「ダーク・ブラッド」リバー・フェニックスの遺作が蘇える。その存在は色褪せない。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「ダーク・ブラッド」を観てきました。


ストーリーは、

妻が亡くなり、以前核実験場だった砂漠に居住する孤独な青年ボーイ(リヴァー・フェニックス)のところに、ある日、ハリー(ジョナサン・プライス)とバフィー(ジュディ・デイヴィス)夫婦がやって来る。車のアクシデントで、身動きが取れなくなった彼らはボーイを頼るが、ボーイは美しいバフィーに対し、次第に心を寄せるようになる。

というお話です。


ダークブラッド

撮影途中で、リヴァー・フェニックスが亡くなってしまったので、撮影が出来ていない部分が多数あったのですが、その部分の説明を監督がナレーションで説明し、話を繋げています。それほど不自然では無く、良く出来ていて、監督に根性があれば、こんな風に完成する事が出来るんだなという作品だと思います。ハッキリ言って、そりゃ、ちゃんと、全ての撮影が出来ていれば、もっともっと素晴らしい作品になったと思いますが、今出来る限りの努力をして、リヴァー・フェニックスの姿を届けてくれたと思うと、それだけで感謝です。

ダークブラッド

核実験場となった砂漠の近くに住むホピ族の女性と結婚したボーイ=リヴァー・フェニックスは、妻をガンで亡くし(放射線の影響と考えられる。)、一人寂しく、砂漠の中で暮らしています。そんな彼の家に、ある夫婦が訪ねてきます。

夫婦は、ハリウッドで活躍する俳優夫婦で、ラスベガスには飽きたから他の所に息抜きに行きたいと言う事で、砂漠をドライブしていました。しかし、途中で車が壊れ、甘く考えていた2人は、窮地に立たされます。そんな時に、ボーイの家の灯りを見つけ、訪ねてきたのでした。

ダークブラッド

ボーイは、親切に、2人を家に泊めて、次の日、町まで送って行くのですが、車が直せるような大きな町までは、何十キロもあるので、近くの町に連れて行き、また、戻って来てしまいます。2人は、何とか、車を直せる町まで乗せて行ってくれと頼むのですが、ボーイの返事はのらりくらりで、いつまでも送ってくれる気配がありません。その上、ボーイは、夫妻の妻のバフィーに気があるようで、段々と、夫婦を襲うのではないかというような気配を漂わせてきます。

ダークブラッド

この話で重要なのは、ホピ族という原住民族を犠牲にして核実験を行い、ホピ族の妻が死に、夫の白人の男性が壊れてしまうということ。核実験は、白人が勝手に行い、ホピ族に被害が出たのに、その責任を白人が全く取っていないと言う事。大きな事件だけど、既に忘れ去られている事実であり、今、また、個人的な話で、勝手な白人のせいで、ホピ族の関係の男性が被害を受けるという話です。

もっと、解り合って、話しあっていれば、被害は起きなかったのに、ただただ、相手を疑い、優しい気持ちを忘れていた為に、そこに、事件が起きてしまうんです。あまり詳しくは書けないけど、この話は、ただ、ホラー的な感じで見て、表面だけしか見ないと、全然、理解が出来ないと思いました。

ダークブラッド

今、日本が、福島の原発事故で苦しんでいる事と同じなんです。リヴァー・フェニックス演じるボーイは、福島に住んでいて、家族が死に、それでも一人で福島で頑張っている男性と重なります。そこに、東京から来た、東電の職員家族が、やりたい邦題して、何をしてくれとか、どうして欲しいとか、色々文句を言っているのと同じなんです。自分たちが事故を起こしたのに、こんなところに来たくなかったみたいな事を言っているように見えて、もう、やるせない気持ちで一杯になりました。

ただの、サスペンス映画では無いんです。今の日本人なら、この映画の意味が解ると思います。核実験で被害を出したのは白人のせいだし、責任を取れと言っても出来ないとは思いますが、それでも頑張っている現地の人に追い打ちをかけるような事をするのは、あまりにも酷いでしょ。

ダークブラッド

この映画、リヴァー・フェニックスの遺作と言う事でも、大切だけど、それよりも、今、日本で起こっている事件と重ねて、自分たちが何をしなくてはいけないのかという事を考えるべきだと思いました。事件が忘れ去られるほどの時間が経っても、その場所で、被害に苦しんでいる人が残っている事を忘れてはいけないし、二度と、同じ事を起こしてはいけないと言う事を、心に止めておかなければ、いけないんです。なんで、そういう重要な事を宣伝に盛り込まなかったのか、不思議です。

もう、上映しているところがほとんど無いと思いますが、DVDで発売されたら、ぜひ観て欲しいと思います。考えさせられる部分が多いですよ。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ





ダーク・ブラッド@ぴあ映画生活



スタンド・バイ・ミー コレクターズ・エディション [DVD]/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
¥1,523
Amazon.co.jp

10周忌追悼写真集 リヴァー・フェニックスの伝説/近代映画社
¥2,484
Amazon.co.jp

マイ・プライベート・アイダホ [DVD]/角川映画
¥1,890
Amazon.co.jp