「龍三と七人の子分たち」の試写会に連れて行ってもらいました。
ストーリーは、
組長を引退したものの、ヤクザの性分が消えないために普通の老人として生きていけない龍三(藤竜也)。そんな毎日にいら立ちを募らせる中、彼はオレオレ詐欺にだまされてしまう。人々をだます若い連中を許すわけにいかないと、龍三はかつての子分たちを召集して世直しをすることに。年齢に関係なくまだまだいけるとオレオレ詐欺のグループを倒しに向かう彼らだが、行く先々でとんでもない騒動を引き起こしていく。
というお話です。
ヤクザから足を洗い、普通の老人になった龍三ですが、ヤクザの頃の事が忘れられず、性格も変わっておらず、息子夫婦には邪見にされ、小遣いも貰えないような状態です。ある日、一人で家に居ると、オレオレ詐欺の電話がかかってきます。息子からの電話と思い、お金を持ってきて欲しいという言葉に素直に従ってしまいます。待ち合わせ場所に行き、受取に来た男と話していると、ヤクザの時の若頭のマサが通りかかり、オレオレ詐欺だろうと見抜き、お金を渡すのを止めます。
オレオレ詐欺を寸でのところで免れ、今度は、ヤクザの頃の仲間が布団を売りつけられるのを止めて、最近の余の中が、汚い詐欺で溢れていることを知ります。そして、町に暮らすヤクザとして、そいつらと戦ってやろうと思い、仁義を切りに、相手の事務所に押し入るのですが、相手はヤクザでは無く、会社組織とした詐欺集団。仁義など聞きたくないと言い、龍三たち”ジジイ”をバカにして、追い出してしまいます。
龍三たちは、昔の組のように、縄張りからのアガリを徴収し、資金を調達しようとするのですが、イマドキ、そんな事も出来ず、暴対法もあるので、お金に困り、仕方なく、詐欺グループの金をかすめ取るようなことを始め、詐欺グループと敵対する事になってしまいます。そして、モキチの孫娘が詐欺グループに誘拐されそうになるのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、とっても笑ってしまいました。話としては、まぁ、ヤクザをやっていたなら、こんな風な老人になるんだろうなぁとか、今のオレオレ詐欺みたいな汚い犯罪を見たら気分が悪いだろうなぁとか、でも、きっと同じようにやらないとお金が無いんだろうなぁとか、一般の人が考える、ヤクザさんたちのイメージ通りの行動をしてくれるので、ヤクザ映画ながら、安心して観ていられました。
藤竜也さんが、久しぶりに元ヤクザの親分役を演じられていて、水を得た魚のように見えて、とても楽しめました。見るからにヤクザなのに、普通のお爺ちゃん的な動きもしてくれて、上手いなぁと思いました。他の方々も、もー、ヤクザ映画と言えばっていう人ばかりなのに、今回や、ヤクザながらも、かわいいお爺ちゃんであり、憎めないんです。
北野監督作品の中でも、特に観易い作品なんじゃないかなぁ。だって、これ、子供が観ても大丈夫だと思いますよ。悪い人は悪い。元ヤクザであった人でも、今はちゃんとしていれば、差別はしちゃいけないって事も解るし、どっちかって言うと、警察の方がヤクザっぽかったりして、なんか、真実突いてるなぁって思ったのは私だけなのかしら。子供でも、誰がヒーローなのか、判ると思います。でも、悪い事をしちゃったら、いくら良い人でも捕まっちゃうのよって事も判るしね。(笑)
私は、オレオレ詐欺グループのボスをやっていた安田さんが一番好きなんですけど、今回は、悪い役でしたねぇ。最後に、マヌケなことをしてくれるかなって思っていたのですが、最後まで真面目でしたね。安田さんを見ると、つい、変な事をしてくれるのではないかと期待してしまう自分が憎いっ!だって、変態仮面の時に、偽変態仮面をやってくれていて、超笑ったから、また、アホな事やって欲しいんです。
結構、チョイ役で、色々な俳優さんが出ているので、それも、楽しんでくださいね。そうそう、バスジャックして、商店街を暴走するシーンがあるのですが、そこが、とっても楽しかったです。メチャクチャなんだけど、何故か、誰も怪我しないし、悪者も恐くなったらしくて、必死で逃げるという場面で、大笑いしちゃいました。名古屋で撮影したそうですよ。凄いです。
私は、この映画、お勧めして良いと思います。イマドキのヤクザさんは、こんな風に大変なんだって事も分かるし、オレオレ詐欺などをやっているグループは、ヤクザなんかよりも、よっぽど悪い奴なんだって事が、良く解ります。騙し方が、人の良心を悪用してますもん、許せませんよ。という訳で、笑えるヤクザ映画ですので、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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