イタリア映画祭にて「ミエーレ」を観ました。
ストーリーは、
イレーネは、ミエーレ(蜂蜜)という仮名で、病の果てに安楽死を求める人々を助ける仕事をしています。仲間の医師を通じて末期医療を受ける患者からの依頼を受け、秘密裏にメキシコで動物用の睡眠薬を入手し、致死量を与えるというもの。非合法だが、苦しむ人々を救う正しい事と確信して仕事をしています。しかし、ある日、全くの健康体の老紳士の依頼を受けて薬を渡してしまったミエーレは、彼を留める為に話をする内にその仕事が本当に正しいのかと考え始めます。そして・・・。
というお話です。
どの国でも、末期医療って、問題になっているんですね。余命宣告を受けて、それからずっと苦しんで生きているだけなら、安楽死を求めるのって、動物だったら自然な事だと思うんですけど、日本では、認めて貰えないのかな。世界では、近年、やっと、色々な国で認められ始めてますよね。オランダ、スイス、ベルギー、ルクセンブルグ、アメリカの2州、くらいかな。簡単には決められない事だから、日本みたいな決断が出来ない国は、いつまで経っても認めないかも知れませんね。そんな末期患者の助けになる仕事をしているミエーレ(イレーネ)は、苦しむ人を違法であっても助けられることを誇りに思っています。
このミエーレの考え方って、私は、ちょっとどうなのかなと思ってしまったのですが、安楽死の手立てを教えるならば良いけど、色々な手助けまですると言うのは、どうなんだろう。メキシコまで行って、犬用の睡眠薬というか安楽死用の強い薬を勝ってきて、それを人間に与えるって、それは、殺人だよね。だから、殺人をしているという罪の意識を持ってやっているなら解るけど、正しい事をしていると思って、誇りを持っているような雰囲気が、最初は、鼻に付きました。
でも、安楽死に立ち会ったりしている内に、段々と、自分のやっている事の重大さを感じ、心の負担が大きくなって行きます。そして、病気でもないのに、やる事をすべてやったからという健康な老人に、安楽死用の薬を渡してしまいます。それは、自分が良く確認をしなかったからという理由なので、ミエーレは、老人に薬を返すように何度も話をしに行きます。何度頼んでも、薬を返してくれない老人なのですが、そんな交流を続けるうちに、老人とミエーレは、仲良くなって行きます。
死というものに対して、色々と考え始めるミエーレは、安楽死の仕事を辞めようと思い始めます。死と向き合うのではなく、生と向き合って行こうという気持ちになったところに、老人が訪ねてきます。そして、ミエーレが渡していた薬を返して帰って行くのですが・・・。その後は、映画を観て欲しいな。
映画としては、ちょっと進み方が遅くて、途中、眠くなっちゃったんですよね。どーも、全体的に暗い雰囲気で、重くて、眠気を誘われてしまいました。ちょっとウトウトくらいで、なんとか持ちこたえましたが・・・。
安楽死って、私は賛成だし、自分が不治の病であと何日生きれるのか解らず、ずっと痛い思いをしなければならないなら、死んでしまおうと思うと思います。人間には、生きる権利も死ぬ権利もあるはずですよね。それを法律で規制されたって、止められるもんと止められないもんとありますよ。
死というものを補助する立場側から見る事が出来て、ちょっと考えさせられました。私は、この映画の内容は、お勧め出来るかなと思いましたが、日本公開、あるかなぁ。ちょっと暗めの内容なので、どうか解りませんが、もし、公開されたら、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
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