イタリア映画祭で「黒い魂」を観てきました。
ストーリーは、
犯罪組織「ンドランゲタ」が拠点とする南イタリアのカラブリア州で生まれた3兄弟の過酷な運命を、圧倒的な迫力で描いたドラマ。三男のルイジはドラッグのディーラーで、次男のロッコは見たところ普通のビジネスマンだが、そのドラッグによる利益で事業を展開していた。長男のルチャーノはヤギを育てて平穏に暮らしていたが、息子のレオが敵対するファミリーを威嚇。軽率な行為は若気の至りでは済まされず、血を血で洗う抗争が始まる。
というお話です。
ある田舎の町で勢力を伸ばしている3兄弟の家族は、三男:ルイジがドラッグのディーラーをしていて、そのお金を元手に、次男:ロッコが都会で事業をしています。そして長男:ルチャーノは、マフィアの世界がイヤで、ヤキ飼いとして生活をしています。
ある日、ルチャーノの息子のレオが、ルイジの仕事を手伝い、マフィアの下っ端として働き始めます。下っ端と言いながら、長男ルチャーノの息子であるレオは、ガキながらも目をかけられ、大切にされて、マフィアとして町の中を、うろつくのですが、敵対するマフィアに遭遇し、相手を威嚇してしまいます。
レオにとって、それほどの事ではないと思いますが、初めての事なので、ごまかし方も知らずに、ただ、相手を威嚇することは良い事だと思っていたのだと思います。しかし、これが発端となり、敵方のマフィアとの交渉が、上手く行かなくなります。
そして、ヤクザ映画で良くあるような、血で血を洗うような戦いが繰り広げられることになります。どこまで行っても、終わることのない抗争に嫌気がさした長男のルチャーノは・・・。あとは、映画を観てくださいね。

この映画、日本でいう、ヤクザ映画と同じだと思います。どこまでも終わらないヤクザ同士の戦いは、どちらかがつぶれない限り、終わることが無いんです。それこそ、殺るか殺られるかという話ですね。私は、あまりこの系の映画、得意では無いのですが、こういう映画、好きな方って、日本でも多いんじゃないかな。高倉健さんとか、菅原文太さんとか、そういう方が出ていたようなお話だと思いました。

確かに、とっても解りやすいです。やられたらやり返すっていう繰り返しなので、誰かが殺されたら、あの組に人が殺ったんだねって、解りやすいんです。謎も何もないんです。でも、そんなストレートな内容の中に、少しだけ、現代っぽい感じの、もう、全て辞めてしまおう。自分たちがここから居なくなれば、全て終われるし、相手も敵がいなくなれば、縮小して行くだろうという考え方なんです。悲しい事だけど、古い考え方は、改めて行かないと変わらないっていう事を描いていたのだと思います。

やっぱり、暴力で町を支配して行こうという考え方では、未来につながらないのだと思いました。そんな事ばかり続けていると、良い跡継ぎも残らないし、裏切り者は出るし、結局は、続いて行かないのだろうと思いました。もっと古いヤクザ組織だと、悪い事もしていたんだろうけど、伝統や義理人情を大切にしていたからこそ、バランスが取れて、一般の人々も必要悪なのかも知れないと思ったんだろうけど、現代では、利益だけ求める組織は、嫌われるだけで、誰の協力も得られなくなっていくんでしょうね。必要悪ではなく、無用の悪となるんです。

そんなはみ出し者たちの事が描いてあるように見えて、ちょっと思い感じの内容でした。私は、あまり、マフィア関係の映画は、好みではないのですが、男性が観る分には、面白いと思うのかもしれません。面白くない訳では無いんですよ。たまたま、私の好みじゃないかなぁって感じなんです。日本公開は、解りませんが、マフィア系の映画が好きな方には、ちょっとレトロな感じで、好まれると思いますよ。もし、観る機会があるようでしたら、ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
イタリア映画祭 http://www.asahi.com/italia/2015/