舞台で、「山海塾」の「歴史いぜんの記憶-うむすな」を観ました。
山海塾の舞台なので、もちろん、ストーリーなどはありません。
でも、何となくあるのではないかと感じました。
これは、5月末に観たのですが、感想を書こうと思っても、どうしても手が出なくて、今になってしまいました。この「山海塾」の舞台って、美しいんだけど、とっても不気味で怖くて、でも惹きつけられてしまう、何とも言えないものでした。

色々な舞台を観るようになって、やはり、一度は、「山海塾」の舞台を観てみたいと思い、友達と行ってみたんです。会場に入ると、舞台の上に、天井から一筋の砂が降っていて、良く見ると、舞台の左右に、砂時計のようなものがぶら下がっていて、そちらからも砂が落ちていました。広い荒野に砂が待っているような雰囲気なんです。
そして、白塗りの男性が出てきて、舞台で踊るのですが、この雰囲気は、言葉では伝えられません。始まると、もう、息も出来ないほど惹きつけられて、生気を吸い取られるというのが本当に正しいと思うのですが、自分の中に、何も無くなって行くんです。この感覚、何とも言えないなぁ。でも、息苦しくて、息苦しくて、身動きが取れなくて、そこから離れられないっていうのが、感想と言えば感想なのかな。
この舞台を観た後、頭の中から消える事がありません。脳の深い所に着装した感じであり、ふっと思い出してしまうものなんです。それは、恐怖とかでは無く、何て言うんだろう、不思議な感覚で、空想の世界が膨らんで、白昼夢を見るみたいな感覚かな。なんたって、白いオジサンが頭の中に浮かんでくると、笑っていいのか、怖がっていいのか、不思議な感じでしょ。でも、不思議とイヤな感じは無いんですよね。
白塗りの男性集団なので、ちょっと異質ではあるけど、凄い歴史のある劇団?集団ですし、海外でも認められていて、毎年、ツアーをしているほどなので、芸術性は高いのだと思います。私は、あまり高尚なことは解らないので、面白い、面白く無いと簡単に決めつけてしまうのですが、この「山海塾」だけは、そんな簡単に感想が書けるようなものではありませんでした。
私は、このパフォーマンス、ぜひお勧めしたいと思います。というか、誰もが、一度は観てみて欲しい舞台だなって思ったんです。この感覚は、観て頂かないと解らないと思います。誰もが、きっと、最初は、怖いもの観たさだと思うのですが、観てみると、この不思議な美しさに魅了されると思います。機会があったら、ぜひ、一度、体験してみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「山海塾」 http://www.sankaijuku.com/sankaijuku_j.htm