「ザ・ホスト 美しき侵略者」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
近未来、地球に知的生命体ソウルが襲来。彼らは人間に寄生して宿主の意識を奪い、一方逃げ延びた人類は反撃のタイミングを計りつつ潜伏していた。その中の一人であるメラニー(シアーシャ・ローナン)もソウルの餌食になってしまうが、消えるはずの意識が消えず一つの体に人類とソウルの二つの魂が宿ってしまう。
というお話です。
私の好きなSFものの映画です。まず、基本として、既に、地球が異星人に乗っ取られていると言う事です。知的生命体は、今回、タコ型でも、ヒューマン型でも無く、ケセランパサラン的な雰囲気のイモ虫型です。そのイモちゃんが、人間の体内に入って、脳を乗っ取るんです。だから、身体は地球人のものを使い、意識は異星人なんです。まぁ、星を乗っ取るんだったら、その環境に適した身体を乗っ取るのが一番やりやすいんですけど、不思議なのは、何故、地球を乗っ取ったのかと言う事です。
これが、ハッキリ言って、良く意味が解らないんですよねぇ。人類の為に身体を乗っ取って、争いの無い、理性的に行動する人間として、地球を大切に維持して行くという事なんだろうけど、なんか、イマイチ、なんで侵略する必要があったの?って聞きたくなるんです。指導者のみを乗っ取って、導いていけばいいだけの事なのに、みんな地球に来ちゃって、どんどん人間を乗っ取って、ほとんど、人間がいなくなった今も、まだ、宇宙から”ソウル”が向かってきているというのが、訳わかんないんです。だから、もう、人間がいないんだって!
で、この異星人、未来はどうするつもりなんだろう。人間を乗っ取って、子供は生まれるのかな。生まれた子供は、人間として生まれるのかな。それとも、既に、身体の中にソウルを持っているのかな。そこら辺の詰めが甘いところが、ちょっと、このSFの弱点かなと思いました。原作が悪いのかな。ま、そこら辺は、おいといて、とりあえず、内容についての話を進めて行きましょう。
異星人に乗っ取られた地球で、わずかな人間が、その侵略の手から逃れ、隠れて生きていました。その中の一人、メラニーは、弟を逃がす為に、”ソウル”を引き付け、乗っ取られる前に自殺をします。しかし、まだ息があったその身体に、”ソウル”たちは、仲間を乗り移らせます。メラニーの身体の中に入った”ソウル”の名前は、ワンダラー。彼女を乗っ取ったと思っていたワンダに、まだ内部で生きていたメラニーは話しかけます。そして、一つの身体に二人の人物が生きているという、困った状況に。
この一つの身体に、二つの心という話は、結構、二重人格の話では使われますよね。”ビリー・ミリガン”でも、リーダー人格がアーサーで、彼は内部の他の人格とコンタクトを取れたし、それと似ているかなと思いましたが、この話では、異星人が乗り移るという事なので、完璧に別人という事が解っているところが、全く違いますね。
メラニーの人格では、ジャレドが好きなのに、ワンダの人格だと、イアンが好きで、これ、困っちゃうよね。相手を求めたくても、身体の中の一方が拒絶するから、何も出来ないし、もー、ストレス溜まりまくりだと思いました。可哀想ですよね、彼女も、相手の男も。なんとか、メラニーとワンダを分けないと、恋愛が成就する事は無いので、なんとかしてよぉ~って思いましたよ。この恋愛の結末は、映画を観て下さいね。
この映画、私は、お勧めして良いかなと思いました。内容に、ちょっと問題はあるけど、でも、地球外生命体と、ただ、戦うだけのSFより、色々考えさせられて、面白いかなと思ったんです。これ、SFとして描かれているけど、人種同士の問題と捉えると、受け容れるのか受け入れないのか、まるで、今のウクライナの問題のように思えて、面白いと思いました。
後から入って来たロシア民族が増えてしまって、ロシアの一部にしようと思っているけど、元々のウクライナの人々は、自分たちの土地を護ろうとするし、これと同じなんです。どちらもが近づいて、新しい国を作ろうとする考えに辿り着けば、新しい道が開けるということを描いているようで、考えさせられました。国の利益じゃなく、人の思いが大切ですよね。面白い映画ですよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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