【TIFF2014】「遥かなる家」中国版「母を訪ねて三千里」かな。とっても可愛いです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2014にて、「遥かなる家」コンペティション部門を観ました。4日目の2作目です。


ストーリーは、

両親が草原で放牧をしているため、兄のバーテルは、祖父母のもとで暮らし、弟のアディカーは学校の寮に住んでいる。兄は弟がひいきされていると嫉妬している。夏休みが来るが、父親は迎えに来ず、親のもとに帰る事を決めた弟は、すねる兄を説得して、ラクダにまたがる。草原で迷った時は川に沿って進めという父の言葉を弟は思い出し、川を探し、辿る事にする。遊牧民はすべて水のあるところに暮らしているからだった。

というお話です。


遥かなる家

遊牧民の長男バーテルは、弟アディカーが生まれたため、祖父の家に預けられます。遊牧民が生活する為の放牧地が減り、羊を、放牧出来る土地を探す旅をしながらの子育ては大変なので、一人育てるだけで精一杯なんです。バーテルは、弟が生まれたから、自分は親と別れなければならなかったし、不公平だと思っています。

アディカーの方はと言うと、親と旅を続けて、学校に行く年令になったら、学校の寮に入り、週末のみ、父親が迎えに来て、家に帰るという暮らしでした。父親は、いつも、祖父の家に預けているバーテルのことを気にかけ、祖父の家に行く度に、バーテルの洋服やオモチャなどをお土産に持って行くので、アディカーは、なんで兄だけヒイキしてもらえるのだと恨んでいます。

遥かなる家

ある日、水も枯れ、牧草が減ってしまい、新しい放牧地を探さなければならなくなった父親は、夏休みなのに息子たちを迎えに行かず、放牧地を探しに旅立ってしまいます。不安に思った2人は、自ら、両親を探す旅に出ることにします。

川に沿って行けば、きっと放牧地に行けると思い、川を探すのですが、干上がってしまっていて、川らしきものがありません。ウロウロ、ラクダの示す方に行ったりと、探すのですが見つかりません。水も底をついてきて、兄弟の関係も最悪になり、どうしようという時に、弟の、ラクダが倒れます。子供の頃から一緒だったラクダが倒れ、悲しむ弟に、水が無いから、ラクダの血を飲めという兄と、とうとう大ゲンカになってしまいます。

弟を置いて旅立つ兄、ラクダに寄り添う弟、2人は、両親の元にたどり着けるのか、後は、映画を、観て下さいね。

家在水草丰茂的地方

この映画、良かったなー。兄弟って、こういう嫉妬ってありますよね。私は一人っ子なので、兄弟の良さも悪さも解らないのですが、夫を見ていても、親を見ていても、友達を見ていても、それぞれ、色々なしこりが残っていたり、かと言って、兄弟の事を思っていない訳では無いように見えて、色々あるんだなぁって思いました。兄弟だからこそ、許せることと、許せないことがあるようですね。難しそうです。

この2人は、小さな頃から、家庭の事情があって、2人のそれぞれに、恨み言があるようでしたね。だから、喧嘩をすると、簡単には仲直り出来なさそうでした。でも、そこは、やっぱり兄弟だから、いつの間にか、近くによって行く感じがあって、いい兄弟だなって思いました。

遥かなる家

それにしても、今、中国では、開発が進んでしまい、遊牧民も、羊を放牧出来るような場所が無くなってしまったようですね。驚くような風景が、田舎の方にも広がっているということが分かります。遊牧民たちも、草は無い、水は無いで、もう生活が出来ない状態に陥っているようです。中国は、こういう人々が、本当は大切なのだと言う事に、いつ気が付くんでしょうかね。全て無くなってしまったら、その歴史も無くなってしまうのにね。悲しい事です。

遊牧民の生活と、兄弟の確執、そして、中国の変化を、静かに、鋭く描いていて、良い映画だと思いました。風景も美しいし、乾いた砂漠のような大地をラクダに乗って歩く2人の姿は、これから戦士に成長して行くだろう男の姿に見えました。

家在水草丰茂的地方

私は、この映画、お勧めしたいと思います。こういう映画は、中国が上手いですよ。雄大な自然を味方に、人間の姿を美しく描いていて素晴らしいと思います。日本公開、して欲しい映画ですが、どうかなぁ。私は、中国という国の中心部の姿では無く、遊牧民の過酷な生活と自然の美しさを、ぜひ、日本でも紹介して欲しいと思いました。もし、観る機会があったら、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ





東京国際映画祭「遥かなる家」    http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=25