【演劇】「エッグ」スポーツかと思ったら人体実験にたどり着く、恐ろしい黒い歴史。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

舞台「エッグ」を観てきました。


ストーリーは、

架空のスポーツ種目“エッグ”に情熱を注ぎ、オリンピックで栄光を掴む日を夢見続ける二人のアスリート。そして彼らの間で歌い、踊り、そして心揺れ動く女性シンガーソングライター。二十世紀最大のカルチャーとして君臨した“スポーツ”と“音楽”。そこに向けられる大衆の熱狂。愛情、嫉妬、世代交代。様々な私欲が絡み合い、さらに時代の見えざる手に翻弄される登場人物たち。しかし、物語の表層は徐々に、それこそ卵の殻の如く、ヒビが走り始め、内包していた“真の姿”を観客の前にさらけ出していく。果たして迎える予想も付かなかった結末は、現代を生きる我々がかつて “ 知った気になっていた ” 哀しく鮮烈な、かの時代へのレクイエムを描き出すのだった……。

というお話です。


エッグ

エッグというスポーツ種目は、なんだか分からないけど、卵を投げたり運んだり、割ってはイケないのかと思いきや、割っても良いらしいし、観終わっても解らないスポーツです。そんなスポーツのヒーローは、粒来(中村さん)という選手。今まではトップ選手だったのですが、新人の阿倍(妻夫木さん)が出てきた事により、トップの座を取られてしまいます。歌手の苺(深津さん)は、粒来が好きなのですが、事務所の計略により、トップ選手の阿倍と結婚させられることになってしまいます。

日本は、エッグというスポーツで、オリンピックに出れることになったのですが、何故か、エッグというスポーツは女性がやるスポーツだから、どうしてもやりたければナース服を着ろと言われ、その時のオリンピックには出る事が出来なくなります。仕方なく、その年からナース服をユニフォームにして、競技をし始めます。

このエッグというスポーツ、卵を使うのですが、元々は、この卵を使った、”ワクチン”を作る研究所でやっていた遊びが発祥のようなんです。そのワクチンを作る研究所は、満州にあり、戦争時に人々を助ける為のワクチンを作る為に作られたのですが、人を助ける為に始めた研究所が、戦況の変化や、時間の経過により、悪い方へ変わって行ってしまいます。

エッグ

最初に、天井から落ちてきた”寺山修二”の脚本を構成し直し、舞台を始めるのですが、途中で脚本家が話を変えて行ったり、出演者が内容を書き換えたり、手が加えられてしまう事により、最初は、スポーツの”エッグ”を題材としたコメディっぽい作品なのに、段々と、戦時中の暗い過去を掘り出す話になり、最後は、愛の話に繋がって行きます。説明したくても、これ、難しくて、説明出来ないよ。一つ一つを説明出来ても、全体の繋がりを解りやすく伝えるのは無理だなぁ。

この舞台、とても考えさせられる話でした。まず、スポーツ部分については、選手は、年を取れば、成績も悪くなるし、若手にその座を譲らなければならず、嫉妬や妬みが出てくると、試合の内容にも問題が出てくるのかなということが描かれています。そして、敵チームとの駆け引きや、企みなど、スポーツと言いながらも、裏にドロドロしたものがあるのだということが解ります。

エッグ

そして、戦時中の研究所については、最初は人命救助の為にやっていた実験が、段々と人を殺す為の兵器作りになって行って、人体実験までおこわれて行くような、そういう、人間の狂気のようなものが描かれていて、恐ろしいと思いました。誰もが、最初は、キレイな事を言って、それは正しいのだと思ってやっているけど、人間の欲望の為に、捻じ曲げられて、恐ろしい話になって行ってしまうんです。怖かったです。

最後に、愛ですが、これは、苺イチエと阿倍の話です。粒来が好きで、結婚するつもりだった苺は、スターとして売れる為に、あるハプニングを利用して事務所が仕組んだ阿倍との結婚に抗えずに、そのまま阿倍と結婚する事になります。しかし、そこに愛は無く、阿倍は苺にゾッコンなのに、苺は、全く、阿倍に興味を示しません。阿倍は愛されない事に苦しんで、とても可哀想なんです。そして、苺も、粒来を忘れられないのですが、でも、阿倍も気になるという微妙な雰囲気。2人の愛は成就するのかって感じかな。後は、舞台を観て下さいね。

エッグ

これ、面白いし、考えさせられる内容なのですが、ハッキリ言って、説明が出来ないし、感想が書けません。だって、詳しく書けないんですもん。と言いながらも、今回は、随分、細かく説明してしまいましたが。(笑) この話も、どんどん、展開して、場所も時間も変わって行ってしまうので、観る視点を脚本家という部分から見るようにしないと、話を見失うと思いました。でも、解って来ると、面白くて感動してしまいます。

深津さんの歌が、素晴らしいです。上手いし、椎名林檎さんが書いているので、とても良い歌なんです。これ、エッグのサントラとかあるのかしら。椎名さんのアルバムで出るのかしら。欲しいと思うような歌でした。深津さん、そこらの歌手より、全然上手いじゃないですか。ビックリでした。

そして、中村さんの身体が素晴らしいっ!!もー、ビックりでした。最初、ピッタリしたユニフォームだったので、良い身体をしているなぁとは思ったのですが、シャワー室のシーンで、上半身を脱いだら、もー、完璧な美しい身体でした。ヨダレ出そうでしたよ。なんで、こんなに素晴らしい身体を隠していたのっ!もっと出してよぉ~!!

エッグ

妻夫木さんは、演技が上手いのは言うまでも無く、安心して観ていられました。でも、身体を中村さんと比べられると、やっぱ、辛いっすかね。うーん、若いから仕方ないかってことで。他、橋爪さんや秋山さん、大倉さん、藤井さんなど、マジで、凄いキャストなので、楽しそうでしょ。ただ、まぁ、チケットを手に入れるのが大変だというのが困るけど。(笑)


私は、この舞台、超・お勧めしたいです。面白いと思いました。これだけのキャストと、この脚本なら、誰も文句の言いようが無いでしょ。すっごく楽しめました。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ



P.S : シアターガイドさんから写真をお借りしてしまいました。申し訳ございません。問題があるようでしたら、直ぐに消去いたしますので、ご連絡ください。<(_ _)>





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