イタリア映画祭で「レオパルディ」を観てきました。
ストーリーは、
19世紀を舞台に大詩人、ジャコモ・レオパルディの激しい人生をたどる。幼い頃から神童ぶりを発揮するジャコモだが、身体に障害があり厭世的で、詩人として不遇な人生を送ったとされる。だが映画は、自由と愛を希求し、いつまでも親友に支えられて幸せな時間を過ごした姿も色濃く映す。
というお話です。
イタリアでは教科書に載っているような、有名な詩人らしいのですが、私は、全く知りませんでした。ただでさえ、海外の文学に疎いのに、詩人は分かりません。恥ずかしながら、この映画で、レオパルディという詩人を初めて知りました。
レオパルディは、厳しい家庭に生まれ、小さい頃から、その才能を発揮していたジャコモは、自宅にて、父親に教育を受け、その才能を伸ばしていきます。しかし、ジャコモは、身体に生涯があり、あまり丈夫ではありません。父親は、彼ら兄弟を、家から出さずに教育を受けさせ、外の事を知らずに育ちます。そんな彼が、ピエトロと出会い、自由に憧れて、自宅を抜け出すのですが失敗し、それから10年後、やっと家から出る事が出来たジャコモは、生涯の友となるナポリ出身の亡命者アントニオと出会います。
アントニオと意気投合し、共同生活を始めるのですが、何処へ行っても、女性に興味を持たれるのは障害をもったジャコモではなく、アントニオ。恋心を抱いた女性も、アントニオと結ばれてしまい、恋は全く実る事がありません。
人との交流も上手く行かず、病気も酷くなり、ジャコモは、どんどん鬱状態になり、引き籠ってしまいます。そして、文章も書けなくなり、文壇から遠ざかって行ってしまいます。昔は、誰からも素晴らしい詩人だと慕われていたのに、彼への評価は悪くなり、それが、彼をもっと鬱へと追いやってしまいます。
ジャコモの状態を見かねたアントニオは、アントニオの妹パオリーナが住む田舎に転居する事にし、穏やかな日々が戻ってくるのですが、ヴェスヴィオ火山が噴火し、灰が降る空を見上げ、ジャコモは、有名な詩「エニシダ」をつぶやき始めます。
ゴメンナサイ、私、この詩人を全く知らず、あんまり魅力的な人物に見えなくて、適当に観てしまったのよねぇ。どうしても、主人公に興味を持てないと、どーも、気が入らずに、ダメですね。役者さんは、良かったと思うのですが、この詩人の性格の暗さに付いて行けないのよね。
このジャコモ、子供の頃は、結構、夢多き青年だったし、カワイイから、魅力的なのに、何故だか、どんどん暗くなって、性格も悪くなって、ネガティブになって行くんです。まぁ、全ての人間に、ポジティブになれとは言いませんが、あまりにもドンヨリして、周りの人間の気持ちまで落ち込ませる人間って、どうなんだろう。やっぱり、少しは、周りにも気を使って、気分が悪くても、愛想を良くするくらいはした方が、人間として生きて行くには、生き易かったのではないかと思いました。
ジャコモが、唯一、良かったのは、アントニオという良いお友達が居たからです。彼は、モテモテのイケメンなのに、何故か、ジャコモにとっても優しいの。普通なら、こんなに面倒な男、捨ててやればいいのに、最後の最後まで、面倒を見てあげて、自分が面倒を見れなくなると、妹のパオリーナに頼んで、面倒を見させるんです。こんなに優しい友達って、いないよね。ある程度の手伝いはしてあげても、住むところから、生活の補助まで、あらゆる介護をしてあげるんだから、素晴らしいと思いました。
この有名な詩人のジャコモ・レオパルディは、日本で言うと「中原中也」的かな。私は、あまり文学が得意では無いので、詩人もそれ程知らなくて、知っている中では、中原中也っぽいかなって思ったんです。とにかく、このジャコモ・レオパルディって、観ていると、卑屈な感じなんです。酒を飲み、甘い物が好きで、アイスクリームをいつも食べていたらしいです。
私、この映画、あまりお勧め出来ないかなぁ。もし、詩人のジャコモ・レオパルディを知っている方でしたら、観てみたら面白いとは思いますが、私は、途中で疲れてきてしまいました。だって、彼の詩も、私の趣味では無かったんですもん。日本公開は、難しいかなぁ。でも、文学が好きな方は、ぜひ、観てみて下さい。DVDが出るかも知れません。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
イタリア映画祭 http://www.asahi.com/italia/2015/