【イタリア映画祭】「神の恩寵」不況の中、知識も少ない女性たちだけで暮らして行くのは大変! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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イタリア映画祭で「神の恩寵」を観てきました。


ストーリーは、

南イタリアの雄大な自然を舞台に人生を見つめ直す3世代4人の女性たちの物語。小さな工場を営むアデーレだが、景気後退で手放すことを余儀なくされ、母、娘、妹と田舎の農家に移り住む。慣れない農作業や力仕事、度重なる衝突、望まぬ田舎暮らしの先に待ち受けているのは・・・。

というお話です。


神の

小さな縫製工業を営んでいたアデーレは、景気の悪化に伴い、減って行く仕事を止めることが出来ません。請負価格を下げれば、仕事は入ってきますが、自分たちの利益がほとんど無くなってしまいます。赤字になってまで仕事を続けることは出来ないので、結局、仕事は断り、工場を畳むほか無くなってしまいます。

工場を畳んだアデーレは、南イタリアの自然は豊かですが、何も無いような田舎の農家に家族で移り住み、農作業をする生活を始めます。慣れない仕事で、上手く行かず、不満は募り、生活は苦しくなっていくばかり。アデーレは、必死で努力をして、仕事を続けて行くのですが、アデーレの妹は、女優になることを夢見て、オーディションに通い、仕事は手に付きません。アデーレの娘も、高校の勉強に全く付いていけず、仕事も手伝わず、ただぼんやり暮らしているだけ。



アデーレは、そんな家族にブチ切れて、いつも怒鳴ってばかり。怒鳴っても、状況が変わる訳では無いのですが、怒鳴らずにいられないような状態が毎日続きます。怒鳴れば怒鳴るほど、妹も娘も、協力的では無くなり、生活が苦しくなっていきます。


そんなアデーレの前に、高校生の時の先輩だった男性が現れ、ちょっとした恋心が芽生えます。彼は、母親の介護をしながら、役所の仕事をしている公務員です。娘の勉強を見てくれて、税金に関しての事も教えてくれて、税金の滞納に困っていたアデーレは、彼のお蔭で、随分と助けてもらえることになります。しかし、アデーレは、母親、妹、娘の面倒を見なければならず、自分の気持ちだけで行動することが出来ません。そして・・・。あとは、映画を観てくださいね。

神の

この映画、結構、しんどい映画でした。良い内容だとは思うのですが、イタリアの家庭の現在の苦しい状況をあまり知らない日本人が見ると、どーも、今一つ、実感が無いんです。女性4人で生きて行くということが、どういう事なのか、良く解らないんです。

大変な状況で、どうしようもないなら、女優を目指す妹には一人で都会で生きてもらえばよい事だし、娘が家で働かなければ、家を追い出せば良いだけなんです。妹や娘を大切に思うのも解りますが、ただ、頼っているだけの人間は、一度、自分の足で歩かせる必要もあると思うんです。人生には、辛い事なんて、山ほどあるのだから、それを知って行く事も必要でしょ。アデーレは、優しすぎるんです。

神の

そして、アデーレは、責任感が強くて、家族の事を考えて、自分の幸せは二の次に考えてしまうのですが、一度だけ、キレて、お金をドレスに使ってしまう事があります。この時は、解るなぁと思いました。母親が、アデーレの気持ちを察して、急いでドレスを隠してくれるのですが、これは、母親だからこそ、娘が頑張っているのをありがたいと思い、アデーレを庇う姿だったのだと思いました。そりゃ、キレますよ。だって、朝から晩まで畑で働き、売りに行き、食費を稼いでくるのですから。休む間もないんです。

神の

そうそう、女優を目指しているという妹なのですが、可愛い顔はしているのだと思うのですが、すごく太っていて、美しいと言えるような顔ではないんです。それでも、女優になると言って、オーディションを受けに回っているんです。女優になれるほどの容姿ならわかるけど、その姿はあり得ないでしょ~って思って、最初は笑えるのですが、最後までそれを言うので、段々と怒りに変わってしまいました。

神の

そして、娘なのですが、奔放に生きていて、学校でも勉強をせず、男と遊んでばかり。やりたい放題やっているので、そのバチが当たります。こういう若い子って、その頃は、それで済んでいるけど、年を取って行くにつれて、自分の失敗を後悔するのだと思います。出来れば、母親のいう事を少しでも聞いて、周りに迷惑をかけないような人間になるように教育しないとね。



私は、まあまあお勧めしても良いと思います。ハッピーエンドではないと思うし、盛り上がりも盛り下がりも無く、穏やかな波があるだけの内容なので、ハリウッド系の映画が好きな人々には、合わないかも知れません。やるなら、単館系だと思います。ぜひ、観て見てください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ





イタリア映画祭   http://www.asahi.com/italia/2015/