「ランダム 存在の確立」を観てきました。未体験ゾーンの映画たちの1本です。
ストーリーは、
ミラーすい星が、地球に最も接近するとされる夜。エム(エミリー・バルドーニ)とケヴィン(モーリー・スターリング)のカップルは、友人が自宅で開くパーティーに招待される。男女8人で楽しい時間を過ごそうとした矢先、突如として停電が起きて部屋は暗闇に包まれる。不安に駆られた彼らは部屋を飛び出して外の様子を見に行くが、そこで自分たちとうり二つの人間が全く同じ家で生活しているのを目にする。共通の空間に、自分たちと別の自分たちが存在することにおののくが……。
というお話です。
彗星が地球に接近する時、引力の関係か、磁力の関係か、何かで地球がおかしくなるかも知れないと言われていました。そんな日に、友人の家でホームパーティーが開かれ、招かれたエムと恋人のケヴィン。エムは、バレエダンサーとして成功するはずでしたが、代役を断ったために職を無くし、恋人のケヴィンが仕事で赴任する地に一緒に来て欲しいと言われています。
ホームパーティーが始まり、皆が揃ったその時、停電が起こります。停電の前に、スマホが何の前触れも無く壊れる状況が起こっており、8人の男女の中の一人が、心配して、彗星についての助言をした弟に電話をかけようとするのですが、どの電話も使う事が出来ません。仕方なく、電話を近所まで借りに行こうと外に出ると、遠くの隣家に灯りが付いているのを見つけます。
とりあえず、行ってみることにするのですが、誰も居なくて、仕方なく家に帰ろうとすると、向こうから、同じような一団が、向かってきます。自分たちは、青いランプを持っていて、相手は赤いランプを持っている以外は、同じような・・・。驚いた彼らは、急いで家に帰ります。そして、もう一度、2人が、電話を借りに行くのですが、彼らが戻って来て、自分たちと同じ人間が、あちらの家にも居たというんです。
彗星の影響により、時空が歪んでしまい、平行宇宙が繋がってしまったのではないかという事なんです。この世界は、グリッドのようなもの。二つの選択肢があれば、それぞれの世界が生まれ、何通りもの同じ世界が平行に流れているんです。その世界が、横に繋がってしまったという事なんです。となりには、違う選択肢をした自分が居るって事なんです。
という事は、自分が考える事は、相手も考えているという事なので、同じ自分が居る事を嫌がっているという事は、相手も嫌がっているという事で、襲ってくるかも知れないと考え、それに備える事に。そんなこんなで、出て行ったり入ってきたりしているうちに、どうも、違う世界の人間と混ざってしまったようで、少しづつ、個人個人の話が違ってくるんです。
そんな中、エムは、ケヴィンが元カノの女性と何やら秘密めいた話をしているのに気が付いてしまい、自分だけを見てくれるケヴィンの居る世界と入れ替わったら良いかもしれないと考え、違う世界の自分を探しに、外へ出ます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
これ、どんなに移動しても、また同じ自分の家に戻ってしまうけど、その戻る家は違う家っていう、超SFの王道なんです。だけど、私、これ、好きなんですよね。隣の自分と、全く性格が違うっていうことがあり得るし、同じ性格でも、選んだ事によって、少し違うんですよね。出来れば、私は、相手にも説明して、調子良く、入れ替わったり出来たら良いなぁと思うんです。それぞれの自分の得意な事をやって貰って、完璧な自分をいくつも作りたい。面白いでしょ。
まぁ、どの自分も自分だから、どうしても出来ない事とか、苦手な事、容姿なども変わらないので、不可能を可能にする事は出来ないんですけどね。でも、楽しそうと思えば、受け入れられる事でしょ。でも、この映画の中では、誰もが受け入れられず、怖がっているんです。SFが好きで、こう言う事を既に分かっている人なら良いんでしょうけど、普通の人たちには、恐ろしいのかも知れませんね。
そんな普通の人々の右往左往する姿が、とても面白いです。ただ単に、彗星の影響で時空が繋がっただけなんだけど、これ程、話が広がるというのが、面白いと思いました。恐いなら、家から出なければ良いのにね。なんで、怖いのに、それに向かっていこうとするんだろうと、不思議に思えました。私なら、怖ければ向かわないし、興味があるなら受け入れようとするんですけどね。
私は、この映画、面白いと思いました。お勧めしても良いと思います。本当に単純な映画なんです。でも、SFが好きでない人には、なんだか面倒で、つまらないと思われてしまうかも知れません。SFに興味のある方は、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・ランダム 存在の確率@ぴあ映画生活