「思い出のマーニー」美しい思い出の中に、優しい記憶が残されていた。それはパンドラの箱。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「思い出のマーニー」の試写会に行ってきました。近所のシネコンでの試写だったのですが、満杯でした。一番大きなスクリーンに、試写会で満席って、凄い事です。私は1人で行ったのですが、全員が2人で来たら、絶対に入れなかったよねぇ。ビックリでした。


ストーリーは、

少女杏奈は自分の殻に閉じこもったまま、海沿いの村にある誰もいない屋敷で暮らしていた。そんなある日、彼女の前に青い窓に閉じ込められた、きれいなブロンドの少女マーニーが姿を見せる。その出会い以来、杏奈の身の回りでは立て続けに奇妙な出来事が起きるようになるが、それは二人だけの秘密だった。

というお話です。


マーニー

アンナ(杏奈)は、あまり描かれていませんが、親を亡くし、施設に入って、今の家に引き取られたらしいんです。でも、新しい生活に馴染めずに、自分の殻に閉じこもってしまっていて、喘息もあり、学校でも、一人ぼっち。心配した医者と母親は、海沿いの田舎の空気の良い親戚の家にアンナを静養に送ります。

アンナは、田舎に送られ、やっぱり私は厄介者?というような気持ちになり、そこでも周りに馴染めずに、一人、寂しく、風景のスケッチに出かけます。すると、干潟の向こうに、美しい西洋館がある事に気が付き、つい、近づいて、敷地内に入って、家の中を覗きます。家の中には、何も無く、人が住んでいない様子。仕方なく、家に帰るのですが、帰る途中で、その屋敷に明かりが灯るのを見た気がします。

マーニー

ある日、七夕祭りの日に、友達と喧嘩したアンナは、一人、寂しく海沿いの干潟にやってきます。すると、手漕ぎボートが置いてあるのに気が付き、それで西洋館に再度行ってみる事にします。すると、そこにはブロンドの髪のマーニーという少女が待っていて、アンナに話しかけます。夢で見た少女にそっくりのマーニーに驚いたアンナでしたが、直ぐに親しくなり、楽しいひと時を過ごします。

でも、気が付くと、マーニーは居なくなっていて、アンナは、また一人。そんな事が何度か続き、アンナは、マーニーとは何者なのか。何故、自分にしか見えないのかと、不思議に思い始めます。そんな時、西洋館に行ってみると、改築工事が始まっており、そこに住む女の子が、アンナに、「アナタはマーニーなの?」と話かけます。え??私は、アンナだし、なんでマーニーを知っているの?アンナの疑問は大きくなり、そして、マーニーとの別れの時が・・・。謎は、映画を観て、確認してくださいね。

マーニー

この映画は、ジブリのアニメですが、子供向けとは言いにくいんじゃないかと思いました。大人なら、このアンナの気持ちや、周りの大人の気持ちも解りますが、子供には、無理だと思うんです。大人が、自分の子供の頃の事を思い出したり、自分が子供を育てて思ったりしたことを、この映画に重ね合わせて感動するっていう感じの話なので、子供が見ても、あれは夢だったのぉ?ねえねえ、マーニーはどこに行っちゃったの?って聞かれて終わりになりそうな気がするんです。

マーニー

試写をしていても、子供が途中で耐えられなくなったような様子が見られて、”やっぱりなぁ~。”みたいな気がしました。大人には良いと書きましたが、アンナの気持ちに寄り添ったり、アンナの母親の気持ちに寄り添ったり出来ないと、やっぱり、眠くなるようでした。大きな鼻息が聞こえたもん。(笑)

私は、アンナの数奇な運命に驚いたのと、なんで誰も知らなかったの?って思ったりして、色々、考えてしまいました。子供の頃って、一度、親がウザいとか、友達ってウザいって思ってしまうと、どんどん馴染めなくなって行くんですよね。冷めた目で見てしまうんです。だから、バカな事でも仲良く一緒にやれるほど大人の精神になっていれば良いんですが、まだまだ、子供だから、孤立してしまうんです。それが虐めに繋がる要因になる事もあると思います。

マーニー

そんな子供を、あまりに心配して、親がべったりくっついたりすると、それもウザいんですよね。子供は、今、子供の心と大人の心の中間に居る状態ですから、”子供みたいな事言ってないで、バカなガキに合わせてやる位の気持ちで付き合ってやりなよ。”って言ってやればいいんです。大人と大人としての対応をしてあげる事も大切だと思いました。そして、子供が、自分だけが大人の領域に一歩入ったんだと言う事に気が付いたら、一皮剥けて、孤独感に苛まれる事も無くなると思います。視野が広がるんです。

マーニー

子供の心の変化を繊細に描いた、とても良い作品だと思います。誰の心にも、マーニーと呼べる存在があるのではないでしょうか。思い出の中に、自分の味方をしてくれる女の子や男の子が居て、彼らの存在が、自分の孤独感を癒して、大人への一歩踏み出す勇気を与えてくれる。大人になっても、自分の後押しをしてくれた友達を、大切に心にしまってあるでしょ。それが、マンガのキャラクターだったり、小説の主人公だったり、映画のヒーローだったり、みんな、大切よね。懐かしい気持ちを思い出させてくれる映画でした。


最後に、声がとても合っていて良かったです。アンナとマーニーの声、とっても上手いと思いました。姿と声があって、アンナとマーニーが出来上がっています。楽しみにしてくださいね。

マーニー

私は、とってもお勧めしたい映画かな。でも、書いたように、あまり子供には受けないかも知れません。大人が感動する映画です。ジブリだからと言って、子供用と思わないでくださいね。でも、小学校高学年なら、この気持ちが解るかも知れません。観た後に、気持ち良くなると思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




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