「イニシエーション・ラブ」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
バブル真っただ中の、1980年代後半の静岡。友人から合コンに誘われ、乗り気ではなかったが参加することにした大学生の鈴木（松田翔太）は、そこで歯科助手として働くマユ（前田敦子）と出会う。華やかな彼女にふさわしい男になろうと、髪型や服装に気を使って鈴木は自分を磨く。二人で過ごす毎日を送ってきた鈴木だったが、就職して東京本社への転勤が決まってしまう。週末に東京と静岡を往復する遠距離恋愛を続けるが、同じ職場の美弥子（木村文乃）と出会い、心がぐらつくようになる。
というお話です。
この話、詳しく解説してしまうとネタバレになるので、ボカシながら、昭和のバブル期っぽく、解説してみますね。
鈴木は、イヤイヤながら行った合コンで、マユという女の子に出会います。彼女は、ポニーテールで、まるで「ハイティーン・ブギ」のヒロインのようでとても可愛く、ぶりっ子です。彼女は、男性と付き合うのが初めてのようで、初めて付き合うのが鈴木で良かったといって、彼を喜ばせます。
男から見ると、超可愛くて、良い子のように見えるマユですが、女から見ると、典型的な性格の悪い女。男の前と女の前では、態度が全く違う、豹変タイプです。なぜ男が騙されるのか、女には理解が出来ません。そして今回も、アホそうな鈴木くんが標的になります。鈴木は、３高と呼ばれる内の２つほどはクリアしているのかな。高学歴で、一流企業の内定があるので高収入になるはず。容姿はダメですが、それは、マユが上手く誘導して、カッコ良くすれば良いんです。
２人の付き合いはどんどん深まり、夏に始まった２人は、クリスマスに有名ホテルでイブを過ごし、お互いにプレゼントを交換し、これからの幸せを噛みしめています。そして・・・。
鈴木は、静岡に就職し、マユとの順調な交際を進めていたのですが、東京へ転勤を命じられ、２～３年、東京の会社に行く事になります。毎週のように、マユに会いに帰って来ると言っていたのですが、仕事はキツくなり、段々と、２週間に一度になり、３週間に一度になり、回数が減って行きます。
そして、鈴木は、東京の会社で、同じ課に居る洗練された女性の美弥子にアプローチされ、段々と心が彼女に傾いていきます。しかし、マユのことも気になり、どっちつかずの態度をしているのですが、ある日、マユの部屋で・・・。後は、映画を観て下さいね。
この展開、どこかで観たような気がしていたんですけど、内田けんじ監督の「運命じゃない人」と「アフタースクール」が、この映画と同じ系統の展開ですね。帰って来て、そうそう、これこれ！って思っちゃった。この２作品を観た人は、２度観なくても解ると思います。(笑)
私も、最後の最後まで、どんな展開なのか、確証が持てませんでした。途中のショッピング場面で、あれ？これはって思う事があったんだけど、まさかと思ってそのまま流してしまい、微妙に食い違っている事に気が付かないんです。そしてもう一つ、ルビーの指輪がネックかな。ルビーの指輪の会話が、不自然というか違和感があるんです。バブル期なので、女の子が自分で自分に高級品を買う訳が無いんです。現代とは違うんですよ。でも、そこでも、やっぱり気が付かない。
あの時代に、あの茂木先生がやってくれるアハ体験のような感じの部分が、たくさんあるんですよ。でも、最後まで気が付かないんです。面白いですよぉ。だって、映画全編で、アハ体験が出来るんですから、これは、脳の活性化のために、とても良いでしょ。素晴らしいです。
女って、可愛い顔をしていて、凄いんですよ。男の純情なんて、簡単にブチ破るほど、酷い事をしていても、それが悪いとは、一切思わないんです。男の浮気を攻めて騒ぐけど、それ以上の事を、事も無げにやる事が出来てしまうのが、女ってもんです。だから、信用なんてしちゃダメよ～。(笑)
いやぁ、でも、冷静に考えてみると、特段、不思議な事じゃないんです。だって、あの時代、３高男を漁っている女って、山ほど居たし、海老鯛の時代だったから、こんな事、当たり前にあったのよね。とにかく、条件の良い男を見つけては、アプローチして、それに乗り換えるって事よ。メッシーくん、アッシーくん、ミツグくん、などなど、男をアクセサリーの一部のように手にしていた女性たちの生態が、この映画で、良く描かれていました。
私は、この映画、超お勧めしたいと思います。普通のラブストーリーを描いているんですけど、組み方によって、これ程面白くなるのかという、典型的な映画だと思いました。上手いです。あっちゃんの可愛さと恐さ、松田くんのバカ殿っぷり、懐かしい曲とドラマが出てきたりして、楽しめますよ。出来れば、この映画は、４０歳以上の方に観て欲しいです。それより若いと、このバブル期の不思議な魅力が解りませんから。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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