「ぼくたちの家族」を観てきました。
ストーリーは、
重度の物忘れにより病院で検査を受けた玲子(原田美枝子)は、末期の脳腫瘍で余命1週間と宣告される。そして認知症のような状態になった玲子は、それまで話すことのなかった家族への本音をぶちまけ、長男・浩介(妻夫木聡)、次男・俊平(池松壮亮)、夫・克明(長塚京三)はうろたえてしまう。やがて経済破綻や家庭内不信など、ごく普通の家族に隠されていた問題が明るみに出てきて……。
というお話です。
最初、ステキな家族なのかなって思うんですけど、あれ、見た目と全然違うのかなということが、解ってくるんです。父親は、自分で会社をやっていて、エラそうに社長を気取っているんですけど、お金に関して、全くダメなんです。クズって奴です。バブルを忘れられずに、同じように生きているオッサン。身の程を知らないと、ただ、消えゆくのみって事が解って無いんです。こういう人、居るんですよねぇ。実際に、何人も知っています。オレがオレがって言う奴、オレは社長だ!とか言っちゃう奴、マジでアホです。クズですから。能ある鷹は爪を隠すと言うでしょ。利口な人は、決して、驕ることはありません。
という訳で、父親がクズと解り、母親は可哀想だなって思ったら、本当に可哀想で、病気になってしまいます。それも、脳腫瘍で、余命1週間と言われます。とんでもないでしょ。もう、父親は、あたふたするばかり。そして、長男の浩介が、これは自分がやらなければと立ち上がります。でも、この長男、若い頃に引きこもりになったようで、家族に心配をかけたんです。それが心に引っかかっていて、今度は、自分が役に立つ番なんだって思ったのかなと思いました。
父親が全く役に立たないと解り、息子2人が、病院をローラー作戦で周り、母親の病気の治療が出来ないかどうか、聞いて周ります。余命1週間だなんて言われて、既に、手の施しようが無いと言われても、子供だったら、諦めが付かないですよね。たとえ、同じ事を言われようと、かすかな希望を探して、走り回るのは、とても良く分かりました。例えば、何か月何年も寝たきりで、余命を言われても、仕方ないと思うけど、さっきまで元気だったのに、突然、そんな事言われても、理解が出来ません。抗うと思います。
たくさんのお医者様を回って、レントゲンやカルテを先生に見て貰い、可能性を探し回ります。医者だって、人間だから、とてもそっけない先生や、親身になって考えてくれる先生や、色々な人々に2人は出会う事になります。これを観ていると、優しい人も居るんだよなぁと、感動が溢れてきます。ダメと解っても、話を親身に聞く医者や、他の医者を当たってくれる医者など、人間って、ステキだなっていう気持ちになりました。
そして、お母さんはどうなるのか。もちろん、アホなメロドラマのように、簡単に治ると言う事はありませんが、何か、希望が見えてくるのか、それとも・・・。ぜひ、観て、確認してくださいね。でも、母親の病気がメインでは無く、病気によって、今までバラバラだった家族が、一つにまとまれると言う事が描かれていて、面白いと思いました。ピンチに陥り、それまで、気が付かなかった、素養を見出すというのは、こう言う事です。家族がお互いに知らなかった一面を知り、強く繋がり合う姿は、とても温かいように見えました。
私は、この映画、お勧めしたいと思います。とても考え深い、面白い展開の映画だと思いました。でも、静かで、人物をじっくり描いている映画なので、早い展開やアクションなどが好きな人には、ちょっと退屈かも知れません。でも、感動作品が好きな方には、ピッタリだと思いますよ。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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