東京国際映画祭2014にて、「メルボルン」コンペティション部門を観ました。3日目の1作目です。
ストーリーは、
アサルとサラは、若いカップル。ふたりは留学のため、間もなくメルボルンへと旅立つ。いよいよ出発のと実となるが、親戚や友人たちがひっきりなしに訪れ、片づけが遅々として進まない。アパートの引き渡しの手続きをしたり、渡航先の知人にスカイプで到着後の段取りについて相談したり、最後の作業をすすめている最中、事件が起こる。思いもよらぬ時代に動揺した2人がとっさに取った行動とは・・・。はたして2人は、このまま旅立つことができるのだろうか、それとも全く違う未来が待っているのであろうか。
というお話です。
この映画、凄い緊張感が持続するんですよ。もう、最初から最後まで、全く目が離せないんです。驚いてしまいました。これほどの迫力を、アパートの部屋一つで描いて行くなんて、恐ろしいと思いました。一見、全く問題の無い引越し風景なんです。もちろん、家族間の問題があったりなかったりはするのですが、大して気になる程のものでは無いんです。だから、このまま、終わってしまうのかな~と思っていると、ある音をきっかけに、ガラッと展開が変わって行きます。全く違う世界が開けてしまうんです。
そして、ある事件か起こるのですが、はっきり言って、2人も、観ている観客も、全く想像していなかった事なんです。それまでのシーンで、チョロチョロ出てきてはいたんですが、お隣の赤ちゃんをあずかったらしいんです。ベビーシッターが、どうしても用事があるからと言って、無理に預けていったようなんです。その子供が、動かない…。
ええ~と思って、色々考えるのですが、2人は、引越しのことで大忙しで、赤ちゃんの事など、かまっていなかったんです。まして、すぐ戻ると言ったベビーシッターが、何時間か戻らない。もう、なにがなんだかわからない状態で、ほとんどパニックに、なったりして、慌てているところに、子供の父親が迎えに来るし、どうなっちゃうんだろう~と頭を抱えたところで、後は、映画をみてくださいね。
とにかく、進め方がとっても上手いんです。スマホや家庭用電話、スカイプなど、電子機器の音が、超上手く使われていて、絶えず、考える時間を遮るんです。そして、その音が、2人を追い詰めていく。メルボルンへ向かう為の飛行機の時間は迫り、空港へ向かわなくてはいけないし、でも、そのまま置いていく訳にもいかない。最初に警察を呼んでおけば、いやいや、子供など預からなければと、堂々巡りの考えばかりが浮かんで、何も思いつかないんです。
いやぁ、マジで良くできていると思いました。監督は、予算があまり無いから、お金のかからない撮影のしかたを考えたとおっしゃっていましたが、それが、上手くはまったんですね。凄いっす。とにかく、この迫力は、他のコンペティション部門の作品より凄いと思いました。あ、間違えた。まだ、全部の作品を観ていないので、ここまでの作品の中でという事なんですけどね。
私は、この映画、超オススメなんですが、日本上映してくれるかな。これは、ぜひ、やるべきだと思うけど、どうかしら。もし、観れる機会があったら、是非、観てみて下さい。本当に面白いです。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
東京国際映画祭「メルボルン」 http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=15