【東京フィルメックス】「真夜中の五分前」美しい映像の光と影に居る双子のどちらを愛したのか。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京フィルメックスにて「真夜中の五分前」を観てきました。


ストーリーは、

上海で時計修理工として働くリョウ(三浦春馬)は、プールで見掛けた清楚(せいそ)な雰囲気漂うルオラン(リウ・シーシー)と出会う。リョウは知り合ったばかりの彼女に、ティエルン(チャン・シャオチュアン)と婚約中の一卵性双生児の妹ルーメイ(リウ・シーシー)への結婚プレゼントを選んでほしいと頼まれる。そのことをきっかけに二人は親しくなっていくが……。

というお話です。


真夜中の

これ、本当に映像が美しかったなぁ。やっぱり、行定監督の作る雰囲気は、ステキですね。たとえ、ミステリーでなくても、ミステリーに見えてしまう。いやいや、今回は、ミステリーなんですけどね。映像を観るだけで、不思議な迷宮に入り込んでしまったような気持ちになるんです。


リョウは、日本で悲しい事があり、上海へ渡り、時計修理工として働いています。ある日、いつも通っているプールでルオランという女性と出会い、彼女は、リョウに頼みがあると誘います。ルオランには、双子の妹・ルーメイが居て、彼女への結婚祝いを選びたいのですが、双子だと、どうしても相手の事が解ってしまうので、驚かせる為に、リョウに選んで欲しいという事なんです。突然の頼みでも、嫌な顔せずに引き受けたリョウに好感を持つルオラン。2人はどんどん接近して行きます。


真夜中の

双子の妹・ルーメイは、ルオランと違い、勝気で、現在はモデルや女優の仕事をしていて、ティエルンという映画監督などをしている男性との結婚が決まっています。ルオランとルーメイは、そっくりなので、子供の頃から入れ替わったりしても、全く気付かれることが無く、2人は、どちらがどっちなのか、解らなくなってしまう事も・・・。ルオランは、物静かなタイプですが、モデルや女優もやってみたいという気持ちがあり、それを手に入れたルーメイに、ちょっと嫉妬する気持ちが湧いて来ていたのかも知れません。

真夜中の

ルオランは、リョウと付き合い始め、ルーメイは、ティエルンと結婚し、これからは、それぞれ、幸せになれるのかと思っていたのですが、ある日、旅行に出たルオランとルーメイが俘虜の事故に合い、とんでもない迷宮に入り込みます。後は、映画を観て下さいね。ここからが、すごく面白いです。

真夜中の

これは、話が面白いですね。双子じゃないから解らないけど、もしかしたら、一卵性双生児だったら、こんな風に意識が繋がってしまうような事もあるのかしらと思ってしまいました。そうなったら、もう、自分でも、何が何だか、分からなくなるということも、あるのかも知れませんね。恐ろしいけど、ちょっと羨ましい気持ちもしました。だって、自分以外に、1人だけは、自分の考えている事を解ってくれる訳でしょ。普通の人ならば、誰にも解って貰えなくても、そのまま、突き進まなければいけない事だってあるのに、どんな時でも、自分の考えを理解する人が、1人は居るというのが、良いなと思いました。

真夜中の

でも、反対に、誰かを好きになったら、その人の事は、もう一人も好きなタイプのはずだから、自分のマネをされたら、取られてしまいますよね。心配で、家族に紹介出来ないかも。そう考えると、一緒に暮らすのも難しくなってきますよね。大変だなぁ。

そんな双子の特性を考えた組合せがとても上手くて、とっても不思議で、ミステリアスな世界感が作りだされています。あれ?さっきのはルオラン?それともルーメイ?って、観ていても考えてしまう。もちろん、それぞれに特性があるので、違う性格なんだなって言う事が解るのですが、途中で、あれ?って、一瞬解らなくなったりするんです。そこら辺が、とても巧妙で、素晴らしいと思いました。


真夜中の

もちろん、主演の三浦くんも、中国語などで頑張っていたので、大変だったと思いますが、やっぱり、一番、大変だったのは、双子を演じたリウ・シーシーさんかな。同じなんですけど、微妙に違うんですよねぇ。監督は、笑い方が違うんだよっておっしゃっていたのですが、私は、人を見る時の目つきのキツさが違うような気がしました。ルーメイの方が強い見つめ方をしているように見えるんですよ。凄いでしょ。

真夜中の

あまり説明するより、観て頂くのが一番だと思うので、12月27日を楽しみにしていてください。
私は、この映画、超お勧めしたいです。本当に、ステキな映像と雰囲気を味わえて、最後は、アナタの目で見て、アナタが考えて下さい。それぞれ、観る人によって、ラストが違うと思います。ハッピーかバッドなのか、それは、アナタが考えて、アナタが、このラストショットの先を考えて下さい。面白いですよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ


P.S : 映画の後に、行定監督とのQ&Aがありまして、色々なお話が伺えました。それについては、東京フィルメックス のHPで公開されているので、ぜひ、観てから、映画を観に行かれると、楽しめると思いますよ。ちなみに、私は、ちゃんと円卓も観ましたので、何となく双子の映し方、解るかも。(笑)


もひとつ、行定監督の作品、好きなので、今度は、行定監督の演出の舞台「ブエノスアイレス午前零時」を観に行く予定です。



面白かったから、感想が長くなっちゃった。(笑)ゴメンナサイ。



真夜中の五分前@ぴあ映画生活



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