「ジョーカー・ゲーム」を観てきました。
ストーリーは、
架空の第2世界大戦前夜。陸軍士官学校で学ぶ嘉藤(亀梨和也)は、規律に反したことで極刑に処されるところを、結城(伊勢谷友介)なる謎の男に救われる。彼は諜報(ちょうほう)組織のD機関を設立した人物で、嘉藤の卓越した頭脳や身体能力を見込んでスカウトする。数々の厳しいテストをクリアしてスパイとなった嘉藤は、人類の歴史を変えかねない発明について記された機密文書ブラックノート奪取を命じられる。それを求めて魔の都と呼ばれる都市に潜入した彼の前に、リン(深田恭子)という女が出現し……。
というお話です。
陸軍で、同じ部隊の人間を助けるために、上官に楯突いた男が居た。軍法会議にかけられ、死刑という判決が下り、今にも死刑が執行されるという時に、結城中佐なる人物が現れ、彼を救うこととなる。結城は、この男にスパイとしての訓練をさせ、彼に嘉藤という名前と身分を与えて、任務に就くように促します。
嘉藤は、写真屋として”魔の都”と呼ばれる都市に潜入します。ブラックノートと呼ばれる機密文書を手に入れる為に、米国大使グラハムに近づき、チェスの相手として仲良くなり、屋敷にも呼ばれるようになります。グラハムは、そのブラックノートを本国に持ち帰る為に、自分の身近に隠し持っているはずで、それを、イギリス、ドイツ、ソ連が狙っていて、もちろん日本も、狙っているんです。
ブラックノートとは、今で言う原子力爆弾の設計図のようなものであり、それを手に入れて、他の国よりも一歩先を行きたかったのだと思います。で、それを求めて、各国が攻防するのですが、グラハム邸にどこの国よりも先に侵入し、ブラックノートを見つけたのは嘉藤で、これで逃げればと思うのですが、そこに、イギリスの諜報部が絡んで来たり、何故か、女スパイ(深田さん)が登場してきたりで、見つけたと思ったら、誰かに取られちゃったりというのが、ちょっと面倒臭いなぁと思いました。
で、嘉藤がイギリス諜報部に捕まってしまい、その基地らしきところから脱出するとかが、クライマックスになってくるのですが、ここ辺りの内容は、原作通りですね。女スパイが蛇足だと思ったけど、まぁ、映画にするには、女性の姿も必要だったのかなってことで、目を瞑りましょう。結局、嘉藤は、ブラックノートを手に入れる事が出来るのか。本当の目的は何なのか。後は、映画を観て下さいね。
うーん、原作は面白いんだけど、やっぱり、実写にしてしまうと、あの緊迫感とか、戦前のレトロな雰囲気とかが、ちょっと削がれてしまっていましたね。亀梨くんが主役と言う事で、そのマイナス部分をプラスにしているんだろうけど、原作ファンの私にとっては、ちょっとだけ残念でした。
亀梨くん、本当に美しい顔をしていますね。早着替えの場面の横顔とかって、まるで女性のようで、ハッとするほどの美人に見えました。女装も出来る天才探偵とか、表向きは女王として君臨している男性とか、そんな役って面白そうだなと思いました。性別を超えた役をやって欲しいな。
そうそう、早着替えの場面なんですが、この早着替え、全く意味を成してないでしょ。すぐ後ろに追手が迫ってるのに、着替えてどーすんの。ある程度逃げて、見えない場所にまで行ってから着替えるならまだしも、着替えているところが見えてるっつーの。(笑)ちょっと、おバカな場面でした。
同じD機関所属の小田切(山本さん)と実井(渋川さん)、良い味出してましたね。この2人、どの映画に出ていても、上手いんですよねぇ。お二人とも、本当に、良く映画に出てらっしゃるのですが、イイ味出してくださるんですよ。良い役者さんたちです。映画に欠かせない人材ですよね。
ちょっとイヤだったのは、結城大佐ですね。原作では、もっと謎めいた人で、顔もハッキリ見せないような人物なんです。ぬらぁ~と現れて、顔に特徴が無く、人の印象に残らないように配慮しながらも、彼の目を見ると凍り付くような、恐ろしい人物という設定なんです。伊勢谷さんだと、イケメンだし、恐ろしさが無いし、若いんですよ。以前、ジョーカー・ゲームの原作の感想でも書いたのですが、もっと年齢が高いんです。本当は、嶋田久作さんくらいがちょうど良いんだけどな。豊川悦司さんとか真田広之さんとかがイメージなんですよ。伊勢谷さんだと、あまりにも爽やかそうに見えちゃって、ちょっと残念でした。
アイドル映画として観るなら、楽しめるし、お勧めしても良いと思いますが、映画が好きな人にとっては、ちょっと物足りない作品なのではないかなと思います。気になった方は、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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