【TIFF2014】「破裂するドリアンの河の記憶」教師が生徒に考えを押し付けてはイケない! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2014にて、「破裂するドリアンの河の記憶」コンペティション部門を観てきました。2日目の3作目です。


ストーリーは、

海辺の町にレアアースのプラントが建設されることになり、住民たちは放射能の影響を恐れ絶望する。高校生のミンは、そんな変化に無関心。彼の関心事は密かに恋心を抱く幼なじみのメイ・アンと午後のひと時をいかに楽しく過ごすかだけ。そんな折、ミンの歴史の教師リムが建設反対のグループを立ち上げる。彼女はお気に入りの生徒フイ・リンを活動に誘う。彼らの理想は試練の時を向かえ、建設が進む中、住民たちの生活を決定的に変えてしまう一連の事件に巻き込まれて行く。

というお話です。


ドリアン

高校生のミンは、結構、裕福な家の育ちのようなのですが、彼が好きな女の子メイ・アンは、とても裕福とは言えない、漁師の娘です。母親が居ないので、弟と妹の世話をして家事もこなしているんです。そんな生活レベルの違う2人ですが、幼なじみで仲が良く、お互いに思い合っているように見えるんです。でも、ある事がきっかけで、メイ・アンは、段々と離れて行ってしまう。ミンは、何とかメイ・アンを引き止めようと、駆け落ちもどきの事を提案し、2人で、メイ・アンのお爺さんが昔住んでいたという山に向かいます。山に行けば、きっと2人は上手く行くと思っているのですが・・・。後は映画を観て下さい。ここまでが、前半です。


ドリアン

後半は、ミンのクラスの先生と生徒の話。リム先生は、レアアースプラントが出来たら、毒が垂れ流されて、街がダメになると思い、反対運動を起こします。最初は、生徒と一緒に、プラカードなどを持って、街を練り歩くだけだったのですが、段々とエスカレートし、建築中の建物の中にイタズラをしたりと、既に、犯罪といれるような事を始めてしまいます。そんな運動の仕方に、協力していた生徒のフイ・リンは、不信感を持ち、協力を拒み始めます。そして、その運動は、もっともっとエスカレートし、最悪の事態を引き起こします。結末は、映画を観て下さいね。ここまでが後半です。

ドリアン

どちらの話にも、レアアース工場の建設が関係していて、マレーシアでは、今、強引な建築などが推し進められているのかなと推測出来ました。一時、日本でも、無理な建築などが推し進められる時代があったと思いますが、同じような事が、今、マレーシアに起きているのかなと思いました。でもね、レアアース工場が、公害を垂れ流したり、放射能汚染をまき散らすとは限らないんですよ。反対するなら、科学的根拠など、色々な証拠を突きつければ良いのに、そういうものが一切ないんです。観ていると、ただ、感情で反対しているようで、それは、良く無いよなぁと思っちゃいました。

ドリアン

特に、リム先生は、学校の先生でしょ。自分の生徒に、自分の思想とか趣向とか、意見を押し付けるのはダメでしょ。生徒が、それぞれに考えて、それぞれの考えで行動するなら解るけど、生徒を先導しちゃダメだよね。それは、教育者になるべき人間では無いです。私も、恥ずかしながら、教員免許を持っているので、こういう先生は絶対に排除すべきだと思います。学校の校長も、なんで直ぐに問題にして、辞めさせないの?子供が洗脳されちゃってるじゃないですか。それは、許されないよ。

ドリアン

そんな、マレーシアで今起こっている出来事を、ミンという男子高校生の目線で見せていて、面白い描き方だなと思いました。ドリアンは、結構、要所要所に使われていて、その使われ方が、考えさせられるものでした。


リム先生とフイ・リンが2人でドリアンを食べる時のセリフが、うーんと考えさせられるものだったかな。リム先生が、家族が良く食べていたドリアンを自分も食べるようになったと言うのですが、フイ・リンが、先生はドリアンが好きなのかと聞くと、答えないんです。私は、好きでは無いけど、家族が食べていたから食べるようになり、何となく、今も食べているけど、好きでは無いんじゃないかと思いました。これって、どんどん変わって行く社会に飲み込まれるしかないってことを描いていたんじゃないかな。考えちゃいました。

ドリアン

この映画、マレーシアの現代を上手く描いているのですが、何となく、二つに分かれていて、ちょっと観にくかったかなと思います。面白いんですけど、ちょっと解りにくい気がしました。俳優さんたちは可愛くて美しいし、良いんですけど、今一つっていう気がしたのは、私だけかな。日本公開は、どうなるかなぁ。でも、マレーシア映画って、珍しいし、もっと沢山、日本で上映してくれても良いですよね。もし、観る機会があったら、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ



ドリアン



東京国際映画祭「破裂するドリアンの河の記憶」   http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=23