フランス映画祭3日目、フランス映画祭9作目は、「俳優探偵ジャン」です。
ストーリーは、
かつては将来有望な新進俳優と目されたものの、何かと演技論を吹っかける性格が災いし、40歳になった今では大した仕事も来なくなってしまったジャン。妻子と別れ、金にも困っているジャンは職業相談所から奇妙な仕事を勧められる。それは殺人事件の現場検証で死体を演じるというものだった。アルプスのスキー・リゾートの町ムジェーブに赴いたジャンは、早速この新しい仕事を始める。事件を担当するのは女性捜査官のノエミ。だが、ノエミの状況分析に疑念を抱いたジャンは、真犯人は他にいるのではないかと思い始める......。
というお話です。
この映画、面白かったなぁ。TVの連続ドラマとかで、この俳優探偵っていうのを使ったら、人気が出そうです。だって、とっても理に適っているんですもん。警察の実況見分をする時に、被害者役をやる俳優なんですけど、実際に俳優がやれば、その役に感情移入するだろうし、その状況だったら、普通、人間がどういう行動に出るかということが、とても良く解ると思うんです。だから、この被害者役の俳優のジャンは、その状況がありえないから、嘘だっていうことが、解っちゃうんです。
フランスでは、こういう実況見分に俳優を使うということがあるそうで、監督がおっしゃるには、以前、新聞を読んでいて、被害者の役を演じる俳優さんのインタビューらしきものがあって、面白いと思い、それを題材にしてみたとの事でした。面白いですよね。
昔は有名だった俳優ジャン。今は、俳優の仕事も来なくなり、俳優の職業安定所通いを続けています。ある日、職安で、他の俳優がキャンセルになった、実況見分の被害者役の仕事があると言われ、背に腹は変えられずに、引き受けることに。
現場のアルプスの町に行く途中、ちょっとステキな女性を見つけ、話しかけたジャンですが、相手にされず、そのまま現場へ向かうと、現場で、その女性と鉢合わせすることに。その女性ノエミは、捜査官であり、ジャンが被害者役をやる事件の捜査をする為に来たのでした。
この事件は、殺人事件で、町の有力者が2人殺されたというものです。事件の検分をしていると、捕まった犯人には出来ない位置の殺人だったり、明らかに反撃を受けているはずの位置だったりするんです。どうも、この事件はおかしいことばかりだと訴えるジョンですが、ノエミは、その話を聞こうとしません。しかし、再度、一つ一つ、辿っていくと、やはり、おかしいということが彼女にも解り、二人は、捜査と分析をこっそりやり始めます。
捜査を進めると、殺された人間に怨みのある人間が関係者の中にも居ることがわかり、二人は、証拠を見つけるために奔走します。謎解きは、映画を観て下さいね。簡単に謎が解けるとは思わない方が良いと思いますよ。2転3転しますので、お楽しみにね。
とにかく、この設定自体が、とても面白いと思ったので、これ、シリーズ化して欲しいと思ったほどです。だって、被害者役を演じる役者が居るなんて、すっごく面白いと思いませんか?それにこの映画で驚いたのは、俳優専門の職業安定所があるって事。フランスにはあるそうです。俳優専門と言うか、舞台俳優やパフォーマーなどに仕事を斡旋しているようです。そういうのって、良いですよね。

でね、全体的に、ガツガツしていなくて、ちょっとゆるい感じなところが、とっても、現代の感覚に合っていると思ったんです。もちろん、ガツガツした警察ドラマも好きだけど、ちょっとゆるめな感じで、事件を解決して行くってのも、ちょっと良いでしょ。笑えるし、楽しいし、でも、ちょっとドキドキしたり、ハラハラしたり、ラブロマンスもあったりで、本当に楽しめる作品でした。
ちょっと文句を言わせてもらうと、邦題の「俳優探偵ジョン」って、そのままやんっ!って思っちゃって、もう少し、捻って欲しかったな。(笑)
私は、この映画、超お勧めしたいんですけど、日本公開は、まだ、決まっていないようです。これ、公開して欲しいなぁ。もし、公開が無くても、日本で、この設定でドラマ作って欲しいなぁ。これ、絶対に面白いと思うんだけどね。毎週、事件を解決して欲しいっす。そうそう、ちょっと時間が遅めのドラマとかで、ゆるーくやって欲しい!もっと、観たくなる作品です。ぜひ、公開したら観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
http://unifrance.jp/festival/2014/films/04.html