「WOOD JOB！／ウッジョブ！神去なあなあ日常」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
大学受験に失敗し高校卒業後の進路も決まっていない勇気（染谷将太）は、軽い気持ちで1年間の林業研修プログラムに参加することに。向かった先は、携帯電話が圏外になるほどの山奥のド田舎。粗野な先輩ヨキ（伊藤英明）のしごき、虫やヘビの出現、過酷な林業の現場に耐え切れず、逃げようとする勇気だったが……。
というお話です。
これ、超面白かったです。大笑いですね。やっぱり、矢口監督作品は、イイなぁ。本当に面白いです。そして、面白いだけでは無くて、今の日本の問題も描いていて、それも良いなぁと思いました。良く、林業という職業に目を向けて下さったと思って、嬉しくなりました。林業をやってくれる方々が居なくなったら、日本は大変な事になります。山はメチャクチャになり、良い住宅も建たなくなり、花粉症になる人の数も増えるんじゃないかな。普段、私たちは、あまり気にしていないけど、林業が無くなったら、本当に生活に影響が出るんです。
主人公の勇気は、受験失敗して、とりあえず１年、林業の研修に行ってみようと参加してみます。山奥の研修場所は、１日に電車が２本しか来ないような過疎地。着いた途端に帰りたいと思っても帰る手段も無く、仕方なく参加。１か月は、研修所での研修で、後の１１か月は、林業の現場で研修をしながら働くというものでした。中村林業に派遣された勇気は、恐ろしい飯田（伊藤さん）の下で、シゴかれながら、一つ一つ、林業の重要さ、楽しさ、辛さなどなど、色々な事を覚えて行きます。
とにかく、キャストがピッタリで、誰もがイイんです。特に、勇気役の染谷くんは、現代っ子のボンヤリさ加減と言い、淡々としながらもちゃんと仕事を覚えて行く姿と言い、ちょっとした優しさと言い、この役にピッタリなんです。ヒルにお尻を噛まれた姿は、かわいくて、スッゴク笑えました。
伊藤さんの飯田ヨキ役は、山男の典型という感じで、カッコ良かったです。妻役の優香さんも、本当に俳優として開花したって感じで、良かったです。２人の夫婦は、現実に居そうで、笑ってしまいました。そして、石井直紀役の長澤さんは、容姿とは違い、とても男っぽいサバサバした女性で、心に傷を負っているという役で、ちょっと鼻に付く性格なんだけど、良かったと思います。
この面白さを、上手く伝えるのは難しいな。観て、聞いて、感じて、全てが面白いに繋がっているような、全身で面白さを感じられるような感覚なんです。そして、温かくなるの。山の神様を大切に思い、伝統を重んじながらも、新しい空気を迎え入れている林業の世界は、日本の大切な部分を描いているようで、とても好感が持てました。
私たち建築関係の人間にとって、林業を営んでくださる方々は大切な宝です。現在は、輸入の木材が多いですが、やっぱり、国産の木材は違います。映画で描かれているように、枝打ちなどをマメにやって下さった山の木材は、年輪も美しく、材料として、とても強度が高いんです。安い建売や、坪ナン万とか言っている住宅メーカーの住宅には、間引いた木材や柔らかい輸入材が使われているので、歪みも大きいし、耐震性も低い。その点、良い日本の材料を使っている住宅は、歪みも少なく、耐震性にも優れているんです。最近は、国産無垢の木材と、集成材という木材を糊で貼って強度を高めた材料を組み合わせて使っていて、建築も良くなりました。地震の多い日本では、強度の高い国産の材料を使って家が建てられたら、そんな良い事はありません。
林業って、どんなものって事が、この映画で知ってもらえたら、もっと林業に携わる人が増えて、良くなって行くかも知れません。そうなって欲しいな。未来をもっと良くする為に、自然を大切にして、共存出来るような生き方が、全ての人に浸透していったら良いのにね。動物も植物も、みんな生きているのだから、遠慮しあって生きて行かなくちゃね。
私は、この映画、超超お勧め映画です。こんなに楽しくて、面白くて、温かい映画、みんなに進めなくてどうするんだって思いました。(笑)とっても良い映画です。ぜひ、沢山の人に観て欲しい。私は、この映画を観て、ちょっと森に行きたくなりました。森林の空気を浴びたくなる映画ですよ。ぜひ、皆さんも観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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