「白河夜船」を観てきました。
ストーリーは、
寺子(安藤サクラ)は働くこともなく、毎日自宅で不倫相手の岩永(井浦新)からの電話をただひたすら待ち続けていた。交通事故に遭って以来岩永の妻は植物状態のままで、彼と寺子の関係は変わることなく静かに継続していた。だが、寺子はなぜか大学時代のルームメートであり、親友だったしおり(谷村美月)の死を岩永には告げられずにいた。
というお話です。
スマホの呼出音が響く部屋のベッドで、深く眠りについている寺子。彼女は、妻帯者の岩永と付き合っている。いわゆる不倫であり、岩永は、寺子の生活費を出しているので、愛人ということです。寺子は、働くことも無く、岩永からの電話が来ると、逢いに出かけ、食事をし、SEXをして、帰ってきます。
岩永は、寺子の家に来ることは無く、外で会い、ホテルに行きます。そんな生活を何年か続けている内に、寺子の眠りは、段々と深くなり、眠る時間がどんどん増えて行きます。寺子の親友だったしおりが自殺をし、その理由が、しおりがやっていた、添い寝屋という、特殊な仕事が関係しているのではないかと思い、自分が眠りに飲み込まれそうな事も、同じなのではないかと心配になります。
寺子は、岩永に眠りの事は相談が出来ないまでも、岩永の妻の事は気になり、問いただすと、岩永の妻は、交通事故で植物状態になり、病院のベットで眠っているというんです。だから、寺子と会っていても、何も言わない、いや、言えないので、心配しなくて良いと言います。寺子は、日増しに深くなる眠りが、その岩永の妻が引っ張っているからなのではないかと、心配になります。
ある日、あまりにも眠くて眠くて、このままではいけないと思い、外の公園に行って、眠気を覚まそうとしていると・・・。後は、映画を観て下さいね。
あまり波がある映画では無いので、淡々と、とろとろと進んでいき、何となく、何も考えずに観ていると、なんだったんだろうという感じで終わってしまう映画だと思います。私は、何となく、自分の好きなように解釈をして、決着を着けてしまったのですが、これが正解かどうかは、分かりません。
寺子という女性は、平気で愛人とかをやっているように見えて、とても強い罪悪感を抱いていたのだと思います。岩永の奥さんに対してもそうだし、自分の家族や仲間に対しても、悪い事をしているのだから、あまり話せないという気持ちがあったのだと思います。そんな彼女が、ある人に出会う事で、自分は、岩永を慰めるためにそこに居るのかも知れないと感じ、許して貰えるのかもと思い始めたのだと思いました。
友達のしおりの自殺ですが、きっと彼女も、どこか罪悪感があって、そうせずにいられなくなったのだと思いました。売春では無いし、ただ、添い寝するだけなんだからと言いながらも、その仕事に罪悪感を感じ、どうしようもなくなったのかなと思いました。それを聞いて、寺子は、自分だってと思ったのだと思いました。
そんな罪悪感を取り去る出来事があり、人は助け合って生きて行くということを、寺子は感じたのかなって思いました。ちょっと、分かり難い映画だったと思います。私も、観た後に、自分の頭の中で噛み砕いて、何となく、こうだったのかなと整理しました。
それにしても、このセリフ回しなんですが、とても聞きにくいし、違和感があって、辛かったです。きっと、原作がそうなんだと思うんですが、やっぱり、映像にすると、動きと言葉が合わさってのものなので、もう少し、聞きやすい言葉まわしにした方が良かったと思いました。
私は、まぁ、お勧めしても良いかも知れません。あまり、一般的な人が観る映画では無いと思いましたが、マニアには、受けるのかな。一緒に観ていた観客の中の半分くらいの方が、眠くなっていたか、つまらなくて出て行ったりしたと思います。私は、安藤さくらさんと井浦さんが好きなので、良かったですけどね。もし、気になったら、観てみて下さい。これは、DVDでも良いと思います。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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