【イタリア映画祭】「いつか行くべき時が来る」傷ついた彼女の心をアマゾンの自然が癒す。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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イタリア映画祭にて、「いつか行くべき時が来る」を観ました。


ストーリーは、

子供を亡くし、夫にも去られたアウグスタは、失意のうちにブラジルに渡り、母の友人である宣教師のフランカの元で布教活動の手伝いをしていました。しかし、宣教師たちの姿に違和感を覚え、船を降りて、マナウスの町に住む事を決めます。スラム街に住む一家に間借りし、貧しくも温かい人々と交流する内に、彼女の心は癒されて行くのだが、街では、貧困ゆえにはびこる犯罪も多く、売春や人身売買が行われていた。ある日、間借りしている一家のジャナイーナの息子が人身売買の犠牲となり、子供を失った彼女の悲しむ姿を見ていられず、彼女を今と違う環境の自分の母親の元へ送ることとする。そして自分は、アマゾンの森の奥に入り、他との交流を断ち、自然の中で自分を見つめ直し、平穏が訪れる。
というお話です。


行くべき

生きる事って、普通の生活が続いていると全く気が付かないんですけど、大きな悲しみが襲って来たりすると、先に進めなくなり、生きるって、自分で前に進もうとしないとしない限り動かないんだなって事に、気付かされます。それまで、社会と繋がって、周りの人間と一緒に船に乗っていたのに、同乗している人が居なくなると、自分の心のバランスが壊れて、船に乗っていられなくなるんです。一度、降りてしまった船は、先に行ってしまい、自分は取り残され、どうして良いのか解らずに、立ち止まってしまう。


行くべき

自分で前に進もうとするんだけど、何を目標に、何処へ向かって行けば良いのか、全く見当が付かないんです。一緒に進んでくれる人が居れば、その人に付いて行くとか、一緒に目標を作るとか、何か出来ると思うのですが、一人になってしまうと、何を見て進むべきか、一人で出来るのかなど、不安材料も増えるし、味方が居ないように思ってしまって、もがいてしまうんです。そんな不安定な時期を、この主人公のアウグスタは歩んでいるのかなと思いました。

行くべき

新しい地に行けば、今までの失敗してしまった事や、悲しい事を忘れて、新しい人生を歩むことが出来るのではないかと思い、ブラジルに渡って、新しい仕事をしてみたのかなと思いました。でも、ハッキリ言って、どこかに行ったからって、辛い事を忘れるはずは無いよね。自分が、その事実と向き合わなければ、何も終わる事は無いんです。辛く苦しい事を、一度、自分の中に受け入れて、それを昇華しない限り、忘れられません。自分が納得しなくちゃね。

行くべき

このアウグスタは、最初、宣教師についていれば、自分も救われるのではないかと思って、一緒にブラジルに行ったのではないかと思うんですね。だけど、宣教師の姿を見て、やっぱり、人間のやっている事なのだと言う事が解り、ブラジルに住む現地の人間との交流を始めます。現地の人間との交流で癒されたと思いきや、彼らの過酷な現実を知り、またも耐えられなくなり、アマゾンの奥地に入って、一人、静かに考えて、現実を受け入れる時間を持つことにしたのだと思いました。確かに、一人で静かに考える時間って、必要なんですよね。

行くべき

この映画は、ジュリア・ロバーツ主演で公開された「食べて、祈って、恋をして」を陽の自分探し映画とすると、これは、陰の自分探し映画という感じかな。どちらも、自分が歩いていく道を見失い、模索しながら、自分の未来を見つけて行くという映画なんです。

ブラジルの子供たちや住民の方々は、本当の現地の方を使っているそうで、その力強さと活き活きとした表情は、とってもステキですよ。そして、アマゾンの自然の姿は、雄大で素晴らしいです。ブラジルのちまちました街中から、アマゾンの青空と草原と河へ移動するところは、息苦しい雰囲気から、思いっきり空気が吸えるような気持ちになり、とても良かったです。


行くべき

私は、この映画、お勧めして良いと思います。女性が生きる希望を持っていく姿は、気持ち良くなりますよ。日本公開は解りませんが、もし、公開されたら、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ



行くべき