- 東京国際映画祭2014にて、「救いたい」特別招待作品を観ました。4日目の3作目です。
ストーリーは、
仙台医療センターで麻酔科医長として勤務している隆子(鈴木京香)と、開業医の夫貞一(三浦友和)は夫婦二人三脚で暮らしてきた。だが、東日本大震災が東北を襲って以来、貞一は自分の医院を閉めたままにして被災地で診療所を開始する。隆子の部下の麻酔科医純子(貫地谷しほり)も震災によってただ一人の肉親である父親がこの世を去り、なかなか立ち直れずにいた。
というお話です。

麻酔医の映画だと聞き、観てみたのですが、結局、震災の後の悲劇で泣かせる映画でした。もう、そろそろ、被災地で犠牲になった方の写真を出して泣かせるのはやめて欲しいです。震災を忘れようと言うのではありません。もう、前を向いて行こうってことです。もし、これが前を、向いて行こうと言う映画なら、犠牲者の写真は出す必要は無いですよね。新しい道を描いて行くで良いじゃないですか。もう、本当に止めましょうよ。

麻酔医の話は、本当にちょろっとだけなんですよね。手術中の姿くらいしか描かれていなくて、患者の術中の身体の管理をしていると言っても、ただ、数値を見ているだけ。一般の人間には、株価を見ているのと変わりないように思えてしまいます。

麻酔医を映画にするなら、大袈裟になろうと、何か事故が起きた事にしたりして、こんな事をしていると言うのを分からせて欲しかったです。全く、麻酔医の大変さが伝わってこなかったんです。手術の掛け持ちが出来るような、楽な専門医にしか思えませんでした。まだ、TVドラマの”医龍”とか”ドクターX”の麻酔医の方が大変そうです。そうそう、”チーム・バチスタ”の映画の時、麻酔医って、ストレスがたまるんだなって解ったんですもん。あういう、あり得ない事件でも良いので、やって欲しかったです。

泣る映画との触れ込みですが、確かに泣けますよ。でも、それは、震災の悲劇や被害者の姿を見る事で泣けるわけで、麻酔医の話とか、救える命とか、そういうもので泣ける訳では無いんです。それじゃ、震災後に沢山作られた、震災の映画と同じです。麻酔医の話ではありません。私は、全く泣けず、この映画の前に観た「遥かなる家」のラクダが死ぬシーンの方が泣けましたよ。

いやいや、文句ばかりでスミマセン。この映画の良い所も探しましょう。もちろん、主役の鈴木さんも三浦さんも、安定していて、安心して観ていられました。でも、話がねぇ。震災後の仮設で詐欺を働く偽互助会の人たちとの立ち回りなど、あり得ない演出は辞めて欲しかった。あれ、1発殴った時点で傷害罪でしょ。何もしなくても、あれだけ証人がいるんだから、誰かが動画や写真さえ取っておけば、問題無かったのに。完璧に訴えることが出来る事案でしょ。公金詐欺のような悪い人間には、正当な方法で、潰すまでやりましょう。

ああー、ゴメンナサイ。良い所が、俳優のお二人の話しか出来なかった・・・。この映画は、もう公開が決まっているから、ダメ出ししても良いよね。だって、良い事、書けないんですもん。マジで、申し訳ないけど、仕方ないでしょ。気になったら、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。

東京国際映画祭「救いたい」 http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=55
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