「百瀬、こっちを向いて。」初恋の苦さはいつまでも口に残るけど、良薬は口に苦しと言うでしょ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「百瀬、こっちを向いて。」を観てきました。


ストーリーは、

高校入学以降、パッとしない毎日を過ごしている相原ノボル(竹内太郎)。ある日、何かと懇意にしてもらっている先輩の宮崎瞬(工藤阿須加)に呼び出され、自分の隣のクラスの生徒である百瀬陽(早見あかり)を紹介された上に奇妙な提案をされる。それは瞬が校内で抜群の人気を誇る神林徹子(石橋杏奈)という恋人がいるにもかかわらず百瀬とも付き合っているといううわさを払拭(ふっしょく)するため、彼女とノボルが期間限定で恋人同士を装うというものだった。

というお話です。


百瀬

実は、あまり期待していなかったんですけど、高校生の頃の恋の描き方が、とっても良いんです。高校生の頃って、ちょっとした恋でも、もう、生きるか死ぬかくらい、真剣になってしまいますよね。彼が居なくちゃダメとか、彼女が居てくれるから生きられるとか、大人になって思い出すと恥ずかしくなるくらい、純な気持ちで、一途な思いをぶつけ合っていた頃なんだと思います。それがとっても鮮やかに、リアルに描かれていて、上手いなぁって思いました。

百瀬

ノボルは、小説家になり、故郷の高校で講演を行うために、故郷に戻ってきました。ノボルには、高校の頃に、苦い思い出があり、今もトラウマとなって、心に残っているんです。そのトラウマの元は、”百瀬”という女の子。ノボルは、幼馴染で自分の命の恩人である宮崎に頼まれ、百瀬陽と付き合っているフリをする事になります。宮崎は、神林徹子と付き合っているのですが、百瀬にも手を出したらしく、2人で居るところを誰かに見られてしまったようで、その噂を消して、神林と上手く付き合っていきたいと思っているんです。

この宮崎も、とても複雑な状況にあり、彼の行動は、周りを傷つける事が多いけど、でも、共感出来る理由があるんです。あまりネタバレ出来ないけど、宮崎だけ、高校生だけど、大人にならなければならない理由があり、大人が高校生の役をやっているという感じなんです。

百瀬

反対に、ノボルは、まだまだ高校生で、子供なんです。まだ、未来も見えず、これからどうなるんだろうっていうスタートラインに立ったような状態で、宮崎とは、全く立っている位置が違うんですね。そして、百瀬もまた、2人とは違う状況であり、高校生だけど、大人に一歩踏み込み始めている状態で、守られる方では無く、守る方に成長しているんです。この、同じ年代なんだけど、今、立っている位置が違うというのが、この3人の考え方で、良く伝わってくるんです。

私は、高校生の頃、ノボルと同じで、未来の事なんてわかんないし、まだ守られる方だったので、ノンキに騒いで暴れてました。この宮崎のように、先の事を考えて、既に大人として行動しているような友達はいなかったし、百瀬のように、家族の世話をするような子も居なかったな。でも、私が、ノンキすぎて、気が付かなかっただけなのかしら。考えてみれば、高校って、義務教育では無いんだから、家族の為に苦労している子も居たのかも知れませんね。まだまだ、周りの事に気が回るほど、人間が出来ていなかったんです。

百瀬

そんな自分の事を考えると、ノボルは、結構、キツイ事をやらされたんだなと考えてしまいました。身代わりに女の子と付き合うなんて、酷いよなぁ。でも、命の恩人からの頼みだし、百瀬は可愛かったし、人からの頼みを断れないタイプだったので、仕方なかったんでしょうね。可哀想でした。付き合っていれば、段々と百瀬の事を好きになるし、でも、百瀬は宮崎の事が好きだし、宮崎は神林と付き合っていきたいし、どこまで行っても、願いは叶わないのよね。辛い青春を送ったのでした。

百瀬

そして、大人になったノボルは、その頃を、思い出として小説に書いていて、その思い出をスッキリさせる為に、ある質問を、神林にします。その質問とは、映画を観て、確認してくださいね。結構、ドキッとする質問です。女は、恐ろしいなぁと思うと思いますよ。

私、期待していなかったからなのか、この映画、とっても良かったです。感動してしまいました。これ程に、高校生の頃の、それぞれの成長と気持ちを表現している作品は、あまり観た事がありません。良く出来ていると思います。好きな映画になりそうな予感です。

百瀬

私は、この映画、超お勧めしたい映画だと思います。大人が観ると高校の頃を思い出すし、若い子が観ると、自分が観ているものだけが全てでは無いと言う事を知ると思います。同じ教室に居ても、全く違う世界を生きている友達がいる事を知るのではないかと思います。ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




百瀬、こっちを向いて。@ぴあ映画生活



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