「トレヴィの泉で二度目の恋を」を観てきました。
ストーリーは、
共に人生を歩んできた妻を亡くした80歳のフレッド（クリストファー・プラマー）は、引っ越したアパートで自由奔放な隣人のエルサ（シャーリー・マクレーン）と出会う。ひょんなことからフレッドに惹（ひ）かれたエルサは、頑固なフレッドに心を開いてもらおうと奮闘。やがて二人は惹（ひ）かれ合うが、実はエルサにはある秘密があった。
というお話です。
妻に先立たれ、一人になったフレッドは、娘に促され、あるアパートに越してくる。娘は、家の事が何も出来ない父親が不便の無いようにとアパートに暮らさせて、家政婦に世話をさせようとしたのでした。そんな娘の気持ちが解っていながらも、不満を隠せないフレッドでした。その部屋の向かい側に住んでいるエルサは、フレッドより６才年下の女性で、一人で暮らしています。
フレッドが越してきた日、フレッドの娘夫婦の車に車をぶつけて、酷い傷をつけたのはエルサであり、それをフレッドの孫に見られていました。それを知ったフレッドの娘婿は、エルサに損害を求め、エルサの息子がそれに応じ、エルサは、修理代を払う為にフレッドの部屋に行きます。そこでエルサは、嘘八百を並べ立て、同情を得て、息子から渡されていた修理代を免除して貰います。
フレッドを気にいったエルサは、それからフレッドの部屋を訪れるようになり、親交を深めて、閉じこもりがちだったフレッドを外に連れ出し、フレッドにしてみれば、新しい世界が開けて行くようで、楽しく過ごす時間が増えて行きました。それで、上手く行ってしまうのかと思ったら大間違い。
エルサの強引な誘いに怒ったり、色々あるのですが、最悪なのは、エルサがとっても嘘つきだって事。色々な事を、適当に都合の良いように話すものだから、辻褄が合わなくなるんです。そして、子供の事や、夫の事など、色々な嘘がバレて、とうとう仲違いする事になってしまいます。しかし・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画の重要なキーになってくるのが「甘い生活」というフェデリコ・フェリーニ監督の映画なんですが、私、観た事が無かったし、内容も知らなかったので、ちょっとそれが悲しかったかな。それを知っていると、もう一盛り上がり出来たかも知れないんですけど、それが残念でした。でも、知らなくても、十分、感動しちゃいましたけどね。
とにかく、エルサ役のシャーリー・マクレーンが可愛いんですよ。お婆ちゃんが、とってもお茶目で、嘘を付いても、悪い事をしても、なんだか憎めないんです。”くそババァ～！”って叫びながらも、笑ってしまう感じかな。彼女の言っている事が、どこからどこまでが嘘で、どこが本当なのか、良く観ていて下さいね。そこも、見どころだと思います。彼女は、騙しているつもりでは無くて、ちょっとしたイタズラくらいに考えているので、見抜けないんです。面白いでしょ。
そして、エルサに振り回されるフレッド役のクリストファー・プラマーは、とっても上品で、ステキなお爺様ですね。こんなお爺さんだったら、メイドとして働いても良いかも。何をやっていてもステキなんですよ。寝間着姿で、ゴロゴロしていても、そこらのおっさんとは違うのよね。なーんか、カッコいいのよぉ。
そんな２人が、人生の終りに出会い、今までの人生を振り返りながらも、新しい一歩を踏み出して、夢を叶えるっていう内容が、とっても良いんです。押しつけがましくも無く、ただ、そこに居る２人が、静かに時を刻んでいく姿が美しくて、年齢なんて関係無い、美しい情景になっているんです。誰もが年を取って、それぞれに苦労をして、悲しい別れを経験して、そして、自分も最後を迎える。その最後の時に、一瞬でも輝くことが出来たら、人生全てが輝いていたと思える最後だと思います。ステキな映画でした。
私は、この映画、超・お勧めしたいと思います。お爺ちゃんとお婆ちゃんが、こんなにもキュートに見えたのは久しぶりです。こんな風に年を取る事が出来たら、良い人生だったと思って死ねるかなって思いました。最後まで、ガツガツ、イガイガしているような人間にはなりたくないですね。ぜひ、人生のお手本だと思って、観て欲しいなと思いました。ぜひ、観に行ってみて下さい。
是非、楽しんできてくださいね。
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