「福福荘の福ちゃん」を観てきました。
ストーリーは、
古めかしいアパート「福福荘」で暮らし、福ちゃんの愛称で親しまれている中年塗装工の福田辰男(大島美幸)は、仕事に忠実で血の気が多く女性には二の足を踏んでしまう性格。そんな福ちゃんのもとに、中学時代に初めて好きになった女性の千穂(水川あさみ)がおよそ20年ぶりに訪ねてくる。カメラマン修業中の千穂と一緒に過ごすうちに、福ちゃんはかつて自分を女性恐怖症に陥れた張本人の千穂に思いを募らせていく。
というお話です。
この映画、良かったなぁ~!本当に面白かったよ。大島さんって、顔が優しいよね。もちろん、映画の中では福ちゃんなんだけど、彼女の内なるやさしさみたいなものが、画面に溢れてきていて、キャスティングが上手いなぁと思いました。この役、普通なら、温かそうな男性を選んでくるでしょ。だけどね、男性だと、この福ちゃんの温かさは出てこないんですよ。男性なんだけど、温かい包んでくれるような、お母さん的なものが無いと、ダメなのよね。そこに大島さんという女性がいたから、こんなステキな映画になったんだと思います。

福福荘に住む福田辰夫は、とっても真面目な男性です。子供の頃から太っていて、ちょっと面白い顔をしていたので、虐めに合い、その事がトラウマで、女性と付き合うのが苦手です。でも、友達には優しいし、気持ちは、すっごく温かい人なんです。だから、誰からも好かれていて、アパートに住む個性的な人々とも、とても仲良しなんです。

お隣に住む、野々下くんと、馬淵くんは、一癖も二癖もあるタイプ。野々下くんは、昔、下着を盗んで捕まった経歴があり、今はちょっとノイローゼ気味、馬淵くんは、寂しがりで友達としてニシキヘビを飼って怒られた、東大卒のアルバイトです。二人の喧嘩を福ちゃんが仲裁したことから知り合い、仲良くなるんです。
そんな穏やかな暮らしに波紋を広げたのが、杉浦さんの存在です。彼女はある人に、運が悪いのは、昔、傷つけた男性のせいだと言われ、学生の頃に友達と虐めた同級生の福ちゃんの事を思い出し、福ちゃんに謝りに来るんです。普通、来ないと思うんだけど、何故か、来るのよ。(笑)
福ちゃんは、杉浦さんに、今更謝られてもと言うのですが、そこは、優しい福ちゃんの事、優しい言葉をかけてあげるんです。福ちゃんの温かさに触れた杉浦さんは、福ちゃんの写真を撮りたくなり、こっそり撮りに来るのですが、見つかってしまい、結局、撮らせて欲しいと頼み、正式に福ちゃんをモデルとして、写真撮影に励み始めます。そして、今まで忘れていた楽しさを思い出し、杉浦さんは、自分の未来を見れるようになるんです。でも、福ちゃんの方は、杉浦さんに惹かれてしまい・・・。後は、映画を観てくださいね。
もっともっと、すごく面白い事が、山ほどあるんですけど、その細かいことは、映画を観ないと味わえません。この面白さは、観なくちゃ損と言って良いほどだと思います。もちろん、大島さんと荒川さんのコンビは、超笑えるのですが、そこに、美しいのにスゴイ事をやってくれる水川さんが混ざって、上手く組み合わさるんです。この楽しさは、今までにないと思います。
そして、パワーのある3人にプラスして、周りの人々の個性の強い演技が、目を釘付けにします。ちょこっとした場面でも、超笑わせてくれるので、もう、耐えられません。大笑いしちゃいますよ。
杉浦さんに、傷つけた男が付いてるって言った喫茶店の女主人が真行寺君江さんがやられていて、あのマザーの恐怖が蘇っちゃった。杉浦さんが、女主人の言葉をバカにしたら、老婆になって追ってくるかも~って怖くなっちゃった。(笑)今回は、美しい女主人さんでしたけどね。
そして、カレー屋店主を古館さんがやられているのですが、この店主が、またこだわりのカレー屋らしくて、超勘違い店主なんです。この場面も笑えますよぉ。サイコーでした。
他にも、笑える場面が多数あり、本当に楽しめました。男の優しさ、悲しさ、純情さ、そして誠実さが描かれていて、それに対して、女のしたたかさもしっかり描かれていて、良く出来ていると思いました。
私は、この作品、超!超!お薦めしたい作品です。これを薦めなくて、どの映画を薦めるんじゃ~!!こんなに楽しい映画、久々です。全く考えず、ただ、気持ち良く映画が観れるので、疲れた身体や脳の一服として観に行かれたらどうでしょうか。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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