「予告犯」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
インターネット上に、新聞紙製の頭巾にTシャツの男(生田斗真)が登場する動画が投稿され始める。彼は動画の中で、集団食中毒を起こしながらも誠意を見せない食品加工会社への放火を予告する。警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)が捜査に着手するが、彼の予告通りに食品加工会社の工場に火が放たれる。それを契機に、予告犯=シンブンシによる予告動画の投稿とその内容の実行が繰り返される。やがて模倣犯が出没し、政治家殺害予告までもが飛び出すようになる。
というお話です。
ネット上の動画サイトに、新聞紙を被った男が登場し、社会を舐めていた会社や人物などに、制裁を加えるという予行を行っていた。そんな動画が、どんどん広がり、社会現象を引き起こし始める。警察も、見逃しておく訳に行かず、警視庁サイバー犯罪対策課の吉野が捜査に乗り出します。
飲食店でゴキブリを揚げて喜んでいたアルバイト店員が標的になり、拉致され、無理やりゴキブリの天ぷらを食べさせられ、次に、Twitter上でレイプ被害者に対して自分にも責任があると書いた男を拉致し、ア○ルにバ○ブをツッコみレイプし、会社の面接の状況をTwitterでつぶやいた男を拉致し、制裁をする状況を生中継して笑いものにし、自分たちの罪を法律のせいにした食品加工会社には放火をし、全てに予告通りの制裁を与えたんです。

政治家への制裁を予告し、その息の根を止めるというのですが、それがどうなるかは、映画を観て下さいね。これは、書けないな。ネタバレしちゃうと、面白く無くなるので、ここは、映画を観て下さい。
サイバー犯罪対策課も、黙っていた訳では無く、IPアドレスを辿って、シンブンシを追い詰めて行きます。しかし、ネットカフェに急行しても、既にその姿は無く、裏をかかれているようだという事が解ります。どうやって裏をかいているのか。何故、誰も居ないネットカフェからアクセスが出来るのか、幾つもの謎を、一つ一つ辿って行くしか手立てがありません。そんな吉野たちの前に、公安部が出てきて、シンブンシは、テロリストであり、どこかのテロリストと繋がっているハズだと言い、沢山の情報を当たり始めます。
一方、シンブンシの方は、4人で計画通り動いていました。彼らは、日雇い労働者を拾う地域で一緒に拾われた人間で、過酷な不法投棄場での作業を強要され、逃げ場も無く、その工場である事件を起こして、4人一緒に行動する事になったんです。その中でリーダー格のゲイツは、元々、IT企業の派遣として働いていたのですが、3年働き、やっと正社員に慣れると喜んだのも束の間、正社員にしない為に会社の社長に嫌がらせを受けて、退社せざる負えなくなりました。
ゲイツは、それから職を探すのですが職が無く、結局、人間として扱われないような仕事に就かなくてはならなくなりました。他の3人も同じで、それぞれに理由はあるのですが、職が無く、労働者を拾うトラックに乗るしかありませんでした。そして、工場である事件が起こるのですが、それは、映画を観て下さいね。

そして、彼らは、シンブンシとして行動をする事にし、ある目的の為に、その命を捧げる事になるんです。その目的とは、最後の最後まで解りませんが、映画で楽しんでくださいね。
私は、この映画、超・お勧めしたいと思います。私は、原作を既に読んでいて、これ、どうなるのかなと思っていたのですが、原作通り、ちゃんと進んでいきました。原作は、コミック3巻分なので、上手くまとめて映画化したと思います。私は、満足いたしました。それに、キャストも合っていたと思います。一番難しいのは、戸田さん演じた”吉野”だと思ったのですが、これも、原作より人間的になっていて、良かったと思います。原作だと、ちょっと冷たい感じで表情が薄いので、映画での描かれ方の方が、私は、気に入りました。
この話、本当に、観ていて辛くなる状況が続くのですが、別に、制裁を与えられている奴らじゃないですよ。ゲイツこと奥田が、過去の辿ってきた状況が、派遣社員の苦しさを描いていて、辛いんです。ブラック企業じゃなくても、こう言う事って、結構、あるんですよね。私も、実はありました。
私は、正社員だったにも関わらず、会社が退職金を払いたくないばかりに、2年11か月で切られた事があります。若い頃ですけどね。会社の規定では、3年間働くと退職金が出るという事になっていて、今なら、訴えれば勝てたと思うのですが、昔だし、私も何も知らない子供だったので辞めさせられました。正社員でも、こんな事、日常茶飯事で行われていたんです。少しでも不条理な事があるようなら、今は、スマホがあるので、録音したり、動画を取ったりして、証拠を集めて下さいね。

でも、この奥田くんは、自分がやられた会社に制裁は加えないんです。ここら辺りが、良い人だなって思いました。普通なら、まず、自分の復讐をするでしょ。会社の社長を拉致して、酷い目に合わせるよね。でも、彼らの目的は違うところにあるので、そんな事はしないんです。素晴らしいっ!私なら、やっちゃうけどなー。(笑)ブラック会社の経営者たち、辞めさせた人間は皆恨んでいますから、気を付けて下さいね。会社の経営難で仕方なく辞めさせるのとは訳が違いますから。会社が潰れてしまうので仕方なく社員に辞めて貰って建て直すというのとは、違いますからね。首を洗って待っていてください。(笑)

そうそう、窪田くんが出演していましたっ!ちょっとですが、とても重要な役です。”僕たちは世界を変えることができない。”の時に、この子カッコいいなって思っていて、”カノジョは嘘を愛しすぎてる”の時に、これは、絶対に売れてくるって思ったら、NHKに出て、あっと言う間に有名になっちゃって、驚きました。優しい役もキツい役も難なくこなせて、カッコ良く決めてくれるので、超・お気に入りなんです。今度は”デスノート”の主演に決まり、楽しみです。

私は、この映画、超・超・お勧めしたいと思います。この映画で描かれている酷い状態が、現代も続いているのかは定かではありませんが、確かに一時期、同じように、人間として扱われないような仕事があった事は事実です。そんな酷い状況に置かれた彼らが取った行動は、正しいのか間違っているのか、それは、映画を観て、考えてみて下さい。私は、もし、自分なら、彼らと同じように行動したかも知れません。みんなが考えなければいけない事だと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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