉強などをするようになって行く。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
うーん、やっぱり、細田監督のアニメはイイなぁ。親と別れてしまった蓮を九太と呼び、自分の弟子として育てて行く熊徹、反発しながらも、着実に熊徹の技を覚えて行く九太、どちらも不器用だけど、お互いを支え合って、与えあっているんです。親は、子供を産んだから親になったのではなく、子供が親として付いて来てくれて、親として作られて行くんです。子供は、親を手本に学びながらも、集団社会に混ざり、自分の居場所を見つけて行くものです。そして、一人立ちして行く。それが、見事に描かれていました。
熊徹は、超強いのに、人に教えられないんです。天才肌なんですね。良くゴルフとかでレッスンプロっているでしょ。上手くないけど、教えるのは上手い人。その反対なんです。暴れん坊で、考え無しで、とても優しい熊徹は、九太と出会った事で、人間的にとても成長して行きます。ちゃんと、人に教えられるようになって行くんです。自分が育てると決めた子供は、責任を持って、育てて行く、そこに血の繋がりなんて関係無い。血が繋がっていたって、育てられない人が沢山いるんだから、他人が、必死に育ててくれても間違いじゃないよね。そこに愛があれば、何の問題も無いと思います。
九太は、人間界で耐えられなくなり、バケモノ界に迷い込んできました。胸に暗い闇を抱えて、彷徨っていたところを、熊徹に助けられたんです。人間の心には、沢山の闇があり、それを打消すことは難しいんです。恨みや妬み、劣等感などなど、バケモノたちには無いものを人間は持っていて、その闇と関わらない為に、人間界とバケモノ界は分かれたのかも知れません。でも、見ていると、バケモノたちにも、妬みとかって、在るように見えたけどな。(笑)
声は、とても合っていました。監督が、顔で選んだといっていましたが、顔が似てるって事は、骨盤が似てるって事だから、声もピッタリ合うハズですよね。骨振動してくるんだからさ。良かったです。特に、大泉さんとリリーさんが、アニメのキャラにピッタリで、笑ってしまうほどでした。長老の津川さんも、まるでヨーダのようで、良かったなぁ。それを考えると、まるで、日本アニメ版スターウォーズっぽかったのかしら。だって、オビ・ワンに訓練されるルークって感じでしょ。お父さんは、ダースベイダーじゃないけどね。(笑)
そうそう、物語の中に、メルヴィルの「白鯨」のお話が出てくるんです。なんか、観ていて、もう一度、読みたくなっちゃった。子供の頃に読んだきりで、随分、読んでいないんです。そして、この「白鯨」、最後、大きなキーポイントになってくるので、忘れないでくださいね。
あー、なんか、この映画、すっごく良かったのに、感想を直ぐに書かなかったから、その感動が伝わらなくなっちゃった。だって、書こうと思ったら、今日は、「ジョジョの奇妙な冒険」の最終回だった事に気が付き、途中で止めたりしていたら、まとまりが無い文章になってしまいました。ゴメンナサイ。
私は、この映画、お勧めしたいと思います。私としては、「サマーウォーズ」の方が好きでしたが、また、違ったテーマが、この映画の中に流れていて、それが、ジーンと心に響いてくるんです。また、劇場に観に行こうかなと思っていますが、皆さんも、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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