ラテンビート映画祭にて、「FLOWERS」を観てきました。
ストーリーは、
人妻であるアネのところに、差出人不明の花束が毎週届くようになる。アネは心当たりがないが、夫は疑念を持つ。アネが勤務する建設現場では、大型クレーンの上からベニャトが地上を双眼鏡で観察している。ベニャトの妻ルルデスは、義母のテレから子供ができないことで嫌味を言われ続けて、我慢の限界に達している。花束を巡る謎を軸に、アネとルルデスとテレの3人の女性の物語が交差していく。
というお話です。

この作品は、東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門でも、上映されたのですが、ラテンビート映画祭でも上映されると聞き、東京国際からは外しました。本当は、東京国際で観た方がチケットが安かったんだけど、他にも観たい作品が沢山あったから、ラテンビートで観る事にしました。
アネは、ちょっと早めだけど更年期障害が出てきてしまい、ちょっと不安定な感じ。夫とは、仲が悪い訳では無いけど、あまりお互いに興味が無く、子供も居ないので、会話も途切れがち。そんな更年期で沈んでいる所に、ある日、花束が届きます。メッセージカードも無く、誰からのプレゼントかは解らないけど、毎週、届くようになります。最初は、戸惑っていたアネでしたが、その内、花束が待ち遠しくなります。
そんな花束を見て、夫は、誰が送って来ているのかもわからないのに、気持ちが悪いと話、機嫌が悪くなり、仕方なく、アネは、花束をこっそり会社に持って行く事にします。
ベニャトは、アネと同じ会社の現場で働くクレーン技師。子持ちのルルデスと結婚し、母親のテレは、ルルデスがベニャトの子供を産んでくれないことを良く思わず、仲は悪くなる一方。その間に挟まれ、ベニャトは辛い立場です。でも、会社では、家での事は話さず、真面目に働いていました。ある日、車で移動中、交通事故に合い、一瞬で亡くなってしまいます。
アネは、ベニャトが交通事故に合い亡くなってから、花束が届かなくなった事に気が付き、もう一つ、ある物を見つけ、花束を送ってくれていたのは、ベニャトだと思います。証拠は無いけど、そうとしか考えられないと思い、今度は、彼の亡くなった事故現場に花束を供える事にします。
ベニャトの母親のテレは、息子が亡くなり、疎遠になったルルデスを嫌い、一人、ベニャトの事故現場に花束を備えていたのですが、ある時から、もう一つの花束が現場に備えられている事に気が付きます。ベニャトの事故以外に、そこで事故は無いし、ルルデスでも無いなら、一体誰が花を供えてくれているのか気になり、花束に連絡先をつけておきます。そして・・・。
一方、ルルデスも、誰からか解らない花束がある事を聞き、気になります。自分が知らない夫の事があるのではないかと思ったんです。そして、誰が花束を置いていくのか、不思議に思い、供えられる日に、一日、現場で見張っていると、そこにアネがやってきます。ルルデスは、この人がベニャトとどんな関係があるのかと気になりますが、その時は、そのまま声もかけず、次の時に、アネが車を拾う場所に偶然を装い、車を付けます。アネを乗せたルルデスは、言われるままに事故現場に向かうのですが・・・。
後は、映画を観て下さいね。一つの花束で、これ程に、人々に色々な気持ちが湧いて、嬉しくなったり、悲しくなったり、不安になったり、ドキドキしたり、本当に、同じものを見ていても、それぞれの人によって、思う事が全く違うのだというのが、とても面白く描かれていて、上手いなぁと思いました。
特に、アネの夫婦の関係が、なんか、とっても分かる~って感じで、我が家は、別居婚にして良かったなぁと改めて思いました。子供がいなくて、ずーっと同じように暮らしていると、アネの夫婦みたいになっちゃうんですよね。だから、我が家は、ワザと別々の家を持ち、一緒に居られる時に一緒に居ます。週末婚って感じですね。そうすると、倦怠期が来ないというか、いつまでもドキドキするのよ。皆さんも、いかが?(笑)
話を戻して、この映画、私は、お勧めしたい映画です。これ、ちょっと今までにある映画とは、何となく違うんです。別に、すごい事件が起こったりする訳では無いんだけど、でも、それぞれの人々にとっては大事で、色々な心の動きが描かれているんです。面白いですよ。日本公開は解らないけど、もし、観る機会があれば、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
ラテンビート映画祭 http://www.lbff.jp/