「特捜部Q 檻の中の女」を観てきました。未体験ゾーンの映画たちの1本です。
ストーリーは、
殺人課の敏腕刑事カール・マーク。ある事件で部下を失い重傷を負った彼は、復職後に新部署「特捜部Q」への転属を命じられる。”終わった”と判断された捜査報告書の整理があらたな仕事となったが、それらの資料の中には5年前に話題となった美人議員ミレーデ・ルンゴー失踪事件の捜査ファイルも含まれていた。ミレーデは、弟との船旅の途中で行方不明となり、その後も何も発見されないまま”船上からの投身自殺”と結論づけられていた。だが、その捜査結果にあらためて違和感を持ったカールは、助手のアサドと共に調査を開始する。そして、次々と明らかになる新事実により「彼女は自殺などしていない。事件に巻き込まれたのだ。」という確信が導き出されて行く。はたして、彼女は殺されたのか?それとも・・・。
というお話です。

これ、面白いなぁ。なんで公開されなかったんだろう。不思議だなぁ。
カールは、イケイケの刑事で、応援を待ったりする事が出来ないタイプなんです。まぁ、刑事ドラマでは良くいるタイプですよね。で、現場に飛び込んでしまい、反撃されてしまうんです。最初の場面から衝撃の展開で、どーなっちゃうの?って思ったら、ちゃんと続きました。(笑)撃たれて重傷を負ったカールでしたが、命は取りとめ、治療後に復職しますが、既にカールの机は無く、資料整理の仕事に回されてしまいます。
過去の資料の整理をする「特捜部Q」という部署に回され、助手としてアサドというシリアから亡命してきた移民が部下となります。最初は、こんな場所に左遷されてと思っていたのですが、資料を見ていると、問題のある事件がいくつも見つかり、まず、目に付いたのは、議員ミレーデの失踪事件でした。自殺として片づけられてしまっていたのですが、何か臭うんです。カールは、まず、この事件から整理すると言って、アサドと調査をし始めます。
ミレーデは、船から失踪したのですが、密室と同じ船から居なくなったので、海に落ちた事故か自殺しか考えられないという事になり、自殺だろうという結果にされてしまったんです。でも、そもそも、障害者の弟を残して船から投身自殺とは考えにくいですよね。まして、議員が居なくなったのに、こんなに簡単な捜査だけで終わらせるなんて、驚いちゃいます。
捜査を始めたカールとアサドは、5年も前の事件を洗っているので、既に記憶が薄れている上に、今更と嫌がられることも多く、警察内部でも、当時の事件の担当者や上司が捜査の阻止をしてきたりと、困難が降りかかります。それでも、2人は捜査を続けて行きます。そして、アサドは、ミレーデの弟との交流を深め、彼から、重要なヒントを導き出します。ミレーデは、自殺だったのか、それとも・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、本当に面白いです。日本の「ケイゾク」や「スペック」と似ているかな。過去の事件を探って、その真相にたどり着くというお話なんです。内容も、良く出来ているし、キャラクターが良いんです。主人公のカールは、日本にも良くいるタイプの強引な警察官なんですが、その相棒が、シリアからの移民のアサドなんです。この文化の違いが、捜査にも生かされていくのですが、アサドの普通に感じている事は、カールには、不思議な事ばかりで、面白いコンビだなって思えるんです。
考えたんですけど、これだけ日本だって、外国人が増えているなら、外国人の捜査官も必要ですよね。だって、常識が違う国の人間を追わなきゃならないんだったら、その国の常識を知っている人間に追わせるしかないでしょ。この映画のコンビを見ていて、多国籍のチームも良いのかなって思いました。
この話なんですが、さすが北欧、あの「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を生んだ国だなぁと思わせるような、異様な展開でした。まさか、そうくるかって感じでした。「ケイゾク」や「絶対零度」などでも、自殺だと思われてたけど他殺だったとか、そういう話は聞いたことがあったけど、この映画の展開は凄いなぁ。
でも、なんで気圧が関係してくるのか、意味が解らなかったな。そのやり方より、もっと効率的なやり方もあったと思うんだけど、わざわざ、それに固執したのなら、何か理由があるのかなと思って、それが知りたいと思ったんです。まだ観ていない方には解らないと思いますが、これ、超ネタバレに繋がることなので、詳しくは書けないんです。でも、気になったなぁ~。
この映画、とってもお勧めしたいです。でも、未体験ゾーンの映画たちの1本なので、あまり上映されません。もし、お時間があったら、観に行ってみて下さい。もし渋谷に行けなそうなら、DVDが出ると思うので、それを待ってください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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