「アメリカン・スナイパー」番犬がいるから羊はゆっくり餌を食べられる。番犬の存在を忘れるなかれ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「アメリカン・スナイパー」の試写会に行ってきました。


ストーリーは、

イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)。スナイパーである彼は、「誰一人残さない」というネイビーシールズのモットーに従うようにして仲間たちを徹底的に援護する。人並み外れた狙撃の精度からレジェンドと称されるが、その一方で反乱軍に賞金を懸けられてしまう。故郷に残した家族を思いながら、スコープをのぞき、引き金を引き、敵の命を奪っていくクリス。4回にわたってイラクに送られた彼は、心に深い傷を負ってしまう。

というお話です。


スナイパー

クリスは、子供の頃から両親に可愛がられ、父親に狩りを教わっています。彼の家庭は厳しい家庭で、弟が虐められていたら、力を使ってでも助けなさいと言われて育ちました。この世には、羊と狼と番犬が居て、何も考えずにメエメエ鳴いているのが羊で、狼は羊を襲い、そして羊を助けるのが番犬です。羊は、番犬が狼を追い払わなければ生きて行けないし、番犬は羊と狼居なければ番をする必要も無い訳です。でも、この世には、どうしてもこの3タイプが生きているので、誰かが番犬として生きなければいけないんだと父親から教えられたんです。

スナイパー

成長したクリスは、カウボーイとしてロデオでお金を稼いでいましたが、それではダメだと思い、シールズへ入隊します。厳しい訓練に耐え、ネイビーシールズの中でも、確かな地位を築いていきます。クリスは、スナイパーとしての腕を見いだされ、シールズの第一線で戦うスナイパーとして、前線で戦っていくんです。

そんなクリスも、美しい妻を手に入れ、子供が産まれ、戦地以外では、優しい夫として生活していました。しかし、腕の良いスナイパーであるクリスは、何度も戦地に行く事になり、その度に、苦しい戦火の中で、仲間を助ける為に、一瞬の判断を強いられ、緊張が続き、精神的にも追い詰められていきます。昨日まで一緒に飲んでいた仲間が、次の瞬間には命を落としている、そんな毎日の中で、心を病んでいく兵士は多く、クリスに限った事では無いんです。

スナイパー

耐えられなくなったクリスは、軍を除隊し、家族の待つ家に帰ろうとするのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

このクリス・カイルさんという方、本当にスゴイ方だったんですね。最後に、実際の国葬の映像が出ていましたが、本当に沢山の国民の方が悲しんでいて、驚くほどでした。亡くなる前に、この映画の制作が決まっていて、監督や出演者と会っていたようですね。その後に、射殺されるという悲劇が起きてしまい、このラストになったようです。それにしても、本当に、こんな素晴らしい方が亡くなるのは、残念です。


クリスの父親が言っていた、羊と狼と番犬の話、日本にはキツい話だなと思いました。だって、日本は、全員が羊な訳でしょ。アメリカに護って貰っている。誰も危険な目には合わないと思っていて、文句だけは偉そうにメエメエ言っている。恥ずかしい事です。


スナイパー

世界の治安を維持する為に、あんな風に精神に異常をきたしてしまったり、戦場で亡くなる方も沢山いる。そして、その人達には、家族が居るんです。日本の国会で、自衛隊は、危険地域に行かせるなと大騒ぎしている野党が居ますが、じゃ、その代わりに戦地で死んでいるアメリカの人々に何て言うつもりなんでしょ。こんなにも精神的に傷つけられてしまう彼らを前に、日本は行かないから代わりに行ってくれって言えるの?何が、侍日本だよ。ただの外道でしょ。他人を前に押しやって、自分だけ助かれば良いって思う人間が、偉そうに国会で何かを語るなんて、恥を知れと思う今日この頃。


スナイパー

もちろん、戦争が無くなれば、そんな事、考える必要も無くなるんだろうけど、戦争は、決して無くなる事は無いでしょう。戦争が無くなる時は、人間全てから、いや生き物全てから欲が消えた時だから、あり得ないんです。嫉妬、妬みが戦争に繋がってしまい、そして、恐怖が戦いを増大させて行くんです。人間って、哀しい生き物ですね。戦争を無くす為に必死で戦うけど、でも、決して無くなる事が無いと解っている。この矛盾を頭の中で、どう整理して、どう誤魔化していくかで、精神に異常をきたしてしまうか、しまわないかの分かれ目があるんじゃないかな。だって、終わらない中で終わらせようと思って、人を殺す訳でしょ。そりゃ、おかしくなるよね。

スナイパー

そんな矛盾の中で、自分を保ち、家族の元に戻ってきたクリスは、残念な結末を向かえましたが、彼の生きた軌跡を観て、戦争というものを、今一度、考えてみるべきではないかと思いました。このままでは、戦争が終わる事が無いと解っているのなら、戦争を小さくする手立てを考えるとか、銃などの弾を通さないスーツを作るとか、怪我を簡単に修復する手立てを開発するとかしか無いですよね。iPS細胞で、怪我は治るようになるかも知れないけど。

スナイパー

なんか、とっても考えてしまう映画でした。やっぱり、イーストウッド作品は、凄いなぁ。感動です。私は、この映画、超・お勧めしたいと思います。人それぞれ、考え方は違うと思うけど、でも、誰が観ても、とても考えさせられると思います。戦争は無くならない、だから、自分には、何が出来るのかということを考えるためにも、ぜひ、観て欲しい映画だと思います。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




アメリカン・スナイパー@ぴあ映画生活



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