「ふしぎな岬の物語」温かい思い出に包まれる岬は居心地は良いけど、やっぱり飛立たないとね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ふしぎな岬の物語」を観てきました。


ストーリーは、

海と花畑に囲まれた心休まる里、その岬の突端にあるカフェ「岬カフェ」には、店主の柏木悦子(吉永小百合)がいれるコーヒーを目当てに里の住人たちが集まってくる。店の隣に住むおいの浩司(阿部寛)は、何でも屋を営みながら悦子を献身的に見守ってきた。そんな穏やかな日々が営まれていたある日、常連客の娘で音信不通だったみどり(竹内結子)が数年ぶりに帰郷するが……。

というお話です。


ふしぎな岬

岬カフェの店主・悦子は、随分昔に夫を亡くして、一人、その岬でコーヒーショップを開いたようでした。悦子の近所には、甥の浩司が住んでいて、いつも悦子を見守ってくれています。浩司は、悦子の姉夫婦の息子であり、姉夫婦が事故で亡くなった後、身寄りも無くなり、悦子が引き取った子なんです。その時から、浩司は悦子を守ると決め、悦子に言い寄る男に暴行を加えてしまう事もあり、一度、刑務所に入るほどの騒ぎになり、浩司は前科者となってしまいました。今は、悦子の店の裏に家を建てて、一人で便利屋のような事をしています。


ふしぎな岬

岬カフェには、不動産屋に勤める常連のタニさん、漁師の徳さんなど、たくさんの人が訪れ、静かな優しい時間を過ごしていました。しかし、いつまでも、同じ時間が続くわけではありません。タニさんは、転勤の辞令が出て大阪に行く事になったり、徳さんは、身体の具合が悪くなり入院する事になります。徳さんの娘・みどりが、ちょうど、東京から逃げかえって来て、父親の面倒を見る事になります。

ふしぎな岬

段々と、色々な事が変わって行き、寂しさを募らせる悦子は、とうとう店で事故を起こしてしまいます。岬カフェは、どうなるのか、それは映画を観て下さいね。

確かに、誰もが最後は一人になってしまうんですよね。親の方が先に死んでしまうし、夫が居れば良いけど、先に逝ってしまう事も多いだろうし、子供も無かったら、ただ、一人になってしまう。一人で最後の時間を過ごすのは寂しいですよね。でも、この映画は、一人じゃないよ、周りに沢山の人が居るから大丈夫だよっていうことを描いています。

ふしぎな岬

この映画の良さは、言葉では書けないなぁ。ありがちな、ほんわか良い映画ごっこ的な感じなのかなって思っていましたが、最後の方に近づくと、この主人公の悦子と言う人が、本当は天使のような女性ではないということが分かって来て、自分に近い人として認識出来るんです。


ふしぎな岬

人間なら、面倒な事は避けたいと思うし、イヤな事もあるだろうし、嫌いな人だっていますよね。吉永さんが演じていると、そんな事は一切無い、天使のような人間に見えてしまっているのですが、ある事が原因で、彼女の本当の心の声が吐き出されて、人間らしい顔が見えて、岬カフェに引き籠っていた=夫の影を追っていたという自分に向き合うんです。そして、彼女が人間として、浩司やみどり、街の人と一緒に生きているのだと安心し、自分の未来を見て、また歩き始めるんだろうなという予感が見える最後でした。

ふしぎな岬

でもね、この映画のように、誰もが、周りの人間と関わりを持って、一緒に生きて行けるかというと、難しいと思います。それぞれに考えもあるだろうし、やっぱり、自分の殻に閉じこもってしまう人も少なくないだろうと思います。きっと、私だって、一人になってしまったら、閉じこもってしまうタイプだと思います。でも、何かの拍子で、もし、人と関わる事が出来て、それがしあわせに繋がったら、ステキでしょうね。だから、ちょっとした事でも、人に相談したり、人と関われるようにしてみる事も、何かの拍子になるかもなって思って、やってみようかなって思いました。

ふしぎな岬

私は、この映画、お勧めしたいと思います。でも、やっぱり、若い人には、ちょっと合わないかな。だって、若い頃は、一人が孤独だとか、怖いとか、そんな事を考えている暇なんて無いでしょ。友達と楽しむことが一杯で、考えている暇なんて無いもん。だから、年配の方にお勧めです。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




ふしぎな岬の物語@ぴあ映画生活



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