「百日紅~Miss HOKUSAI~」を観てきました。
ストーリーは、
さまざまな風俗を描いた浮世絵が庶民に愛された江戸時代、浮世絵師・葛飾北斎は大胆な作風で一世を風靡(ふうび)する。頑固で偏屈な天才絵師である父・北斎の浮世絵制作を、陰で支える娘のお栄(後の葛飾応為)も優れた才能を発揮していた。そんな北斎親子と絵師の交流や、江戸に生きる町人たちの人間模様がつづられていく。
というお話です。
父・北斎に、子供の頃から絵を教えられ、その腕を磨いてきたお栄。北斎同様、お栄も天才と呼ばれても良いほど、美しい絵を描いていました。でも、江戸時代なので、男性絵師と対等にはなれなかったのだと思います。そんな男社会の中で、男に負けない才能と頭脳を持ち、美しく強く生きた女性です。
その彼女が、絵を描きながら、江戸時代の不思議な話や事件を追って行き、解決したりしなかったり、日常の中にある色々な事を父の北斎とその弟子と一緒に、辿って行くというお話なんです。原作は、短編なのですが、それを、1本の映画にしたために、全体の話を解説するということが出来ません。1つ1つのエピソードを追って行きながら、お栄の恋なども描いています。

お栄には、妹が居て、とても病弱なんです。もちろん、北斎の子供なのですが、北斎は、その娘に全く会いに行こうとしません。娘は、「おっとさんに会いたい」というのですが、病気を怖がってなのか、会いにはきません。お栄が、時々会いに行っては、元気付けているのですが、病気は悪くなる一方で、あまり持たないかもとなります。そして、最後の最後に、北斎が娘に会いに行き・・・。後は、映画を観て下さいね。
妹の話が、芯のように、映画の中に続いているのですが、それ以外に、ろくろ首の妖怪が出ると言う噂を聞きつけ、吉原の芸者を訪ねると、不思議な光景を目にすることになったり、龍の絵を描いて欲しいとの要望に、龍が下りてこなけりゃ描けないと言い、深夜にお栄の所に龍が下りてきて、素晴らしい龍の絵が描けたりという話が、バラバラ出てきます。
面白いと思ったのは、お栄は、まだ処女で、経験が無い事から、春画(エロ画)を描くと、女性は美しく描けるけど、男がどーも色気が無くて、全体に、艶めかしさが無いので、全然人気が出ないという事なんです。良く、絵には、その人の内面が出てしまうというのですが、この頃にも、同じだったんですね。でもね、経験が無いからってことで、お栄は、経験をしなければと思って、女が行く風俗みたいなところに行くんです。そんな店って、昔、あったんですかね。というか、今も、女が行く風俗ってあるの?初めて知りました。不思議ですねぇ。
この映画、とっても面白いし、江戸時代の色々な雰囲気とか、常識とか、人の気持ちなどが解って、凄く楽しかったのですが、感想を書こうとすると、進まないんですよ。何でだろう。短い話が、いくつも繋がっていて、トントン進んでいってしまうので、その短い話を一つ一つ解説するのもおかしいし、なんとも伝えようがないんです。困っちゃうなぁ。
という訳で、あまり感想になっていないけど、この映画、面白いです。私は、超お勧めと言って良いと思います。日本人なら、日本の良い所を描いている、このアニメ、ぜひ観るべき作品だと思います。プロダクションIGなので、絵も動きも美しいので、安心して観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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