「いのちのコール ~ミセスインガを知っていますか~」を観てきました。
ストーリーは、
私立の女子校教員たまき(安田美沙子)は、猫のインガを連れて婚約者の高志(山口賢貴)と横浜で同居生活を始める。結婚間近の二人は幸福な日々を送っていたが、ある日、たまきはおなかに激痛を感じて婦人科を受診する。結果は子宮頸(けい)がんで、子宮と卵巣の全摘手術になるため子どもは諦めるよう医師に宣言されショックを受ける。
というお話です。
子宮頸がんって、ニュースでも良く取り上げられているし、ワクチンの事なども聞いてはいたんですが、手術を受けた後に、沢山の後遺症がある事や、子宮頸がんになってしまう原因によって、差別があることを初めて知りました。私は、既に40代なので、若い人ほど危険も無いだろうし、子供を産む適齢期でも無いので、もしもの事があっても、彼女たちほどのショックは無いだろうと思いますが、若くして子宮を摘出なんて言われたら、それは、本当にショックだと思いました。
たまきという女性は、これから結婚という時に、子宮頸がんを発病し、子宮の全摘出と言われてしまいます。これからという時に、酷い運命ですよね。神は居るのかと思ってしまうと思う。そして、命を助けるために、手術を受ける事になります。普通なら、ここで、子供は作れなくなるけど、でも、その後の人生は、平穏に続けて行くことが出来ると思うでしょ。でも、違うのよ。
この病気の酷いところは、手術の後の後遺症が、結構、沢山あるって言う事なんです。驚きました。全然、知りませんでした。まず、尿意を感じる事が出来なくなるそうなんです。だから、時間を決めてお手洗いにいくか、大人のおむつをするそうなんです。女性にとって、そういう事って、すごく辛いですよね。
それから、足がむくんで、歩けなくなること。手術からしばらくすると、随分、良くなるそうなんですが、激しい運動などは、難しいのかなと思いました。そんな事が、いくつも出てくると、段々と気持ちも沈んでいきますよね。精神的に落ち込んだりして、うつ状態になりやすいようでした。
”がん”と言っても、色々あって、早期に発見すれば、本当に2週間くらいで復帰出来るようなものから、何年も苦しまなければならないものもあり、この子宮頸がんは、長い時間、苦しむタイプのがんなんです。身体の苦しみが続くと、精神も病んできてしまい、悪循環が続いてしまうんです。それって、本人にとっては、生きる為に手術したのに、死んだ方がましだと思ってしまうと思います。もちろん、私がそうなっても、そう思うと思う。でもね、その辛さを、誰に話しても解って貰えないんですよね。
そんな辛い時に、この主人公のたまきは、ラジオ局に電話をして、苦しみをDJのマユミに話始めます。DJマユミは、たまきが自殺を考えていると言う事に気が付き、なんとか電話を長引かせようと試みるのですが、あまり長続きせず、途中で切れてしまいます。
DJマユミは、たまきにもう一度、電話をかけてくれるように呼びかけ、ラジオで、子宮頸がんによって苦しんだ女性たちの声を集めて放送し、その理解を広め、あなた一人じゃないということを、必死でアピールし続けます。たまきからの電話はかかってくるのか、たまきを助ける事は出来るのか、それは、映画を観て下さいね。
私、この映画で、子宮頸がんというがんが、どういうものなのかと言う事を、色々知る事が出来ました。何人もの男性とSEXしたからって、なる病気じゃないんですよ。たまたま、一人の人でも、それが、ご主人でも、なる人はなるんです。遊んだからなる病気じゃないですからね。
この病気は、ワクチンで予防する事が出来るんです。若い頃になりやすい病気なので、若い頃にワクチンを打つことが大切なようですが、今、問題になっている、ワクチンの副作用はどうなんだろう。ワクチンの副作用ではないと言っていますが、心配ですよね。でも、思うに、ワクチンを打たなければ、もっと辛い病気になるかも知れない訳だし、副作用は、本当に限られた一部の人にだけ出ているようですし、出来れば、ワクチンを打つことをお勧めしたいな。やっぱり、止められるなら、止めた方が良いと思うんです。
最後に、映画としての感想ですが、最初の20分くらいの、たまきががんに侵され、手術を行うまでのところが、まるで、自動車教習所の教育ビデオのようで、とても違和感がありました。このレベルで最後まで行くなら、観続けるのが辛いなぁと思ったら、DJマユミ(室井さん)が出てくる辺りから、とても上手く回り始め、良い内容になりました。申し訳ないけど、安田さんは、とっても可愛いけど、演技は難しいかな。それ以外は、観るに値する映画だったと思います。
この映画を観て、ぜひ、子宮頸がんというものが、どんな”がん”なのか、知るべきだと思いました。私、本当に、若い頃にならなくて良かった。もちろん、これからも子宮検診は毎年やるつもりです。病気は、いつ襲ってくるか解らないし、気を付けるに越したことはありません。身体は大切にしましょう。そして、もし、病気が襲って来たら、開き直って、正面から対決して行くしかありません。受け容れて、上手く付き合っていくしかないんです。

私は、この映画、お勧めしたいと思います。女性は、ぜひぜひ、観て欲しい。子宮は、男性には無い臓器であり、子供を産むための大切な部分です。それについて、知っていて、損はありません。そして、男性は、子宮頸がんという病気に理解を持って欲しいです。ぜひ、観てみて下さいね。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S : インガというのは、ネコの名前です。たまきが可愛がっていた猫なんです。
・いのちのコール~ミセス インガを知っていますか~@ぴあ映画生活