「デビルズ・ノット」を観てきました。
ストーリーは、
1993年、アメリカのアーカンソー州ウエスト・メンフィスで児童たちが無残にも殺害される事件が発生。彼らと顔見知りだったアイスクリーム売りの青年(デイン・デハーン)や現場近くにいた血まみれの黒人男性など、不審な人物がいたにもかかわらず、警察は16歳から18歳の若者3人を容疑者として逮捕する。私立探偵ロン(コリン・ファース)は、事件捜査の経過に疑問を覚えて独自に調査を開始。一方、被害者の母親パム(リース・ウィザースプーン)は、裁判で次々と浮き上がる捜査の矛盾などに戸惑いを覚える。
というお話です。
怖い話でした。だって、人の思い込みだけで、どんどん犯人にされて行っちゃうんですもん。どう考えても、犯人じゃ無さそうな子たちが、言い返せないってだけで、町の人々や警察や裁判所に、犯人にさせられちゃうんです。恐いでしょ。いくら、やってないって言っても、ダメなのよ。
ある日、パムの息子スティーヴィーが、友達と遊びに行ったまま帰ってこなくなり、警察に届けると、他の2人も一緒に行方不明になっていて、町総動員で探すと、デビルズ・ノットと呼ばれる沼で死体となって発見されます。手足を縛られ、暴行された挙句に殺されたらしく、血だらけでした。
犯人探しを始めるのですが、何故か、血だらけの黒人が居たという証言や、子供の写真を手に入れていたアイスクリーム売りの青年など、何人も容疑者が居たにも関わらず、何故か、悪魔崇拝をしていたという青年3人を逮捕することになる。自供も無く、証拠も無いのに、全くの部外者の怪しげな告発のみに頼って、逮捕に至ったんです。
そんな捜査で犯人を決めてしまい、裁判を始めると言う事に納得が行かない調査員のロンは、独自に調査を始め、加害者の弁護士に情報を提供するようになります。町の人々に聞き込みを進め、色々な不可解な点を見つけて、弁護士と打合せを重ねるのですが、検察と警察がグルになっているので、どんなに証拠を集めても、挽回する事が出来ません。
そして、スティーヴィーの母親パムに話を聞いていると、ある重大な出来事をロンに話し始める。しかし、既に、3人の青年が有罪と決まってしまった今では、簡単に判決が覆ることも難しく、しかし、冤罪をそのまま見過ごすわけにもいかず、ロンは、これからも捜査を続けて行くんだろうという感じです。
なんか、事実の映画化なので、結論は出ないし、スッキリしないし、ちょっと、消化不良でした。事実だから仕方ないんだろうとは思いますが、どう考えても犯人だろうっていう、血だらけの黒人の男性は、そのまま調査もせずだし、他にも怪しげな人間が山ほど居るのに、全く捜査をしないっていうのが、あり得ないよね。もし、この映画の内容が、そのままなら、信じられない捜査だったとしか言えません。驚きました。
今、現在も、犯人とされてしまった青年3人に対して、沢山の人が支援をしているようです。そんな社会現象まで起きた、この事件は、この3人の青年が、有罪を認める代わりに釈放されるという、訳の解らない最後を向かえ、この3人は、冤罪被害者だと言う人は多く、本当の犯人は、今も、どこかで、次の被害者を狙っているのではないかと思うと、恐ろしい話だと思いました。
私は、この映画、まぁ、お勧めしても良いかなと思います。時間が余ったら、観る程度ですかね。だって、決着は付かないし、スッキリしないし、納得出来ないで終わるので、後味が悪いんです。でも、こんな事件が、実際にアメリカで起こったのだという事を知るのも、良いのかなと思います。だって、日本でも同じような話、ありますもんね。袴田事件だってそうだし、他にもたくさん。お時間があったら、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・デビルズ・ノット@ぴあ映画生活