「画家モリゾ マネの描いた美女 名画に隠された秘密」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
パリ16区の裕福な家庭に育ったベルト・モリゾ(マリーヌ・デルテルメ)と姉エドマ(アリス・ビュト)は結婚もせず、絵を描くことに没頭していた。1865年、二人はルーヴル美術館での模写の最中、世間を騒がせている絵画「オランピア」の作者マネ(マリック・ジディ)と出会う。数日後、マネからベルトに絵のモデルになってもらいたいという手紙が届き……。
というお話です。
パリの高級官僚の娘として産まれたベルト・モリゾは、子供の頃から絵を習い、20歳の頃からコローに師事し、画学生として勉強を続けていたのですが、サロンに出品しても、その努力が報われる事は少なく、いつも不満を抱えていました。そんな時、画家として名声を得ていたマネと出会い、イヤな男と思いながらも惹かれていってしまう。
マネは、妻子がいるのに、自分の弟子である女性とも関係を持ったりと、奔放な人生を歩んでおり、ベルト・モリゾは、不道徳な男だと思い、マネの前では、不機嫌な顔ばかりしているのですが、彼がどうしても気になり、彼に魅了される自分を抑える事が出来なくなります。マネは、ベルトにモデルを頼み、時には、ベルトの絵の教師としても彼女と関わり、彼女の絵を評価し、適格なアドバイスを与えてくれます。そんな2人は、近づきそうで近づかない、微妙な距離を置いて、長い間、友人として師弟として、関係を続けて行きます。
パリにも戦争の火が近づき、マネも兵士として戦場へ行き、ベルトは、パリに来る兵士たちをもてなし、その疲れを癒していました。そして戦争も終わり、マネも、マネの弟も帰って来て、また、ベルトの家を訪ねるようになります。マネは、自分の弟・ウージェーヌ・マネをベルトに紹介し、ウージェーヌは、ベルトに求婚する事に。そしてベルトは・・・。後は、映画を観て下さいね。
マネのモデルとしても有名で、画家としても有名なベルト・モリゾの半生を描いています。主に、マネとの関係を描いているのですが、マネとは、モデルと画家として、絵の師弟としての関係であり、恋愛感情はあったかもしれないけど、でも、まぁ、こんなもんじゃないですかって感じで描かれています。どこら辺までかって言うのは、映画を観て欲しいんですけど、私が思うに、この時代なら、まぁ、あまり貞操観念ってものが無かった時代なので、本当は、なんかあっちゃったんじゃないのぉ~って感じで観ていました。
この時代、ナポレオン三世が復権して、ワイワイ戦争をしていた時代でしょ。この映画の中で描かれているのは、普仏戦争じゃないかと思うんだけど、フランスが負けて、ナポレオン三世が退位してっていう、歴史の転換期だったから、絵を描いてフラフラしている人達は、貴族と呼ばれるようなお金持ちの人ばかりだっただろうと思うんです。となると、苦労なんて知らないから、好き勝手なことをして、貞操観念なんて無かったと思うんですよ。
まぁ、ベルト・モリゾは、マネの弟と幸せな結婚をして、娘を授かったので、結婚してからの人生は、安定した、穏やかな人生だったんじゃないかと思います。だから、歴史的にあまり記述が残っていないんじゃないかな。波乱万丈だった人物は、必ず、面白いから、誰かが記述しているし、噂になっているだろうけど、平穏な日々を過ごした人は、噂にもならず、誰も興味を持って記述しようとはしないので、残っていないんだと思います。
でも、この時代に、女性が絵を描いて、ルノワールやドガ、マネなどと肩を並べるというのは珍しかったのかも知れませんね。あまり居ないですもん。私、印象派の絵は、あまり好きでは無いので、それ程、今まで、興味を持ったことは無いのですが、今回、こんな風な繋がりがこの人達にあったんだと知り、面白いなって思いました。ジュリー・マネの肖像のジュリーって、エドゥアール・マネの娘じゃなくて、ベルト・モリゾとウ-ジェーヌ・マネの娘だったんですね。今回、初めて知りました。ずっと、あのマネの娘かと思っていました。
この映画、私は、歴史に興味がある人には、お勧めしても良いかな。ハッキリ言って、それ程面白い映画とは言えません。でも、印象派の時代の画家たちに興味があったり、この時代のフランスに興味がある方には、ちょっと珍しいので、面白いと思います。あまり女性画家の目から見たフランスの歴史というものって、描かれた事が無いと思うので。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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