「はじまりは５つ星ホテルから」を観てきました。
ストーリーは、
ローマ在住の独身女性イレーネ（マルゲリータ・ブイ）は、高級ホテルの覆面調査員。素性を隠して世界各国の5つ星ホテルに滞在しては、サービスの徹底度を事細かくチェックしていた。スイスのグシュタード・パレスホテル、ドイツのホテル・アドロン・ケンピンスキー、中国のザ・プリホテルなどに宿泊しながら、自由気ままな人生で誰もがうらやむ仕事をしていると固く信じていたイレーネ。しかし、ある出来事をきっかけに、仕事、家族、愛、友情といったさまざまなものを見つめ直すようになる。
というお話です。
これ、仕事を一生懸命している女性には、結構、グッとくる映画だと思います。これ、解るよなぁって思ってしまいました。イレーネは、ホテルの覆面調査員なんです。もう、ベテランで、調査員としては、トップクラスだと思います。そんな彼女は、仕事が第一で、家族との生活は二の次。結婚もせず、友達以上恋人未満の男性と付き合い、姉の家族との付き合いのみで、仕事を優先する毎日を送っていました。
働くことに生きがいを感じ、やればやるほど、仕事の精度が上がって、楽しくなってくる。仕事をやらずに居られなくなるんですよね。でも、それって、フッと気が付くと、自分の周りに何もない事に気が付くんです。あれ？仕事が無くなったら、私に何が残るんだろう。私が死んだ時、誰が遺骨を拾ってくれるのだろうって・・・。男性って、結構、そういう事に気が付かないみたいだけど、でも、女性は、やっぱり、気が付いてしまうんですよ。だって、友達は、ステキなお母さんになっていたり、主婦業って大変って大騒ぎしていたりして、なんか、生活をしているって感じなんですもん。怒られるかも知れないけど、そんな友達が、時々、無性に羨ましく感じる時があるんです。
このイレーネは、本当に活き活きと仕事をしていて、一見、幸せそうに見えるんだけど、ふと、やっぱり、結婚して、子供を育てるという生き方の方が良かったかなって思うんです。どうして、そんな事を思ったかという事は、映画を観て、確認してくださいね。ちょっと、驚くような、悲しい事が起こりますから。
それにしても、ホテルの調査員って、厳しいですね。もし、自分がホテルに勤めて居たら、マジで恐ろしい存在だと思います。でも、ホテルを使う客としては、これ位やって貰いたいよなぁと思う事はいくつもありました。だって、ベッドメイキングは、完璧に美しくして欲しいし、痒いところに手が届くほどに世話を焼いて欲しいし、清潔なソファに座りたいし、レストランでは、気持ちの良い対応をして欲しい。だからこそ、イレーネのような調査員がチェックしてくれる必要があるのでしょうね。私たちの快適さは、彼女のような調査員の努力の上に成り立っているんです。
そんな大切な仕事をしているイレーネですが、自分ががやらなくても、誰かがやってくれるんです。自分しか出来ないと思うのは大間違い。自分の代わりはいくらでも居るんです。だからこそ、自分がやりたいと思う事を、仕事では無く、大切な事を見つける方が重要なのではないかと思いました。そして、イレーネは、それに気が付いたと思います。
自分の人生を見つめ直すイレーネは、仕事も必要だけど、他にも、色々、大切な事があるなぁって気が付いて、自分を変えて行こうと動き出します。新しく動き出す彼女の人生は、どうなって行くのか、とても楽しみな気がしました。
この映画、私はお勧めしたいです。特に、女性に観て欲しいな。結婚だけが幸せでは無いし、子供を育てるのが人生では無いけど、でも、仕事も人生じゃないんです。色々な事を周りの人と考えながら、楽しい人生を送る事と、誰かの為になる事が出来たら、それは、また幸せなのではないかと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・はじまりは5つ星ホテルから＠ぴあ映画生活