【舞台】「怪談 にせ皿屋敷」欲に目が眩んだ人間に、その生死を左右された可哀想なお菊と播磨。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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先日(21日)、舞台「怪談 にせ皿屋敷」を観てきました。


ストーリーは、

昔、昔の江戸時代、とある所に直参旗本、青山播磨のお屋敷があり、播磨は当代きっての悪徳旗本。遊び放題、金使い放題。御用金横領の大悪事を密かに働いているという始末。年中悪い噂が絶えない播磨の屋敷では、家宝の皿を割ったと、女中のお菊を罵る言葉が聞こえてくる。だが本当に皿を割ったのは同じ女中の小春。唯一お菊に優しかった小春は、今までの恩と引換に自分の罪をお菊に罪を被ってくれと無理強いする。

一方、天下の公儀お目付役(陳内 将)が、御用金横領をかぎつけ、播磨の身辺を探り出す。捜査の目を欺く為に策を練るは、家老の山岸次郎佐衛門(山崎銀之丞)、彦兵衛、そしてもう一人、謎の協力者、園部上総之介(馬場徹)。三人が播磨に進言した妙案は、幽霊話で世間を欺かんとする、ひとつの「物語」。 創り話で人心を欺くという魔力に魅せられ、幽霊となる女を切り殺し、井戸に投げ込むことを想いながら悦にいる播磨。園部の陰謀に乗っかって青山の屋敷は大騒動。さて、バカ殿播磨とうすのろ女中お菊の運命は。

というお話です。


皿屋敷


実は、この舞台、観に行く予定が無かったのですが、ひょんな事からチケットが手に入り、観る事が出来るようになりました。公演が5日間しか無かったので、時間を合わせるのが難しいかなと思って、予定に入れていなかったんです。でも、たまたま、上手くいって、観劇出来る事に!嬉しかったなぁ。


突然に観に行くことになったので、あまり前情報も入れずに行ってみたのですが、これ、超面白かったです。劇団朱雀(早乙女くんのご家族の劇団)が中心なのかな。早乙女くんが播磨役を怪演し、周りにも、結構、若手の元気な役者さんが集まっていて、アドリブも多く、ダンスやアクションなどもふんだんに入っていて、最初から最後まで、まるで、客席も一体になって楽しめるというような内容になっていました。これ程、若手が多いのに、あれだけのアドリブをかませるのは、素晴らしいです。さすが、子供の頃から舞台に立っている早乙女くんだと思いました。


皿屋敷

2時間半ほどの内容を、一気に上演するんです。体力勝負ですよね。途中でダンスもあるし、殺陣もあるし、これ、本当に、身体を作って、若くなくちゃ出来ないだろうって思っちゃいました。観ているこちらの方が、息切れしそうでしたよ。(笑)


内容は、あの「番町皿屋敷」という怪談をアレンジし、実は作られた話だったというお話になっています。横領した銀を隠す為に怪談話をでっち上げ、誰もが、銀を隠した井戸を怖くて開けないようにするというものです。その為には、怨みを持った話が必要で、そこで、皿を一枚割ったお菊を殺して、井戸に投げ入れ、お菊の怨みをかってしまうという話にしようとまとめます。


皿屋敷

お菊にしてみれば、小春の身代わりになった上に、命まで取られるなんて割に合わないと思うんだけど、彼女は、ずーっと周りに虐められ、不遇な人生を歩んできたので、それほど殺される事に怒りを感じないのですが、極悪旗本の役の播磨は、お菊が可哀想に思い、殺すのを辞めてしまいます。助かったと思ったお菊ですが、実は、もっと悪い事を考えている園部に、無残に殺されてしまいます。


幽霊となったお菊は、成仏出来ずに、井戸の周りで彷徨い、播磨は、横領した銀を守る為に、お菊に取りつかれて気が狂った演技を続け、公儀の目を反らす事に。しかし、公儀の手は、井戸に近づき、播磨はそれを阻止する事が出来るのか。そして、播磨より極悪の園部は、何を企んでいるのか。結末は、DVDが出るそうなので、それを観て欲しいな。超笑えて、面白いですよ。


皿屋敷

播磨っていう旗本は、実は、前の殿様のめかけ腹で、母親は遊女だったらしいんです。だから、播磨は、子供の頃から虐められて、悲しい育ち方をしています。バカ殿を演じているけど、本当は、心の温かい、優しい殿様なんですが、子供の頃の事が、彼を狂った行動に引っ張っているんです。可哀想でしょ。そんな播磨が、ただ一人、素直に話が出来るようになるのが、このお菊。しかし、既にお菊は殺されているのに、どーして播磨と関わってんの?って思うでしょ。そこも、舞台を観て確認してくださいね。ここ辺りも、ちょっと笑えます。


皿屋敷

早乙女くんや、馬場さんについては、もう、言う事が無いです。だって、もう、頭を張って行ける方達なので、私のような素人が評価なんてトンデモナイ。とにかく、満足の行く舞台を観せて頂きました。山本美月さんは、初めての舞台だったので、やっぱり、たどたどしさは否めません。素晴らしいとは言えませんが、でも、オーラを持った女優さんなので、これから、舞台を重ねて行けば、きっと、素晴らしくなって行くと思いますよ。今回は、周りの俳優さんたちが完璧なので、それに守られ、醜かったお菊と美しいお菊を、一生懸命演じられていました。これからの彼女次第で、楽しませてくれる女優さんになるんじゃないかな。これからは、背が高くて美しい女優さんの方が、男性も大きくなっているので、舞台上ではバランスが良いんですよね。楽しみです。


皿屋敷

そうそう、早乙女くんの弟さん友貴さんも、飛び入りで出演されました。ダンスも凄かったし、面白かったよぉ。


なんか、この舞台、5日では勿体無いですね。もっと、沢山の人に観て貰いたいような舞台でした。私がチケットを購入していなかったのも、あまり宣伝が無かったし、情報が少なかったので、予定が合わせられなかったの。もっと、舞台の時間とか、こんな人が、こんな事をやる予定なんですよ~って、色々な所で紹介されていれば、ワクワクして、直ぐにチケットを買っていたと思うんです。とっても残念~。こんなに楽しい舞台なら、観たい人、もっと居たと思うなぁ~。

皿屋敷

ウダウダ言っていても、明日(23日)で舞台が終わってしまうので、仕方ないですね。DVDが販売されるそうなので、もし、気になったら、DVDを観てみて下さい。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ



P.S : 思ったんですけど、すごく後ろの方に、ちょっとだけ席が空いていたので、こういう席って、当日券で高校生とかに、超安く売ってあげたらどうなんでしょ。友貴さんのラップなどを観ていて思ったんですけど、生でダンスとか演劇を観れば、若い子の可能性って広がるでしょ。東京国際映画祭でも、当日券を学生に500円で売るんだけど、さすがに500円は安いから、せめて、1500円~2000円くらいでどうかなぁ。映画を観るより、ちょっと高いくらいなら、頑張って見に来るんじゃないかしら。営業的な事があるから、簡単には出来ないだろうけど、でも、もし、出来たら、下らない遊びなんかより、こういう良いものを観て、心の栄養にする事って、人間としての成長に大切なんじゃないかと思うんです。ネットで画面の中のものばかりでは無く、やっぱり、生の素晴らしさを知って欲しいよ。




「怪談 にせ皿屋敷」   http://www.rup.co.jp/information/nisesara.html