舞台「ラストフラワーズ」を観てきました。
ストーリーは、
今から25年前、チンピラだった勝場典明は、一旗揚げようと身重の妻を伴い、東欧のカジノ帝国デルタランドに向かう途中テロリストに襲われ、そこでマッドサイエンティストのサルバドルに妊婦を差し出せば救出してやると言われ、仕方なく差し出す事となる。妻を失ったが、双子の男の子を授かった典明は、日本に帰り、双子の男の子の能力を使い、暴力団として勢力を広げて行く。双子の男の子は、サルバドルにより、遺伝子操作をされ、進化した脳を持っているのだ。そんな勝場組と敵対する在日オンドルスタン系暴力団は、今、オンドルスタンの王となろうとしているシン・ジョンオクの元妻と息子が率いている。二つの暴力団と政府の秘密捜査班、そして、暗殺を請負うラストフラワーズという集団の関わりとは・・・。
というお話です。
パワフルな”大人計画”と豪華な”劇団新感線”がタッグを組んだ舞台です。超笑えるけど、結構、社会問題を切って切って、切りまくる内容で、これ、笑っちゃうけど、笑えないよねぇみたいなところが、いくつかありました。
チンピラが、ある国でテロに襲われ、妻を実験に差し出して助かるというところから始まります。酷いとは思うけど、仕方ないよね。全員殺されるなら、一人差し出して、自分と子供だけでも助かる道を取るというのは、辛いけど正しい選択だと思う。そして、実験材料となり、進化を遂げた息子たちと一緒に、日本に帰国した勝場(チンピラ)は、進化した息子の頭脳により、暴力団として勢力を広げていきます。

進化した息子の軍一郎と軍二郎を阿部さんが演じているのですが、これ、”ふくすけ”という舞台を思い出しました。あの時も、阿部さんが同じような役を演じて、一般の人との違いで苦しむ姿が描かれていたのですが、今回も、人と違うと言う事で、苦労したんだろうなと思われる役でした。
軍一郎は、在日暴力団と抗争していて、歌手のナナナを取り合ってます。在日暴力団のシンは、ナナナを愛人として囲っているのですが、シンの母親でボスのミンスは、許していません。そのナナナは、実は国際未解決捜査班の一員であり、捜査班には、佐伯三蔵というファットダディとしてTVで人気の大家族の父親として有名な男で、彼は、二つの顔を持つ男なんです。
そんな個性的な人々に絡んでくるのが、軍一郎にセックスアンドザシティ金融の取立て屋として雇われた犬塚、昔、有名な歌手だった早川、早川を追っている記者のひかる、などです。あまりにも出てくる人物が多いので、すべて説明しきれないのが悔しいわ。どの役も、それなりに重要で、全てが絡んでくるんです。
私が気にいったのが、松尾さんが演じていたセレスティーノ。超お金持ちなんだけど、奇病に侵されていて、それを治す為に、部下のマッドサイエンティストのサルバドルに人体実験を重ねさせているんですよ。動きが笑えるけど、ちょっと可哀想感があって、面白かったです。
橋本さんは、重要な役を2役演じていて、その役、どう考えても、2役の掛け持ちは無理でしょって思ってたら、やっぱり、途中で、それをネタに使われて、楽しめる場面がありました。録画じゃないんだから、2役の共演なんて出来る訳ないでしょ~!(笑)
他にも、山ほど楽しめるネタが満載なのですが、多過ぎて書けません。観て貰うしかないんです。そして、時事ネタというか、政治的な事をぶった切っている部分もいくつかありました。
まず、海外でテロリストに襲われても、国は助けてくれないって事。集団的自衛権が決まっていないと言う事は、国民がテロリストに拉致されても、手出しが出来ないって事ですよね。助けて貰えないから、自分で取引をするしか無い。だから、この勝場は、妊婦だった妻を差し出した。そして、子供が実験に使われてしまうんです。
次に、日本の暴力団と在日と言われる外国人のギャング組織が対立して、国の治安を脅かす。これも、問題になっていますよね。日本と国交が無い国が、日本の中にビルを持ち、そこを拠点として、色々な工作をしているというのが、そもそも問題なのにねぇ。
そして、ある国が、独裁者により統一されてしまうと言う事。まぁ、現実には、既に、独裁者は3代目に突入しているんだけど、そんなあの国がモデルになっているというのがバレバレな感じが笑えます。そうよねぇ、アホな話よねぇ。
機密情報保護法に関しても、皮肉っていましたよ。あまり詳しくは書けないけどね。他にも色々あったけど、こちらも、多過ぎて、全ては書けません。これも、観てみて下さいね。
最後に、一つ。やっぱり、小池栄子さん、上手い~!峰不二子は、彼女にやって欲しかった。レザースーツ姿が、マジで不二子でしたよぉ。あの胸で、あの素早い動きが出来るのは、彼女しか居ないでしょ。う~ん、残念。
なんか、ラストフラワーズについて、全く書いていないけど、彼らは、秘密結社の殺し屋たちなので、表には出ないんですよ。最後の一花咲かせましょうかって感じかな~。笑えます。この舞台に関しては、ウダウダ書くよりも、観て貰ってなんぼです。この面白さは、伝えられないもん。
超、お勧め舞台でした。チケットを手に入れるのは難しいかも知れませんが、観れるようなら、ぜひ、観てみて欲しいです。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
大人の新感線 ラストフラワーズ
http://www.otonanoshinkansen.com/
公式HPから、御写真をお借りしてしまいました。問題があるようでしたら、直ぐに消去いたしますので、ご連絡下さい。ご迷惑をおかけして、申し訳ありません。
- キレイ 神様と待ち合わせした女 [DVD]/ポニーキャニオン
- ¥7,344
- Amazon.co.jp
- 五右衛門ロック standard edition [DVD]/ヴィレッヂ
- ¥価格不明
- Amazon.co.jp
- 劇団☆新感線 20th CENTURY BOX [DVD]/E!ohibai
- ¥37,028
- Amazon.co.jp