「おかあさんの木」戦争に飲み込まれ子供たちをさらわれた母親の苦しみはどれ程だったのだろう。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「おかあさんの木」の試写会に行ってきました。いつもお世話になっているフィルマークスからのご招待でした。


ストーリーは、

田村ミツは、貧しいながらも7人の子どもたちを懸命に育てていた。しかし突然はじまった戦争により子どもたちは次々と兵隊にとられ、戦地に送られていく。ミツはその度に、子どもの数だけ桐の木を植え、世話をしながら無事に生きて帰ってくるのを待っていた。

というお話です。


おかあさん

信州の田舎に暮らす田村ミツ。ミツは、貧しい家に生まれたが、優しい夫・田村謙次郎に出会い、幸せな結婚をする。そして、夫との間に7人の息子が生まれ、一人は、姉夫婦に養子として出すことになります。夫は、郵便局に勤めていたが、ある日、突然に心臓発作のために亡くなってしまいます。時は、まだ太平洋戦争前。

それから月日は流れ、子供たちも大人になり、戦争が近づいてきます。兵隊としての検査に合格した一郎に赤紙が届き、戦争に出兵することになる。それから、子供たちは、一人、また一人と、兵隊に取られ、出兵する度に、ミツは、桐の木を庭に埋め、息子の様に可愛がり話しかけて、帰ってくることを祈っていました。

おかあさん

しかし、月日は流れても息子たちは、誰一人帰ってくることなく、死亡通知が届くのみ。それでも、ミツは、7人の内、誰かが帰ってくることを桐の木の元で祈ります。そんなある日、戦地で行方不明になった息子の消息を調べる為に行った県庁で出会った反戦を叫んでいた青年が、ミツの家の納屋に隠れている事に気が付きます。彼は、日本の事を思い、反戦を叫び続け、警察に追われているのでした。自分の息子と同年代の青年が、1人で頑張っているのを見て、自分の息子と姿が重なり、介抱してかくまうのでした。次の朝、青年は、またどこかへ出て行ってしまいます。

また、一人になったミツは、戦争が終わっても、息子が帰ってくることを祈り、毎日、木に向かって、話しかけているのでした。そして・・・。あとは、映画を観てくださいね。

このお話って、小学校の教科書に40年以上前から載っていたそうなんです。私、全然知らなかったんですけど、もしかして、載っていたのかも知れませんね。小学校の頃は、アホな子供だったので、何も覚えていないんです。(笑)でも、こんな話、子供の頃に読んでいたら、ショックだっただろうなぁ。でも、この意味が子供の頃に解ったんだろうか。覚えていないので、何とも言えません。

おかあさん

戦争というものが、家族を、親子を、どうやって引き裂いていくのかという事が、良く描かれていて、本当に悲しくなりました。何度も、うるうる涙が出てしまいました。まだ、若い息子が、全員、戦争に取られてしまうなんて、母親だったら、胸を引き裂かれるような思いだったと思います。自分が変わってやりたいと思ったことでしょう。でも、この時代、女は戦うものではないと思われていたので、こうやって、子供を作って、送り出すというのが仕事だと思われていたんでしょうね。辛い事です。

何人も息子を取られ、五郎の時には、さすがにミツも耐えられなくなり、息子が出兵して行くのを止めようとする場面があります。すると、警察や憲兵らしき人たちが、非国民として、殴ったり蹴ったりするんです。そして、五郎は戦争に行き、ミツは逮捕されてしまいます。でも、ミツの周りの事情を知っている人々が、ミツは何人も息子を戦争に取られて亡くしているんだと説明し、釈放してもらいます。当たり前よね。だって、人間の限界を超えてるもん。7人ですよ、7人。考えられません。何のために産んだんだって思ってしまう。

おかあさん

戦争はイヤだし、もう、二度と戦争にはなって欲しくないけど、このまま、日本が何もしないで、ボンヤリ、アメリカ任せで防衛も何もしなかったら、きっと、戦争になってしまうんだろうと思っています。日本は戦わない、武器を持たない、だから誰も攻めてこないと思っている人がいるみたいですが、性善説がまかり通るのは、日本の中だけ。世界に出たら、やったもん勝ち。騙しても、騙された人間が悪いとなります。その原理から行くと、戦わないなら簡単に占領出来るねという考えになる国や組織も多数あるんです。

良い人の話がニュースになるという事は、悪い事をする人の方が多いという事でしょ。犯罪の数を見ても、日本ほど安全な国は無いんですから。このまま、憲法も変えず、軍備もせず、日本は武器を持ちませんって言ってたら、ここぞとばかり、近い国が一気に攻めてくる事もあり得ます。慰安婦とか言っている場合じゃなく、日本人の女性が売り買いされるようになるかも知れません。

おかあさん

最近、空を見てますか?頻繁にスクランブルがかかって、戦闘機が2機で、よく飛んでいます。全てがスクランブルではないかも知れないけど、全てが訓練ではないでしょ。既に、色々なことが、分からないうちに起こっているんです。それを、国民に伝えていないだけ。マスコミは、自分の国の危険を全く伝えないんです。恐いでしょ。それこそ、戦時中と一緒。悪い事は伝えないんです。


この映画を観て、戦争は、絶対に止めて欲しい。戦争をして欲しくない、と思いました。でも、ニュースを見ても、現実の状況を見ても、全然、現状の恐さを解っていない人が多すぎて、恐ろしいです。日本が戦後70年を迎え、今度こそ、本当に戦争をやらない為に、自分たちで戦争をしない選択が出来る装備をする必要があると考えています。


おかあさん

何故なら、私だったら、手ぶらで戦わないと言って立ちはだかる敵には、武器を持って向かっていくからです。敵も武器を持っていれば、対等だから交渉をしようと考えるかも知れません。人間とは、社会とは、そういうものです。戦後70年、この映画を観て、色々、考えさせられました。ぜひ、皆さんにも観て欲しい。私は、とてもお勧めしたい作品だと思います。年齢問わず、観て、考えて欲しいと思いました。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




おかあさんの木@ぴあ映画生活