「世界の果ての通学路」どんなに貧しくても教育が大切だと誰もが解っている事が救いです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「世界の果ての通学路」を観てきました。


ドキュメンタリーなので内容は、

ケニアのジャクソンと妹は野生の象やキリンを避けながらサバンナを駆け抜け、アルゼンチンのカルロスと妹は雄大なパタゴニア平原を愛馬でひた走る。ザヒラはモロッコのアトラス山脈を臨む山奥の村から寄宿学校へと通い、インドで暮らす生まれつき足が不自由なサミュエルは弟たちの引く車いすで登校。彼らは危険も顧みず、学校に向け道なき道を進んでいく。

というお話です。


通学路

色々な国の子供たちが、学校に行く、通学路を追ったドキュメンタリー映画です。ただ、それだけなんだけど、その国々によって、全然、違うんです。

まず、ケニアのジャクソンとサロメは、危ないサバンナを横切り、学校に通います。2時間も歩いてですよ。サバンナには、色々な動物がいて、特に、象には気を付けるようにとお父さんから言われます。学校に行くだけなのに、様々な危険が待っているんです。でも、勉強をする事は大切な事だと言う事が解っていて、勉強をして、自分の未来の可能性を広げようという気持ちを、既に、小学生なのに持っています。家族の為に、一生懸命、学校で勉強して、医者になりたいとジャクソンは思っています。沢山の人を助けたいと思っているんです。毎朝、お父さんが、安全に学校に着けるようにとお祈りをしてくれるんですよ。親の気持ちが痛いほど判りました。


通学路

アルゼンチンのカルロスは、アンデス山脈の奥に住んでいて、馬に乗り、18kmの道のりを1時間半をかけて通学しています。険しい山道を馬で進むのは、結構、危険な道のりで、馬の脚が滑ったり、岩が崩れたりする場所もあり、カルロスと妹のミカイラは、慎重に通学します。父親からもらったお守りを、山の中腹のお祈り場のようなところに備えて、また、学校に進みます。朝、やっぱり、父親が安全に学校まで行けるようにと、お祈りをして、お守りを渡してくれるんです。


モロッコのアトラス山脈に住むザヒラちゃんは、4時間かけて22kmの通学路を通います。さすがに、毎朝通うのはムリなので、月曜日に自宅から通い、一週間は、寄宿舎のようなところに入るようでした。女の子が4時間も山道を歩くなんて、日本では考えられませんよね。直ぐに弱音を吐くだろうと思います。だけど、モロッコでは、ザヒラちゃんの代が、初めて学校で勉強をさせてもらえる年代で、家族全員が、喜んでいるんです。今まで、教育を受けたくても受けられない時代だったけど、やっと、勉強が出来るようになり、その有難さを、家族全員で喜び、ザヒラちゃんを応援しているんです。小学校、中学校は、義務で勉強をさせてくれる日本が、どれほど素晴らしいか、良く分かりますよね。


通学路

そして、最後は、インドのサミュエルくん。彼は、障害があり、歩くことが出来ません。車椅子で通学します。その車椅子を、兄弟2人が押して、学校に通います。4kmの道のりを1時間15分かかって、3人で通っているのですが、道が、日本みたいに舗装されている訳では無いので、砂利道を車椅子で通うのは、本当に大変そうでした。途中で車椅子が壊れたりして、もう、踏んだり蹴ったりですが、何とか、学校に着くことが出来ます。学校に着くと、学校の友達が一杯寄って来て、みんなで、彼の車椅子を担いで、教室に入れてくれます。なんて温かいんだろうって感動してしまいました。障害を持っていようと、仲間なんですよ。同じクラスで、一緒に勉強をするんです。それで文句をいう人も居ないし、差別する人も居ない。みんな一緒なんです。


通学路

何がどうってことが無いのですが、子供たちが、こんなに大変な通学をしても、勉強がしたいと思っている事が、素晴らしいと思いました。やっぱり、教育が大切なのだと言う事に気が付いているんです。ただ、勉強だけなら、山ほどの本を読めば良いんですけど、学校という場所で、集団で教育を受ける事が、人間としての成長に大切な事だし、社会的な生活をする第一段階なのだと、親も良く分かっていて、危ない道をも、送り出すのだと思いました。


通学路

日本は、どんな子供も教育を受けられて、それが当たり前のようになっているけど、他の沢山の国では、学校で勉強が出来ることは、とても幸せな事で、貧しければ仕事をさせられてしまうし、学校が無い国もあるし、宗教のせいで教育を受けさせてもらえない子供も居るし、そんな事を考えると、勉強をさせて貰える日本は、本当に良い国なんだと思いました。


そして、危険な中を学校に通って、まず、学校で最初にする事は、自分の国旗を掲げて、国歌を歌う事。自分の国に誇りを持っていて、自分の国を愛しているんです。この4つのお話の学校全てで、行われています。日本では、国旗を上げる事も、国歌を歌う事も無いですよね。まるで、それが悪い事のように言う人もいます。でも、どの国でも、教育を受けさせてくれる、自分たちの国に誇りを持っているんです。教育が受けられるという、とても有難い事を、当たり前だと思っている私たちは、あまりにも傲慢で、心が無くなっているように思えて、恥ずかしくなります。


通学路

この映画、私は、超お勧めしたいと思います。ドキュメンタリー映画と言いながら、きっと、これ、ドキュメンタリーじゃない部分もあると思うけど(きっと、撮影スタッフが指示をしていると思える箇所がちょっとあり。)、でも、ドキュメンタリー風で良いですよ。普段は、そういう事があるけど、撮影している時にたまたま無いのなら、それをやって貰っても良いじゃないですか。そんな事、ブツブツ言うなって。(笑)大変な通学路を通っている事に変わりはないのだから。ぜひ、観てみて欲しいです。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ



P.S : 超、良い映画だったので、感想が長くてゴメンナサイ。(笑)



世界の果ての通学路@ぴあ映画生活