「カニバル」レクター博士のスペイン版かと思ったけど、それほど魅力的は無いかな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「カニバル」を観てきました。


ストーリーは、

スペイン、グラナダのアパートで一人で生活している仕立て屋のカルロス(アントニオ・デ・ラ・トレ)。紳士然とした彼だったが、その正体は美女を拉致しては人里離れた山荘でバラバラにし、その肉を食すという連続殺人鬼だった。そんなある日、彼は行方不明となった双子の妹を捜し出すために東欧からスペインに来たというニーナ(オリンピア・メリンテ)と知り合う。彼女の美しさに殺人と食人の衝動に突き動かされる一方で、カルロスは愛というこれまでに知らなかった感情にも支配されてしまう。

というお話です。


カニバル

人肉を食べるって事で、レクター博士みたいに、天才的な頭脳で、悪を振りまいてくれるのではないかと思って、期待して行ったんですけど、食肉の部分には、あんまり焦点が合っていなくて、女性との関係性が変わって行くところが中心で、あんまり、人肉を食べるカルロスは、魅力的ではありませんでした。それほど、頭が良さそうでも無かったし、なんで捕まらないのかなぁと不思議でした。

カルロスは、生真面目な仕立て屋を一人で営んでいて、結婚もしておらず、一人でアパートに住んでいます。時折、会いに行く女性が居るのですが、母親かと思いきや、彼の言動からすると、母親では無いようで、その関係は、ハッキリ解らずじまいでした。父親の話を2人でしていたので、継母だったのかな。でも、どーも、彼女の言葉から、彼女は、カルロスの性癖を知っているような感じでした。

カニバル

カルロスは、女性に愛を感じず、獲物としてしか見ていなかったのではないかと思います。私たちが、牛や豚の肉を買って来て冷蔵庫に保管すると同じように、自分で獲物を捕らえて、カットをして、パックして冷蔵庫へ入れるという、ただ、肉の素材が違うだけなんです。まぁ、それが問題でしと言えば、確かに、人間を食べるって、ダメじゃんって思うのですが、あまりにも淡々と、肉を扱っているので、”あれ?人肉だっけ?”って思ってしまうほどなんです。

カニバル

そんな彼が、ある日、自分のアパートの上の階に居るニーナとの関わりを経て、彼女に愛を感じ始めてしまうんです。実は、ニーナは、以前に彼が殺した女性の姉で、妹を探しに来たんです。カルロスは、自分の殺人が見つかっては困るので、彼女に協力をしているように見せながら、彼女の捜査を妨害するんです。そんな事は知らずに、ニーナはカルロスに頼り、カルロスの誠実な姿に好意を持っていきます。

カルロスは、ニーナの人を疑わない、素直な性格に惹かれ、段々と愛を感じて行きます。そして、もしかして、自分にも、普通の男性のような、普通の生活も出来るのではないかと思い始めます。と言う事は、本当は、彼も、人肉を食べるのがイヤだったのかな?と思ったりもするのですが、彼が人肉を食べる事になった理由が一切描かれておらず、まして、いつから人肉を食べているのかも判らないので、なんとも、モヤモヤしたまま、最後まで突っ走ることになってしまいます。

カニバル

途中で、彼の過去の話が少しだけ出て、彼の父親も仕立て屋をしていて、それを継いで、彼も仕立て屋になったようなんです。母親かと思った女性も仕立て屋の手伝いをしていることが解ります。ある日、上流の客の紹介で、マリア像のマントの仕立て直しを教会から頼まれ、普通なら断る仕事だけど、新しい事をしてみたいと思って、この仕事を引き受ける事にするんです。新しい事をやると言う事、そして、父親なら断るだろうというセリフがあり、もしかして、人肉を食べるのも、彼の家の伝統なのかなとも思えました。でも、全く、説明が無いので、私の想像の限りです。

カニバル

そんな、モヤモヤ~っとした感じで、最後まで行ってしまい、ラストもモヤモヤ~と終わってしまうので、これ、自分で想像して楽しまないと、スッキリしない話だなぁと思いました。確かに、映像とか、構成とかは、ちょっとクラシックっぽくて、レトロな感じで、映画祭などでは、評価されたのかも知れないけど、観終わって、モヤモヤしているのは、イヤだよね。

カニバル

私は、この映画、あまりお勧めは出来ません。だって、スッキリしないんですもん。それに、カニバルというなら、もっと、残酷に人肉を食べるシーンとか無いと、”カニバリズム”という感じがしません。白っぽい肉を、ただ、上品に食べるだけなら、それ豚肉?って思えば、全く普通の人だし、全然、狂気が見えません。レクター博士が、あまりにも魅力的だったので、私には、感動がありませんでした。ああー、”肉”っていう映画を観たかったなぁ。あちらは、マジでスプラッターなのかな。その方が面白そう。もし、気になったら、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ


P.S : 最後に一つだけ。カルロスの胸毛が凄いのよっ!気持ち悪いほど、ワサワサなの。擦ったら、全面、アリンコが出来そうなんです。もー、サウナに入っている場面で、剃りに行きたかったわ。気持ちワルイから~!!




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