【東京フィルメックス】「彼女のそばで」障害者を家族に持つ女性の心の動きがリアルでした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京フィルメックスにて、「彼女のそばで」を観てきました。


ストーリーは、

ハイファの雑然としたアパートに障がいを持つ妹ギャビーと暮らすシェリ。だが、ギャビーがデイケアサービスの女性と親しい関係を築き始めたことにより、姉妹の濃密な関係は揺らぎ始める。あたかもその埋め合わせをするかのように、シェリはボーイフレンドのゾハールをアパートに同居させるが......。

というお話です。


彼女のそばで

障害を持つ妹の面倒を見ながら、仕事をしているハイファ。出来れば、キチンと働いて、お金を稼ぎたいのですが、妹を部屋に一人で置いておくと、騒いでしまう事が多く、近所から迷惑がられたり、福祉事務所に電話をされてしまったりするので、どうしても短時間しか働くことが出来ず、収入も少ないので、あまり良い生活は出来ません。

訪ねてきた母親にも暴力を振るうギャビーに手をやいたハイファは、デイケアサービスにギャビーを預ける事にして、昼はキチンと働くことにします。そして、職場で出会った男性ゾハールとイイ感じになり、付き合う事になります。デイケアサービスに通うギャビーも、それほど興奮する事も少なくなり、生活の安定が見えてきたので、ハイファの住んでいるアパートに、ゾハールも引越してきて、一緒に住む事にします。

彼女のそばで

ハイファは、自分の事ばかりだったのですが、生活が安定してきて、ギャビーの様子を見ると、デイケアサービスの人に懐き、ハイファだけを頼りにしていた姿とは変わってきている事に気が付きます。自分だけを見ていたギャビーが、他の人を頼りにして、自分を見ていない事に気が付いたハイファは、段々と不安になり、嫉妬心を抱いていきます。

そんな不安定なハイファは、心の広いゾハールまでも怒らせて、喧嘩をしてしまいます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

彼女のそばで

障害者を持つ家族が、どれほど苦労をして、孤独を抱えているかという事が、良く描かれていて、ああー、そうだよなぁと考えさせられました。周りと交流が持てて、関係性も上手く行けば、もっと明るい生活が出来るのだと思うのですが、やはり、どうしても、他人に任せるという事が不安になってしまうのも理解出来るし、ハイファがギャビーを自分の所有物のような気持ちになってしまうのも解るんです。ずっと2人で暮らして来たら、そうなってしまいますよね。

でも、やっぱり、誰か、外部の人間が助けてあげないと、いつまでも若いわけでは無いし、それなりに、ギャビーも成長していくのだから、考えなければいけないと思います。この映画で描かれている出来事は、とても良い親離れというか、家族離れだったのに、そんなに簡単に行く訳がありませんよね。

彼女のそばで

ギャビーは成長し、もう、ハイファだけの手におえる年齢ではないのに、それがハイファには解らないんです。まだまだ、子供のままだと思いたい。だけど、それも、そろそろ限界に来ていて、ハイファ自身も、どうしたら良いのか解らない。誰か助けてあげてって感じなんです。

もし、家族に障害があっても、それは、一人で背負い込むことは無いんです。周りの人に手を借りて下さい。貸す方だって、ほとんどの人間は、気持ち良く手伝ってくれます。もちろん、全ての人ではないかも知れないけど、もっと、みんなで支えるってことを誰もが受け入れる社会になったら、ステキでしょうね。パラリンピックだって、人気選手が沢山でてくるかも知れないし、面白くなると思います。

彼女のそばで

私は、この映画、とても考えさせられる映画だったので、お勧めしたいのですが、日本公開、あるかなぁ。こういう映画って、あまり公開してくれないんですよね。でも、もし、観る機会があったら、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。カメ




東京フィルメックス 「彼女のそばで」   http://filmex.net/2014/fc01.html