イタリア映画祭にて、「南部のささやかな商売」を観ました。
ストーリーは、
女性と関係を持ってしまい、聖職を退いた元神父のコスタンティーノは、母、スティラのいる故郷に帰るが、幼馴染のアルトゥーロと結婚した妹が、愛人と駆け落ちしたと言う事実を知り、その上、アルトゥーロの父親の死が重なり、神父では無いと言う事を言い出せず、葬式で、気まずい雰囲気を醸し出してしまいます。そして、街に居にくくなったコンスタンティーノは、子供の頃住んでいた海辺の灯台に移り住みます。古い灯台で、ゆっくり職探しをしようと思っていたところへ、何故か、アルトゥーロや母親のステッラ、元娼婦のマニョーリア、家政婦のヴァルボーナ、そして妹のローザ・マリアも見つかり、静かな灯台で大騒ぎ。雨漏りをしていた灯台の工事を頼んだ修理屋の父娘と元サーカス団員も巻き込み、何故か、灯台をホテルに改装して、生計を立てて行く事となります。そして・・・。
というお話です。
何人もの登場人物がいて、それぞれに、それぞれの物語があり、段々とその物語が近づいていくというお話です。主人公のコスタンティーノは、神父だったのですが、女性の誘惑に負けてしまい、欲望を成就させてしまいます。そして、神父を辞めることに。普通の神父なら、懺悔をして無かったことにしてしまうけど、コスタンティーノは、真面目な性格なので、そういう事が出来ずに、辞めることにしたのです。
コスタンティーノの義弟アルトゥーロは、妻が愛人と駆け落ちし、逃げられた夫ということで、町に居ずらくなり、コスタンティーノの灯台の家に逃げ込みます。一緒に住んでいる内に、自分の妻が、思ったより近くに居る事に気が付き、その愛人とも相対することとなり、何とも不思議な関係に。
コスタンティーノの母親は、息子が神父を辞めたという事を町中に知られてしまい、今まで誇りにしていた息子が堕落したことが恥ずかしくて、町から離れて灯台の家に住むことにします。
コスタンティーノの妹でありアルトゥーロの妻のローザは、中国に愛人と逃げたと話していたのですが、実は、近くに愛人と潜んでいて、灯台の家に顔を出します。そして、愛人の正体を知った家族には、衝撃が・・・。
このような家族のゴタゴタの上、灯台の家に、元娼婦のマニョーリアと、その妹でありステッラの家の家政婦をしているヴァルボーナがやってきます。マニョーリアは、住むところが無く、近所にホテルも無いので、灯台の家に泊まることに。
そして、灯台に住む為に、雨漏りを直してもらおうと呼んだ修理屋たちも、ゴタゴタに巻き込まれます。神父を辞めて、無職になったコスタンティーノに、灯台をホテルに改装すれば、収入を得ることが出来ると話します。
このホテルが、南部のささやかな商売になるのかなって感じですけど、さて、ホテルにはしたいけど、お金がかかるし、人が来てくれるのかという事も心配だし、色々な問題が・・・。
こんなにバラバラした説明ですが、映画の雰囲気も、最初は、バラバラしているんですよ。でもね、段々と、人と人がくっついて行って、そこには、聖職の問題、職業の問題、親権の問題、同性愛の問題など、色々な問題が含まれていて、どれも考えさせられるんです。よく、これだけ満載な内容をまとめたなぁという感じですが、最後は、めでたしめでたしとなって、観ている方も、ほっとします。ここまで読んで頂いて解るかと思いますが、もちろん、コメディです。とっても笑える部分が多くて、楽しめますよ。
とてもイタリア映画らしい内容で、私は、とってもお勧めしたい映画かな。今回の映画祭の中では、これが一番、日本公開しやすそうな内容だけど、公開してくれるかなぁ。とっても面白いから、皆さんに観て欲しいんだけどな。この映画を観ると、キレイな海に遊びに行きたくなると思いますよ。