「エレファント・ソング」マイケルの見ていたゾウは、彼自信だったのかしら。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「エレファント・ソング」を観てきました。


ストーリーは、

謎の失踪を遂げた同僚を捜そうとする、精神科医のグリーン(ブルース・グリーンウッド)。彼は同僚の姿を最後に見たという患者マイケル(グザヴィエ・ドラン)から、詳しい話を聞くことにする。象に異常な執着を見せる彼と対面し、失踪事件を解決する手掛かりをつかもうとするグリーンだったが……。

というお話です。


エレファント

ある病院で、精神科医ローレンスが失踪した。病院の院長トビー・グリーンは、精神科医が最後に会ったというマイケルに、その時の状況を聞こうと、部屋に呼びます。婦長のスーザンに連れてこられたマイケルは、他の精神疾患患者とは違い、とても知能が高く、相手を操るように話を持っていくことが上手いので、もしかして、マイケルに操られて、何か事故にでも遭ったのかもしれないと心配したんです。


話を聞いても、マイケルは、いつまでもはぐらかすばかりで、グリーンが納得の行くような答えは一つも出てこず、いつまで経っても、話が進むことがありません。そろそろ頭にきたグリーンは、いい加減に真剣に話をしてくれないと、先へ進まないし、自分の話を聞いてほしいと頼みます。

エレファント

しかし、マイケルは、話をはぐらかし、自分の子供の頃の話をしたり、母親の話をしたりということを続けて行きます。そして、父親との思い出の中に、アフリカで働いていた父親に連れられて草原に行った時、象を見つけ、父親たちが射殺する場面を見ます。象は、いつまでも涙を流しながらマイケルを見つめ、命を消していきました。

エレファント

その衝撃が、マイケルに何かを与えたのだと思い、グリーンは、静かに話を聞きながら、精神科医ローレンスの行方を探って行こうと、色々な質問を与えて行きます。マイケルは、グリーンを面白い奴だと思い、自分の話術で、彼を翻弄させ、楽しんでいきます。1対1の、暴力の無い戦いであり、かといって、人間に害は与え無い訳では無く、ちゃんと心に傷がついてしまうんです。マイケルよりも、グリーンの方の心に突き刺さる言葉は、段々とグリーンを追い詰めていきます。


エレファント

繊細で傷つきやすいマイケルは、何をしても、どこまで行っても、精神患者であり、そこに自由はありません。彼にとっては、息苦しいことばかりで、その暗い気持ちをローレンス医師が受け止め、話を聞くようにしてくれて、マイケルは安定していたのですが、そのローレンス医師が居なくなった今、マイケルの精神状態は、極限まで来ていたんだと思います。

グリーン院長に、マイケルは、院内をフラフラ歩いていただけだし、、フローレンス医師の行方は知らないと言っているのですが、何か隠しているのは確かで、それを解明し、医師を探さなくてはという気持ちが彼を焦らせてしまい、マイケルの誘導する質問や取引に、つい、操られてしまいます。そして・・・。あとは、映画を観てくださいね。


エレファント

この映画、2人だけの、まるで密室劇に見えるのですが、ドアの外には婦長が居て、他にもたくさんの人々がその病院には居るんです。それでも、院長室での二人は、世界に二人だけしか居ないかのように見えて、恐ろしく、遅い時間が流れているように見えました。細かく、意見を書きたいのですが、これ以上書いていると、ネタバレになってしまうので、書けないんです。うーん、話したいっ!


エレファント

マイケルという精神疾患の患者が取る行動は、私は、とても理解が出来ました。自分を受け入れて欲しくて、自分の事を考えて欲しくて、つい、意地悪な行動をとってしまったり、ツンデレってしてしまうでしょ。彼も、同じなんです。知能は高いんですけど、精神的年齢が低いんだと思いました。だから、彼は、扱いにくいと思われがちなんですが、本当は、言っている事に嘘は無いんです。


映画の中の全ての言葉が罠の様に思えるのですが、マイケルが言っていることは、全く間違っていないんです。ただ、要点を外してあるだけ。それを、周りの人間が気が付かないだけなんです。もし、彼に寄り添い、彼を愛することが出来る人が居たのなら、状況は変わっていたのかも知れませんが、彼にとっての助けは来ず、マイケルは、前々から決めてあった行動に移ることになります。


エレファント

私は、この映画、超お勧めと言って良いかな。私は、とても好きな内容でした。マイケルの、”この人なら、自分を助けてくれる”と思っていた人に全てを受け入れてもらう事は出来ず、結局、自分は一人なのだという思いに駆られてしまい、全てを放棄してしまうという気持ち、とっても伝わってきました。この内容、舞台にしたら面白そうですね。すごい心理戦なので、観ていて、とても面白いと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




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