イタリア映画祭で「スイミング・プールの少女」を観てきました。
ストーリーは、
夢をあきらめずに厳しい現実を懸命に生きる少女を、研ぎ澄まされた映像と抑制された演出で描くサンフェリーチェ監督のデビュー作。17歳のジェンニは、シンクロナイズド・スイミングのプロを目指していた。だが、母の突然死で人生が一変。ローマ近郊にある海辺の町から山中の小村に移住し、働きながら神経衰弱になった父と8歳の弟の面倒を見ざるを得なくなる。
というお話です。
裕福な生活をしていたジェンニは、母親が亡くなり、父親が仕事を解雇されるという突然の出来事で、生活が変わって行く。住んでいた家は、家賃が払えなくなり追い出され、伯父を頼って、父親の故郷の田舎に行く事になる。伯父の持っていた山小屋に住まわせてもらい、なんとか落ち着ける先を見つける。
山小屋での生活は苦しく、父親は、段々と精神に異常をきたしてしまい、神父と伯父の勧めで病院に入れる事になる。弟を学校に行かせようとするのですが、両親が居ない状態で、手続きが取れず、一応、学校に通わせは出来たのですが、校長から父親を連れてくるように言われ、誤魔化して生活を続けます。
ジェンニは、自分の夢であったシンクロナイズドスイミングの練習をしながら、山小屋の近くのホテルで職を得て、どんなに苦境にあっても、夢を捨てずに頑張っていました。ある日、ホテルのプールを見つけ、内緒で練習をしていたところを、管理人の男に見つかり、許してくれるように頼むのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
内容的に、ジェニファー・ローレンスが主演した「ウィンターズ・ボーン」を思い出しました。親がいなくて、子供たちだけで必死で生きようとする姿が、被ったんです。でも、このジェンニは、自分の夢を持っていて、それを家族の為だと言って、簡単に捨てるような事はしません。何処までも、自分の夢を持ち続けます。
それにしても、こういう状況になったら、どうしたら良いんでしょう。子供には、どうしようもないですよね。でも、施設に入れられて、夢も捨てて、兄弟とも離されてとなったら、やっぱり、嘘を付いてでも、自分たちだけで頑張っちゃおうって思っちゃうと思いました。
もし、親の親族に裕福な家族が居れば良いけれど、今、イタリアも景気が悪いようだし、地域によっては、どうしようもない状況になっていて、移民に押されている地域もあるようなので、難しいんでしょうね。映画の中でも、移民の問題が組み込まれていました。もちろん、同じ人間だから、移民してこようが、良いのですが、その地域の民族性が壊されてしまったり、元々、そこに住んでいた人々が追い出されるようなことになってしまっては、困りますよね。やっぱり、元々の住民たちが、ある程度の地域協定や、条例を作らないと、全てが壊されてしまいます。

ジェンニが、最後に、どうやって、自分の道を探していくのかを楽しんで欲しい作品でした。でも、これ、まだ日本公開が決まっていないようです。確かに、大人しい作品なので、大きくは無理かも知れないけど、単館系でやってくれないかな。そんな作品でした。
私は、この作品、まぁまぁ、お勧めしても良いかなって思いました。どうしても、私は、「ウィンターズ・ボーン」と比べてしまって、あちらが、あまりにも良かったので、「スイミング・プールの少女」は、ちょっと、物足りなさがありました。でも、映像は美しかったです。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
イタリア映画祭 http://www.asahi.com/italia/2015/
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