「春を背負って」の試写会に連れて行ってもらいました。
ストーリーは、
立山連峰で暮らしてきた長嶺亨(松山ケンイチ)は、山小屋を経営する厳しい父・勇夫(小林薫)に反発し都会で暮らしていたが、父が亡くなったため帰郷する。そこで気丈に振る舞う母やその姿を見つめる山の仲間、遭難寸前で父に救われ今は山小屋で働く高澤愛(蒼井優)らと接するうち、組織の歯車として働く今の生活を捨て山小屋を継ぐと決める。
というお話です。
山小屋を経営する父親が急死し、息子の亨は、東京でのディーラーの仕事を辞めて、山小屋を継ぐ決心をします。映像を見ると、亨は、外資系の投資銀行に勤めて居たようで、大きなお金を動かしていたようでした。そのまま残っていれば、結構、良い位置にまで登っていたんじゃないかな。でも、ディーラーっていう仕事は、すごいストレスだと思うから、山小屋の経営者の方が、人間として生きて行くには、良いのかも知れませんね。でも、私には出来ないけど。(笑)
父親の後を継ぎ、山小屋の経営を始めた亨ですが、初めての事ばかりで、愛ちゃん(蒼井さん)に手伝ってもらいながら、色々と覚えて行きます。そして、亨を支えるゴロさん(豊川さん)も手伝いに加わり、山小屋は、段々と軌道に乗って行きます。
内容としては、それほど、難しい話では無く、山の美しさとか、自然が人間に与えてくれる苦難と幸せを描いていて、何がどうなるとか、何を訴えているとか、そういう面倒な事より、自然の中の人間を見て、気持ち良くなるような映画です。だから、感想と言っても、観ていて気持ち良くなりますよとしか伝えられないんですよ。
内容は、ただ、山の生活を淡々と描いているので、とにかく、ネタバレも何も無いんですよ。山に登ってくる人の世話をする山小屋の生活で、夏だけ山小屋をやって、冬は、山が閉鎖されるので、母親のやっている民宿を手伝っているんです。それを、毎年繰り返しなんです。時々、無茶をする登山者が居たりするけど、それほど、変わらない日常がずーっと続くんで、途中、ちょっと眠くなります。
これ、感想が無いよぉ~。(笑)だって、美しい映像と、気持ち良い空気としか、書きようが無いんですもん。困っちゃう。参ったなぁ。
でも、一つだけ、どうしてもダメだぁ~って思った場面がありました。亨と愛が、何故か、手をとって、くるくる回る場面があるのですが、なんか、古いメロドラマか、韓国の安いドラマのように見えて、どうしても、笑ってしまい、その後、ゲンナリしてしまいました。この場面だけは、辞めて欲しかった。それまでの美しかった山の場面や、沢山の人の努力などが、すべて、この場面でぶち壊しになってしまうようで、もう、”おお~いい!!”って叫びたくなりました。これはダメでしょ。この場面を見てしまうと、もう一度観てみたいという気が削がれます。
山が好きな人には、この映画、とっても良いんじゃないかな。映画を観ながら、一緒に山に登っているような気持ちが味わえます。でも、私は、山登りとか嫌いなので、ちょっとダメでした。キレイな風景は観たいけど、山を登るという行為が嫌いなんです。ヘリコプターで一気に山頂に連れて行って貰いたいタイプなので、一生懸命登る気持ちって、解らないんです。う~ん、残念。
私は、この映画、雰囲気を味わう環境映画のような気持ちで観るならば良いかなと思います。話に期待しないでください。何も起こりませんので。でも、山のすがすがしい気持ち良さは、味わえると思いますよ。アクション映画や、サスペンスが好きな方には、ちょっと、合わないかと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・春を背負って@ぴあ映画生活
- 春を背負って (文春文庫)/文藝春秋
- ¥637
- Amazon.co.jp