「ラヴレース」を観てきました。
ストーリーは、
21歳のリンダ（アマンダ・セイフライド）は、敬虔（けいけん）なカトリック教徒の父（ロバート・パトリック）と母（シャロン・ストーン）とフロリダで生活していた。ある日、彼女はバーの経営者チャック（ピーター・サースガード）と知り合い、誘われるままに付き合い始める。そのまますぐに彼と結婚したリンダはセックスの喜びを徹底的に教えられ、性的に成熟していくが……。
というお話です。
伝説のポルノ映画「ディープ・スロート」の裏話と、主役のリンダ・ラヴレースが、何故、主演する事になったのかというお話でした。私、このポルノ映画、この映画で初めて知ったのですが、そんなに有名なポルノ映画なんですか？昔の話だから、時代背景が解らないのですが、ポルノ映画も、まだ派手では無かったのかな。でも、ポルノ映画を、普通の映画館でやっているというのが、とても不思議でした。
リンダの家は、敬虔なカトリックと訳されているけど、観ていて、どーもプロテスタントだったんじゃないかな。母親もそう言っていたような気がするし、家に十字架などの飾りが無かったでしょ。カトリックは、偶像崇拝だけど、プロテスタントは思想を重んじて偶像崇拝を禁止しているため、家に何も無かったんだと思います。そこら辺、ちゃんと訳さないと、根本から考え方が違うから、彼らの生活の部分や、リンダへの教育の違いが伝わらないですよ。翻訳家が悪いのかな。映画会社も、洋画を配給するなら、宗教の事は勉強していないと、全く違う事になるから、考えて欲しいです。ただ、文字を訳せば良い訳じゃないのよ！
と、怒りから入ってしまいましたが、映画自体は、彼女の振り回された人生を描いていて、女性がＤＶで苦しむのだと言う事を訴えていて、良かったですよ。
リンダは、ローラースケート場で遊んだ後、チャックと出会い惹かれあいます。チャックは、表向きは、とても真面目そうな男に見せる事に長けていて、リンダの両親に良く思われ、リンダと結婚します。結婚して直ぐに、チャックの仕事は失敗し、お金に困り、リンダに売春やポルノ映画に出る事を強要します。リンダの母親は、夫に従い、夫の為に尽くすのが妻の役目だと教えていて、リンダは、夫の為に、やりたくない事もガマンして続けて行くのですが、さすがに耐えられなくなった時、チャックは、今度は、拳銃でリンダを脅し、仕事をさせ続けます。
とにかく、夫のＤＶが酷いんです。リンダがちょっとでも口答えをするようなら、直ぐに殴るし、強姦まがいの事をするし、どうして逃げないのか解りませんでした。拳銃を突きつけられて、売春を強要されたりするし、もう、トンデモナイ夫で、こんな奴、どうして夫として一緒に居るんだよって思ったけど、その時は、恐怖で逃げられなかったのかも知れません。
仕方なく出たポルノ映画「ディープ・スロート」でしたが、撮影時も色々な人に出会って楽しいし、映画としても成功したので、リンダは、もしかして、これで普通の女優になれるかも知れないという夢を抱きます。でも、それも、チャックの欲のせいで、壊されてしまいます。チャックは、何故か、リンダをポルノ映画に出さず、アダルトグッズで儲けようとしたり、それに失敗すると、リンダに売春をさせたりします。
もう１本、ポルノ映画に出ていれば、ちょっと風向きも変わったような気がするんだけど、チャックは、有名になるリンダに嫉妬して、ポルノ映画に出したくなかったのかしら。リンダを思って出さなかったのなら、売春なんてやらせないだろうし、マジで酷い男だなぁと思いました。許せないよね。
表舞台から消えた後、リンダは、ＤＶなどで苦しむ女性の為に、訴える事をしていたそうです。自分が苦しんだからこそ、他の女性は助けてあげたいと思ったんでしょうね。それにしても、私、この映画の事も、リンダさんの事も、今まで全く知りませんでした。ラヴレースっていうのも、名前じゃないと思っていたんです。(笑)そんなに有名な女優さんだったんですね。驚いてしまった。
私は、この映画、お勧めしたいと思います。でも、彼女の歴史を辿って行くお話なので、やっぱり、単館系の映画が大丈夫な方でないと、途中で眠くなるかも知れません。シャロン・ストーンが、リンダの母親役で出ていて、ちょっと驚きますよ。アマンダのリンダ役、すごいっす。脱いでます。やっぱり、女優として成功する人は、脱ぎっぷりもイイですね。自信があるからこそ、体当たりが出来るんでしょうね。あっぱれでした。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・ラヴレース＠ぴあ映画生活
- ディープ・スロートの日々―リンダ・ラブレイス自伝 (1980年)/徳間書店
- ￥1,029
- Amazon.co.jp