「あの日の声を探して」チェチェン紛争のせいで声を失くした少年はどうなるの? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「あの日の声を探して」の試写会に連れて行って貰いました。


ストーリーは、

1999年のチェチェン。ロシアの侵攻によって両親を殺害された9歳の少年ハジ(アブドゥル・カリム・マムツィエフ)は声を失ってしまう。たった一人でさまよっていたところを、EU職員のキャロル(ベレニス・ベジョ)に保護されたハジ。そんなハジには生き別れた姉と弟がいて……。一方、ロシア軍に徴兵された19歳のコリア。基地勤務でも酷い虐待を受け、戦地に行けば生死の狭間で戦わなければならない。何処へ行っても、穏やかな日々はやってこない。

というお話です。


あの日

チェチェン近郊の町に住んでいたハジは、ロシアの侵攻により、両親を殺され、自分も見つかりそうになり、仕方なく、姉と弟と分かれて逃げる事にします。ハジは、目の前で両親を殺されて、ショックを受けて声が出なくなってしまいました。行くあても無く、その辺りにあるモノを盗んだり拾ったりして、何とか生き延びようとするのですが、他の孤児に横取りされたり、上手く食事にありつくことも出来ません。困って、ウロウロしているところで、EU職員のキャロルに出会います。


あの日

キャロルは、何を言っても話さないハジが気になり、仕方なく、自宅へ連れて帰ります。食事を与えて、色々な質問をするのですが、訴えるような目をするだけで、言葉を話しません。頷くことだけは出来るので、それで意志の疎通をし始めます。段々と、会話が成り立つようになり、言葉は無くても、お互いの気持ちを伝えられるようになって行きます。


しかし、個の生活を続けて行く訳にはいかないとキャロルは思い、孤児の保護施設のNPOの代表に相談をしに行きます。そこで、子供はペットとは違うというような事を言われ、ハジを今後、どうするのか、キャロルは、真剣に考え始めます。国連が、何度、停戦を求めてもチェチェンの紛争は止まる事無く、キャロルは自分の無能さを痛感し、せめてハジだけでも、幸せにしてやりたいという決心をするのですが・・・。


あの日

一方、ロシアの兵士コリアは、自分の国の為に戦えるのだと希望を持って軍に入るのですが、先輩からの虐めは酷くなり、上官からは無理難題を言われ、平気で嘘の書類を書かされる日々に、段々と鬱っぽくなって行きます。それでも、無理な仕事が続き、部署移動を願い出るのですが、前線出る方がいいのかと言われ、何も言えなくなってしまいます。


ある日、コリアに移動命令が出て、戦闘兵として前線に出る舞台に配置換えされます。戦地に派遣されたコリアは、恐ろしい現状を見ながらも、それに順応し、段々と死というものが日常のこととなって行き、死体から物を取るなど、何の迷いも無く出来るようになって行きます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。そして、この二つの話が、どう繋がっているのか、最後の最後で判りますので、ぜひ、楽しみにしてください。


あの日

日本では、チェチェン紛争という名前くらいはニュースで流れますが、その詳細については、ほとんど分かりませんよね。ネットで調べたり、本を読んだりすれば分かるのかも知れませんが、それほど興味も無かったし、可哀想な子供が沢山いるとは思っても、募金くらいは出来ても、それ以上に何か出来るなんて考えませんでしたもん。でも、こういう映画を観ると、何か出来ないのかなって思いました。チェチェンは、今も、まだ、ゴタゴタしていますよね。一応、紛争は終わったのですが、あの地域は、どうしても、多民族なので、難しいんでしょう。

あの日

このハジは、ロシア兵に、目の前で親を殺されて(窓越しだけどね。)、ショックを受けます。そりゃ、そうですよ。パンパンって、銃で撃たれて、あっと言う間なんですもん。酷いですよね。でも、ロシア兵側からすれば、誰が敵か分からないので、不審に思えば、片っ端から殺すという考えなんでしょう。自分たちが殺されるのはイヤですもんね。

ハジは、たまたま、キャロルという国連職員に拾われるのですが、こんな風に、子供を拾っていたら、あの地域では、山ほど拾わなくちゃいけなくなるでしょう。沢山の孤児がチェチェンから逃げてきているんです。だから、簡単に拾って帰るなんて、するべきでは無いと思うのですが、このハジは、キャロルに助けられて、やっと声が出るようになります。心が癒されてきたからだと思います。でも、親とも姉弟とも離れて、辛かったと思います。

あの日

キャロルは、ハジとの生活に慣れて行き、彼を養子にしようと決心するのですが、こうやって海外に養子に出されていく子供って、多いのかしら。もちろん、新しい生活を手に入れるのは良いことだけど、自分の国を忘れてしまうのは、可哀想だなと思いました。やっぱり、自分の国の事は、子供でも大切に思っているだろうから、どこで育つにしても、その子の母国の事を教えてあげて欲しいです。

あの日

私は、この映画、まあまあ、お勧めしても良いと思います。とっても良い映画なんですけど、ちょっとスピードが遅いのと、内容が単調なので、アクション映画とかが好きな人には、退屈になるかも知れません。でも、とても大切な事を描いているので(国連の事とか。)、ぜひ、そこら辺を、深読みするようにして観て頂けると、うーんと唸るかも知れません。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




あの日の声を探して@ぴあ映画生活


ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記 (アスキー新書 71)/アスキー・メディアワークス
¥802
Amazon.co.jp

チェチェンで何が起こっているのか/高文研
¥1,944
Amazon.co.jp

チェチェン 廃墟に生きる戦争孤児たち/白水社
¥3,024
Amazon.co.jp