東京フィルメックスにて「ディーブ」を観てきました。
ストーリーは、
第一次大戦中、オスマン帝国支配下のアラビア半島西部ヒジャーズ地方。遊牧民ベドウィンの少年ディーブは、英国人将校に道案内を頼まれた兄とともに旅に出る。極秘任務を負った英国人将校の目的地はヒジャーズ鉄道近くの井戸。だが、一行は夜中に何ものかの襲撃を受け、英国人将校たちも、更には兄までもが殺害されてしまう......。
というお話です。
遊牧民たちは、とても人が良くて、英国人だろうが、誰だろうが、道案内を頼まれれば、快く引き受けていました。そこに、どんな目的があるのかなどは、彼らには関係無いんです。戦争があろうと、自分たちの生活を守り、続けて行くのが彼らなので、道案内を快く引き受け、出発します。

順調に進んでいたのですが、夜になり、何者かの襲撃を受けます。敵は、英国人が目的のようですが、一緒にいたディーブと兄も、襲われてしまいます。何の関係も無いディーブと兄は、必死で応戦し、朝まで戦いますが、結局、兄は殺されてしまい、ディーブは、井戸に落ちてしまいます。

襲撃してきた集団は、目的を達成し、居なくなり、ディーブは、なんとか井戸から這い上がるのですが、ラクダも無く、その場所から帰る事が出来ません。途方に暮れている所に、何故か、先ほどの集団の一人が怪我をして、フラフラとラクダに乗ったまま戻ってきます。
ディーブは、そのラクダを捕まえ、逃げようとするのですが、一人では上手くラクダを扱えず、逃げる事が出来ません。仕方なく、敵である男を助けて、自分も一緒に抜け出すしかないと諦め、男を助ける事に。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

この時代の社会の変化を良く描いていて、盗賊かと思った集団も、本当は、国の変化によって、そういう仕事を引受けなければならなくなったり、ただ、悪い奴では無いんです。戦争では、どちらも正しいですからね。でも、ディーブは違います。彼は、昔から変わらず、同じ生活を続けてきたし、戦争に関係していないんです。それでも、影響を受け、家族を亡くしたり、命の危機に見舞われたりしてしまう。

どんなに自分たちには関係が無いからと言っても、そういう訳には行かないという現実が描かれていて、そういう思いをした人々は、沢山いたんだろうなぁと考えさせられました。発展する事は、全てが良いとは限らないんですね。古いまま、生活を続けたい人も居たんです。可哀想だと思いました。

ディーブの少年が可愛くて、私は、この作品、結構、気に入りました。でも、単館系だから、日本上映があるかどうかは、ちょっと解りません。私は、まぁ、お勧めしたい映画なんですけどね。もし、公開されることがあったら、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
東京フィルメックス 2014 http://filmex.net/2014/